純情ハートとウマ娘(凍結)   作:ゲーミング

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 投稿出来なかった分を取り返す。無理でした()


第六十一話(後編)

 競走が始まった。芝2400m、バ場状態普通、天候は晴れ。出走ウマ娘は『流れ星』からトウカイテイオー、マヤノトップガン、ゴールドシップ。『スピカ』からはメジロマックイーン、ダイワスカーレットが駆けていた。

 

「始まったわね」

 

「誰が勝つと思います?」

 

「ん〜やっぱマックイーンかスカーレットに勝って欲しい所だな。オレ達のチームから出てるのは2人だし」

 

「……そうだな、だが新人のチームから出たテイオーやマヤノ、そしてゴールドシップも居る。あの蹄鉄を付けての競走だからな……」

 

「トレーナーさんはああいったトレーニングはお嫌いですか?」

 

 トウカイテイオー等ウマ娘達が第1コーナーに入り、第2コーナーを抜ける最中、スピカメンバーは見ていた。

 

「第2コーナーを抜けて先頭はマヤノか」

 

「マックイーンとテイオーは食らい付いてるけど、スカーレットの奴が遅れてんな。ゴルシは……いつも通り最後尾だな」

 

 元々逃げとしての才が有ったとはいえ、マヤノトップガンは激重蹄鉄を付けた状態でトウカイテイオーとメジロマックイーンの2人から5バ身程開いていた事がスピカメンバーが驚く原因でもあった。

 

 ゴールドシップの作戦は追い込みという事もあり、敢えて初動は抑えつつ、中間を切った辺りから前を狙うと言うモノになっている為、先輩トレーナーが1番注目する場所でもあった。とは言え、既に先頭であるマヤノトップガンは1400mを切っており、ゴールドシップもまた徐々に詰めて来ていた。

 試合が緩やかに、けれど確実に動き出している最中、トウカイテイオーが前に出始め、同じく先行していたメジロマックイーンとダイワスカーレットが抜け出そうとするが距離は縮まらない。マヤノトップガンとトウカイテイオーの距離は残り3バ身。

 

「原石だとは思っていたが、ここまでか……」

 

「原石?」

 

「あぁ、テイオーの事だ。いや、マヤノもそうだな。あの蹄鉄を付けてる状態であんなに速い……速い、?」

 

 そして違和感に気付く。スパートを掛けるには少し早めだが、それでもトウカイテイオーは掛け始めた。そうしてマヤノトップガンもまた何かに追われる様に加速したのだ。メジロマックイーンとダイワスカーレットは気付けば自分達のペースよりずっと速い段階での勝負所となってしまったが、2人ともスタミナに問題発言無いと先輩トレーナーは思っていた。

 なら決定的な違いはなんだろうか。そう考えていた矢先。

 

「あの蹄鉄ってさっきもスズカさんに言われたんですけど、踏み込む時に蹄鉄自体が重たいので力が入りやすいんです。足を上げる時は辛いですけど、それを入れても踏み込みが強くなるって言ってました!」

 

「なるほど……つまり単純な筋力トレーニングと、加速装置の役割をになっているのか……!」

 

「な、なんだそりゃ!それじゃハンデにならねぇじゃん!いや、ハンデ……なのか?」

 

「あの蹄鉄自体は単純な重りでしか無いはずよ。その状態で加速出来るあの娘達が凄いのよ」

 

「そこまで考えてのトレーニングだったのか、新人。かぁ……単純に合同トレーニングしたかっただけなんだが、こりゃ偵察になっちまうなぁ。単純だが効果的なトレーニングって奴だな」

 

 因みに新人は本当に足りてなさそうな体力と筋力を上げる為だけに用意したので、レース中に加速装置の様に使われてると言うのは知らない事実である。偶然の副産物だった。新人トレーナー賢さF。

 

「じゃあ、じゃあさ!オレ達もアレやろうぜ!なぁトレーナー!」

 

「……いや、それは許可出来ないな」

 

