純情ハートとウマ娘(凍結)   作:ゲーミング

69 / 128
 ずっと更新待ってた小説が更新されてて小躍り中。
 いやー、いやぁ……やっぱ良いんですよ、そう、良いんですよ……ふふ。約2年間待ち続けた甲斐があった……絶対お気に入りから外さない決意の元頭の片隅にはあの小説があったからね……へへ(気持ち悪いオタク感)

 とある問題を抱えた新人トレーナー。余りにも悩みを抱え過ぎて周りが見えなくなった枯葉不幸にも黒塗りのメジロ家の高級車に激突してしまう。
 そんな時、メジロマックイーンの出した示談の条件とは……。

「スイーツですわ!」


第六十三話

 僕の気絶で終わってしまった昨日の合同トレーニングも先輩が無事?に終わらせてくれた様で一安心、したのも束の間だった。大きな問題が1つ、僕の目の前に残っていたのだ。その問題を解決する為に僕は朝から理事長室へ足を運んだ。昨日の夜シンボリルドルフに送って貰った後に書いたトレーニング計画表を持って。

 

「おはようございます新人さん」

 

「あ、ぁ、えと……おはょう……ございますたづなさん」

 

「今朝も元気そうで何よりです。それとテイオーさん達のデビュー戦、おめでとうございます」

 

「あり、ありがとうございまふ、ます!……激重蹄鉄の件もありがとうございました」

 

「はい、役に立ったのなら良かったです。それはそうと……もうすぐ夏合宿が始まりますが、予定は組めましたか?」

 

「……その件なんですけど……」

 

 そう、此処はトレセン学園なのだ。ウマ娘達が夢のトゥインクルシリーズで走る為に入ってくる『学校』。そしてその学園で行われるイベントも多く、代表的なのは一般公開もされる秋の文化祭地味た催しや、ウマ娘の小学生向けの見学等がある。

 その中でもトレセン学園のウマ娘達の力になるのが、今回開かれる夏合宿。読んで時の通り夏に行なわれる合宿だ。

 その合宿にも幾つかプランがあり、大まかにはトレーナー個人の資金で行われる夏合宿と、トレセン学園の方で用意してもらえるとほかトレーナー達との合同夏合宿がある。

 

 そして問題がいくつかあった。まず1つ、合同で行われる夏合宿は僕が他のトレーナー達に嫌われている為にテイオー達に対する()()があったら不味いって言うのと、単に僕が行きたくないっていう理由。

 2つ目は、個人の資金で行う夏合宿に感じては、僕の貯金が殆ど無い為に出来ないという事は。

 

 その為色々考えた結果として、たづなさんに助言を貰う為に此処、理事長室に足を運んだ。幸い……幸い?理事長は居ないようだけど、どうなるか。

 

「……ふむ、それは……なんとも」

 

「なさけ、情けないのは分かってるんです!でも……ほんと……」

 

「情けないとは思っていませんよ。大丈夫です、そうですね……じゃあ条件を1つ出します」

 

「……条件?」

 

 たづなさんに洗い浚い吐いた所、出された条件とは——。

 

「今日の夜、良かったら2人でご飯でも食べに行きませんか?」

 

「はい!……はい?」

 

「ふふ、楽しみにしてますからね」

 

 そう言ってたづなさんは僕が出した計画表を胸に席を立とうとする。今一意味が分からなくて呼び止める為に僕も席を立つと、たづなさんの顔が目の前にあって……。良い匂いするッ!?

 

「え、あの、ちょ」

 

今夜、約束ですからね

 

「………………」

 

 耳元でそう呟かれて、たづなさんは理事長室から出て行ってしまった。僕は夏合宿の問題を解決する為に助言を頼もうとして来たのに、どうしてこうなった?たづなさんの良い匂いと、初めてやられた耳元での囁きで上手く脳が働かなかった。

 

「……どうしよう、これ」

 

 ポツンと1人残された僕の独り言は、何処にも届かず誰にも聞かれなかった。

 

 

 

◆❖◇◇❖◆

 

 

 

 トレーニングの時間がやって来た。今日はまたトレセン学園の抱えている芝コースを借りれたお陰で、テイオーやオグリ達はのびのびと走れていた。内容としては、まぁ何時も通り柔軟から初めて、激重蹄鉄を付けた状態で3000mのランニング。ここ最近はバクシンオーも何とか食らいついて行ける様になって来てて、少し遅れてしまうけれど流し切れてる。

