純情ハートとウマ娘(凍結)   作:ゲーミング

62 / 128
 お姉さんとのドキドキトレーニング。
 字面だけ見たらとても良い、字面だけなら。



第五十六話

 拝啓、お父さんお母さん。6月も中頃に入り梅雨の気配が強まってきた頃、僕は夢だったトレーナーになり、紆余曲折を経てかの有名な『トレセン学園』へと就職出来ました。新人トレーナーとして、第1歩を踏み出そうとした所、勧誘レースで出遅れ、散々な目にあいましたが漸く担当ウマ娘が1人付き、2人と増え今ではチームを組めるレベルまで人が集まりました。いつも通り周りの人間からは避けられて居ますが、彼女達はとても良い娘達で——。

 

「ふぅははは!オグリキャップよ!貴様其の程度の重りでワシと走るのか?たわけがっ!」

 

「……なら後5キロ追加しよう」

 

「怪我しちゃうから辞めてよッ!なんで二人共乗り気なの!オグリは明日レース!マスターアジアもレースでしょ!?」

 

 ——良い娘達で……。

 

「……キャット」

 

「にくきゅー♪」

 

「ドッグ」

 

「ぶんぶん!」

 

「……芝!」

 

「故に私!!」

 

「いっえーい!」

 

「ふぅふぅふぅ〜♪」

 

「お前最高かよっ!アタシのノリに付いてくるなんてよォ!」

 

「あはは〜だって私アタマオハナバタケだよっ♪」

 

「おう!お前はアタマオハナバタケだ!んでアタシはゴールドシップだ、83.95.32.23(よろしく)な!」

 

「うん!よろしくぅー!」

 

「もう会話がわけわかんないよぉ!」

 

 なんて言った?え、なに、え?いや、いいや良い娘達で……。

 

「マヤちんトレーナーちゃんとあの女の人の関係気になるな〜」

 

「マヤノも待って、そろそろボク喉枯れそうなんだけど」

 

「えー、でもテイオーちゃんも気にならない?トレーナーちゃんが女の人連れて来たんだよッ!!これは由々しき自体なんだよ。戦争だよせんそー!」

 

「だからボクに分かる言葉で言ってよ!なんでトレーナーが他のトレーナー連れて来たら戦争なんて物騒な言葉出て来るのさっ!」

 

 ……良いウマ娘達だと思っています。主にテイオー。

 

「ねぇねぇ、新人くん新人くん。取り敢えずトレーニングはじめよっか!」

 

「トレーナーちゃん!」

 

「おーい、アタシの相方出来たぜしんじーん」

 

「アタマオハナバタケだからです!」

 

「ワシが貴様に挑むのでは無い!貴様がワシに挑むのだ!忘れるなよ!」

 

「どちらでも同じだ。私が勝つ」

 

「トレーナー、ちょっと2人で外に出て空気吸って来ない?ボクそろそろ喉と頭が痛くなってきちゃった……」

 

 …………なんだこのカオスな空間。いや本当になんなんだ?後テイオー、此処から逃げ出したいのは分かるけど、そんなに腕引っ張らないで、肩が悲鳴上げてるから、まって、ちょっと、ねぇ……まってって!?

 

「新人くん!」

 

「新人!」

 

「アタマ!オハナ!バータケー!」

 

「トレーナーちゃん!」

 

「かかってくるがいい、オグリキャップゥ!!!」

 

「見ててくれ皆……私は勝ってくる」

 

「トレーナー……」

 

 あ゛ぁ゛あ゛あ゛……もう!

 

「ちょっと落ち着かせてよぉ!」

 

 体育館だから無駄に声が響いた。

 混ぜるな危険って本当に有るんだね……いや知ってたけどさ。

 

 

 

 

◆❖◇◇❖◆

 

 

 

 現実逃避は終わりだ、そう茶番は終わりなんだ。コレから始まるのはれっきとしたトレーニングである。そう自分に言い聞かせていた。自己紹介は既に終わっており、先程からオグリを挑発しまくってたのがマスターアジア。

 

 距離適性、短距離以外全てAクラス。脚質は逃げに若干のなんがあるものの、その他作戦……特に追い込みは舌を巻く程のモノを持っている。ゴルシとどっちがやべーかと聞かれたらゴルシだけどね。

