純情ハートとウマ娘(凍結)   作:ゲーミング

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 間に合わなかったぁあああ!!!!


第五十五話

 オグリの出走するレースが明日へと迫った今日、天気は生憎と雨になった。お陰で激重蹄鉄を外した状態で芝を走るのが、本番になってしまった。天気予報もこれからちゃんと確認しておかないと不味い。

 いや、そもそも降水確率10%で降ってるのがおかしいと思うんだよね。

 

 僕が参加する行事の日って大体雨だった気がするけど、でもレースの日は晴れてた……いや『流れ星』に入ったオグリのレースって雨降ってる時の方が多い……?いや、気の所為だよ。

 何とか体育館の予約が間に合ったのは良いんだけど、なんのトレーニングやろうか。身体動かすならスポーツだよね、でも何がいいかな、候補としては細かく動き回るからバスケとか、避けたりする為に身体動かすからドッヂボールとか有るんだけど。

 

「遊んで終わりになりそうなんだよね……でもオグリが明日レースだからあんまり本気でトレーニングをやらせたらオーバーになりそうだし……」

 

 共同スペースの窓から見た空はどんよりと重たく、雨による水滴で外の景色は余り良くなかったけど、でも別に雨は嫌いじゃないんだ。

 雨が降ると体育とか休みだったからね、別に運動が苦手な訳じゃ無かったけど高確率で2人1組になってーとかそう言うのがあったから、それがすごく辛かった。

 

「……良し、決めた」

 

 体育館でもやれるトレーニング、レースを控えたオグリも参加出来て、楽しい奴。それが思いついた様な気がしたんだ。

 

「あ、新人くん!」

 

「……ぁわ、え、うん、あの」

 

「おはよー!今日雨降っちゃったけど、トレーニングする場所確保出来た?」

 

「うん、あ、えと、体育館になって……ぁおはようございます」

 

 突然現れたのはお姉さんトレーナー、良く話し掛けに来てくれるけど、少し苦手。コミュ力強いから。

 

「雨の日に体育館取れるなんて凄いじゃん!おめでとうね!」

 

「あり、ありがとうね?……他の人達は筋トレ系の施設借りに行ってたからね。体育館はあんまり来なくて……体育館は独り占め出来たけど、あんま、あんまり嬉しくなかったり」

 

「1人!?へぇー、体育館って不人気なんだ……」

 

「いや、あんまり居なかったけど、居たんだよ……僕が体育館に行ったら皆居なくなっただけ……」

 

「……あっ」

 

 なんだよ、あって。知ってたさ、あぁ、知ってるよ嫌われてる事位さ。でもあからさますぎるでしょ!皆分かってんのか、トレーナーである僕達はウマ娘達の夢を叶える為にここに居るのであって、嫌いな奴が来たからってトレーニング場所を丸々1つ明け渡すとか正気なのか!……言ってて悲しくなってきた。

 

 でも分からなくもないんだ、体育館が不人気な理由。タンジュンにやる事がすごく限られてくる。スポーツって言ったって、正直ウマ娘は走る事が1番なのであって、バスケもドッヂボールも走る事よりどちらかと言えば腕を使うから、トレーニングになるかって聞かれるとやっぱり疑問符が着くんだ。

 で、筋トレ系の施設、ジムなんだけど……向こうは本当に簡単で、ウマ娘に筋トレしてもらうだけで全然レースが変わってくる。足腰鍛えるだけで走りにキレが出て来るんだ。

 おハナさんのチーム『リギル』は今日の為に1週間前から予約してたみたいで、他のトレーナー達と共有しては居るけど、必要数は確保してたから本当に凄いと思う。

 

 それって、自分1人じゃなくて、周りのトレーナーが担当してるウマ娘の事もしっかり考えてるって事でしょう?僕はそこまで気が回らないし、何だったらライバルがトレーニング1日潰れるなら独占しても……って考えが湧いてきちゃうモノ。

 

「私は取れなくってさー……あ」

 

「どうかした?」

 

「いやー、えっとさ……体育館って新人くんのチームだけなんだよね?」

 

「そう、だけど」

 

「お願い!君のチームのオグリキャップも私の担当してるマスターと同じレースに出走するのは分かってるの。ライバルになるのも分かってる、でもお願い。隅っこだけでも良いからスペース貸してくれないかな……?」

 

 その質問に、僕はなんて答えたらいいんだろう。お姉さんが言ってるようにオグリの出走するレースにお姉さんのウマ娘も出走するんだ。だからライバルになるんだけど、その成長を促進させる事に果たして意味は——。

 

「……っ!」

 

「え!?なんで自分の頬っぺた叩いてるの!?え、赤くなって……大丈夫?」

 

「……大丈夫。良いよ、合同でトレーニングやろう」

 

「……ホントに!?ヤッター!ありがとう新人くん!」

 

 バカだ、僕はバカ野郎だ。ついさっきおハナさんが凄いって思ったじゃん。ライバルだからなんだよ、オグリは()()()()()とのレースを望んでいる。だったら別に場所を貸す事なんてどうって事ないじゃないか。

 

 

 だって、だってさ。

 

 

 僕のオグリがたった1日トレーニング場所を貸した事で、ライバルに負けるなんて事、ある筈無いんだから!

 

 

 それに2人でトレーニング考えれば、いい物が出来るかも知れないしね。100%の善意なんかじゃない、でも困ってるのだったら、僕に出来る事なら手助けするべきなんだって、そう思っただけなんだ。

 割と下心有るけど。

 

「じゃ、じゃあ合同トレーニングって事で、どんなのやるか話そ……」

 

「走ろう!」

 

「……へ?」

 

「体育館でも走れるから!走ろうよ!」

 

「あの」

 

「じゃあ決まり!トレーニング表書いちゃうね!」

 

MATTE(マッテ)!?」

 

 トレーニング表はお姉さんが書いてたづなさんに提出しに行った。

 どうしよう、コレなんて説明すればいいの?




 辛い。
 お姉さんトレーナーの容姿は皆さんのお好きな姿で想像してね。
 

新人トレーナーの妹ウマ娘予測アンケート

  • 1番人気ライスシャワー
  • 2番人気キタサンブラック
  • 同じく2番人気メジロドーベル
  • 大穴カレンチャン
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