「はぁ!?なんでだよ!あれ使えば……」

 

「ウオッカちゃん、あの蹄鉄付けて走って見てどうだった?」

 

「……どうって、すっけえ重たくて走り辛かったです」

 

「そうだ、あの蹄鉄は重たい。足に掛かる負担も大きい。そして競走とは言ってるが、こんなものは模擬レースと変わらん。それでも尚新人は変える必要が無いと言ってたんだ。それはつまり……」

 

「……オレ達の負担は気にしてないってことか?」

 

「ち、違いますよ!だって、だってそんな人ならゴールドシップさんがチームに入る訳無いですから!」

 

「……スペちゃん」

 

 スペシャルウィークの大声でスピカメンバーの空気は静まり返った。事実激重蹄鉄による負担は大きい。けれど流れ星はそれを物ともせず、己こそ1番なのだと言う信念で続けていた。

 サクラバクシンオーは先頭を走り続ける為に。

 トウカイテイオーは憧れのウマ娘の隣に並び、抜く事を。

 オグリキャップは故郷にまでその名を轟かせる事に。

 マヤノトップガンは新人のウマ娘として、ワクワクを求めて。

 ゴールドシップは自身の楽しみの為に。

 そうした想いの元、激重蹄鉄の負担に耐えトレーニングを続けていた。

 

「……ゴールドシップさんが1着……」

 

「最終コーナーを抜けた際に外から飛び出したな。長い足を使っての大股、そしてちからづよい踏み込み。蹄鉄が通常のものだろうが、結果発表変わらなかったろう」

 

「2着はテイオーさんとマヤノさんか」

 

「マックイーンさんもスカーレットちゃんも惜しかったわね……」

 

 スペシャルウィークの呟きによって、競走と言う模擬レースを勝ち取ったのがゴールドシップだと言うのが広まる。この日はゴールドシップが勝った。ゴール役だった新人に、多少速度は落としていたが流れる様にタックルを仕掛ける姿はやたら楽しそうだった。

 心配したトウカイテイオーとマヤノトップガンは駆け寄り、オグリキャップは慌てているバクシンオーと何かを話していたが、声は当然聞こえなかった。

 

「……ありゃ新人はダウンしたな」

 

「綺麗に入りましたからね……3mくらい飛んだんじゃないかしら……」

 

「いやそんなに冷静に考えるか!?」

 

「……明日から、いえ、今日から!私達もテイオーさんやゴールドシップさんに負けない為にトレーニング、しましょう!」

 

「……そうだな、よーし!金は無いが給料入ったらスイーツ食べに行くかぁ!」

 

「やったー!」

 

「ふふ、スペちゃん嬉しそうね」

 

「だって、だってスイーツですよ!?嬉しくないわけがありませんッ!」

 

 疲れ果てて倒れ込むメジロマックイーンとダイワスカーレットもそのままに、先輩トレーナーの言葉を皮切りにスペシャルウィークは喜びに舞っていた。そうして新人がゴールドシップのタックルによって気絶したことが原因で本日の合同トレーニングは終わりとなった。

 

 いつの間にか出ていた夕陽がトレーナーとウマ娘達を照らしていた。

 

 

 

「……いやだから新人トレーナーの心配は!?マックイーンさんとか、スカーレットの事は!?」

 

「ウオッカさーん!私達のトレーニングを始めますよー!」

 

「話聞けって!!?」

 

 

 夕焼け空にウオッカの正論は溶けて消えた。




 またゴタゴタで投稿遅れた……理由はちょっと話せませんが、ちょっと用事が立て込むと思うので更新が遅れる日があります。
 ちょっと今までよりも大事になりそうです。申し訳ない……。


 新人くん迫真の気絶落ち。

新人トレーナーの妹ウマ娘予測アンケート

  • 1番人気ライスシャワー
  • 2番人気キタサンブラック
  • 同じく2番人気メジロドーベル
  • 大穴カレンチャン
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