 流石に転倒からのごぼう抜きは見たことない。

 

 次にアタマオハナバタケだった。このウマ娘は物凄く不思議で、頭の上に花の冠をつけているのだが、元気いっぱいなウマ娘だった。なんかゴルシと呼吸が合ってたけど、波長が合ってたのかな。

 

「で、私達はどんなトレーニングをするんだ?」

 

「……オグリが戻って来てくれた……」

 

「私と新人くんで考えたんだけど」

 

「僕の提案は殆ど却下してたよね?」

 

「私と!新人くんで!考えたんだけど、取り敢えずシャトルランなんてどうかなって」

 

「「シャトルラン?」」

 

「僕の提案は」

 

「なに?」

 

「……なんでもないです」

 

 なんでこんなに肩身狭いんだろ……僕が考えてたのは、重りと言う名のタイヤを腰に紐で括り付けて走って貰う事だったんだ。慣れて来たらタイヤの上に誰か乗って貰う事も考えてたんだけど、負担が凄いって事で却下された。いや、うん、分かるけどさ。

 

 でも君が提案して来たシャトルランだって、普通のシャトルランより負担えぐいからね?

 

「シャトルランってアレ?あの音楽が鳴ってっていう」

 

「そーそー!今回は音楽鳴らさないし、回数も決めて無いけどね」

 

「……音楽が鳴らない?」

 

「回数も決めてないって……あ、マヤ分かっちゃった……」

 

「マヤノの目から光が消えちゃったよ!?」

 

 うん、何となく察するよね……。そう、このシャトルランって言うのは……。

 

「新人くんが手を叩いてテンポを作るの。それでその回数で私が1往復って数えるの!皆頑張ってね!」

 

「終わりは、終わりは無いんですか!?トレーナーさん!?」

 

「ないよ、そんなの」

 

 ごめんねバクシンオー、僕には彼女を止める事なんて出来なかったんだ。べ、別に手を握られたりして黙らされたとか、そんなんじゃないんだからね!ホントだよ!

 

「じゃあアタシはそろそろ帰るわ……」

 

「逃がさねぇよ」

 

「はな、離せ新人ッ!無理だろ!倒れるまで走らされるってことだろ!?アタシ達の事を思えばそんな非道はしないだろ!」

 

「ふはは!面白い!倒れるならば前のめりで倒れてやろうでは無いか!」

 

「なんで乗り気なんだよ!?」

 

「だって私達いっつもこんな感じだからね〜」

 

 いつも……?え、もしかしてお姉さんって滅茶苦茶スパルタ……?

 背中に冷や汗が流れるのを感じたけど、もう止められないし止まらない事を悟ってしまった。

 

「じゃあ始めるよー!」

 

「止めろーッ!止めろーッ!!」

 

「今回はゴルシにさんせーするよ!!絶対オーバーだってェ!」

 

「大丈夫だよ!無理だと思ったら倒れれば良いんだから!」

 

「助けてトレーナーッ!」

 

「諦めろテイオー。私達は彼女達のトレーニングを受けなければ帰れない」

 

「なんでオグリキャップさんはちょっとワクワクしてるんですか!?後いい加減重り外しましょ!?」

 

「トレーナーちゃん、後でマヤとお話しようね」

 

「……はい」

 

「じゃあ1回目〜」

 

「あ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛!!!」

 

「……テイオーが叫んだの初めて聞いたかも知んねぇな」

 

「ゴールドシップは冷静になったな」

 

「……アタシより焦ってるからな」

 

 

 ごめんテイオー、僕は此処で手を叩く事しか出来ないんだ……。

 

 

 尚1番初めに脱落したのはアタマオハナバタケだった。

 

「…………お花畑見える」

 

 それは見えちゃいけないと思う()




 因みに
 アタマオハナバタケ
 サクラバクシンオー
 トウカイテイオー
 マヤノトップガン
 マスターアジア(重り付き)オグリキャップ(重り付き)
 ゴールドシップの順番で脱落してます。

新人トレーナーの妹ウマ娘予測アンケート

  • 1番人気ライスシャワー
  • 2番人気キタサンブラック
  • 同じく2番人気メジロドーベル
  • 大穴カレンチャン
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。