 その後はバクシンオーとオグリの1800m競走を初めて、テイオーとマヤノで2400m。オグリとテイオーとゴルシの3000mをやった。

 今はまたテイオーとマヤノの2400mを行なっている最中で、オグリとゴルシは何か話してた。

 

「……今夜かぁ」

 

「今夜がどうかしましたか?」

 

「ばく、バクシンオーっ!」

 

「はい!サクラバクシンオーです!」

 

「さ、さっきまで向こうでテイオーとマヤノの競走見てたじゃん!」

 

「はい、見てましたけど、トレーナーさんが全然こっちに来ないので私から来ました!私学級委員長ですから」

 

 学級委員長関係ある?そこそこ汗をかいて居るバクシンオーにタオルとまだ手を付けて居ない僕が飲む様に用意したスポドリを渡す。て言うかそんなに不自然だった?

 

「はい!いつもは競走してる最中舐める様に見てくるトレーナーさんが、距離を置いて見てましたから!」

 

「……そんなに見てないよ?」

 

「でも本当に舐めるよーに、一挙……いっきょ……?」

 

「……一挙手一投足?」

 

「それです!それするみたいに見てましたから!」

 

「……うっそだぁ」

 

 確かにオグリやマヤノ、バクシンオーにテイオーやゴルシも居るし、走ってる姿に魅力を感じないかと聞かれれば否、断じて否だけどさ。流石にそんな視線で見てはいないよ……え、見てないよね?

 

「見てますとも!」

 

「でも、で……そう、それはバクシンオーが過剰に反応してるだけ……なんじゃないの?」

 

「じゃあゴールドシップさんとオグリキャップさんにも聞いてきます!」

 

「え?」

 

「ゴールドシップさーん!オグリキャップさーん!」

 

「あの!え、待って!バクシンオー!バクシンオー!!」

 

 制止の声も虚しくバクシンオーは何時もよりずっと速くゴルシとオグリの元へ走り去っていった。いや競走でその加速見せてくれよ……。

 て言うかコレどうなるの?まだトレーニング途中だったし、なんならオグリとゴルシは休憩中だと思うんだけど。

 

「……僕は絶対そんな目で見てないと思う」

 

 

 

◆❖◇◇❖◆

 

 

 

「走ってる最中はいつもトレーナーの視線を感じてるな」

 

「嘘でしょ?」

 

「……嘘をつく理由があるか?」

 

 オグリから聞かされた衝撃の真実。いや、でもオグリとバクシンオーだけならまだ気の所為だって言える。そう、気の所為なんだよーって。

 

「マヤちんは見てくれてるって感じるからもーっと見ていいんだよトレーナーちゃん♪」

 

「なんの解決にもなってないし、そんなこと出来るかっ!」

 

 マヤノでさえ感じてる?嘘でしょ?いや、まだでもチームの過半数が言ってるだけだし、僕も含めれば6人なんだから!だからまだ半分で仮説の域を出ないと思う!

 だってさ、いい歳(22際)した大人が、自分の担当ウマ娘をトレーニングだからってガン見してて、その視線を受けてるウマ娘が『舐めるように見てる』なんて言う話が周りに広まったら……たづなさんになんて思われるか……?あれ、なんでたづなさんの事気にした?いや、いやいや、そんなの関係ないって。世間的に僕殺されちゃうから!

 

 今朝未明、某ウマ娘トレーニングセンターにて、自身の担当していたウマ娘に舐める様な視線を送っていた22歳男性トレーナーが逮捕されました……なんてニュースが流れちゃう!なんで僕女の子じゃ無かったんだッ!!そんな最悪な未来が頭にこびり付いたけど、頭を振ってどうにかする。ふと隣に立っていたテイオーと目が合い、一瞬動きが止まった。

 

「て、テイオー……」

 

「……!トレーナー……うん、ボクも視線は感じるよ?でも……あ、見ててくれるんだ!って感じでやる気が出ていいと思うけど」

 

「……テイオー」

 

「ぶふっ!ふは、あははは!!」

 

「なに笑ってんのさゴールドシップゥ!」

 

「いや、はっ……だってよぉ、自分がそんなにアタシ達を凝視してると思ってなくて、それを他じゃないバクシンオーやテイオーに言われて……くく……歳頃だもんなぁ新人くん……いや、ト・レ・ー・ナ・ー♪」

 

「ぐぬぬ……ご、ゴルシは?」

 

「あん?なに、お前がそういう目でアタシの事見てるかって?」

 

「変な言い方しないでよ!いや、ま……まぁそうなんだけど」

 

「お前と初めて会った時から気付いてるよ。んな視線向けられたらウマ娘……ってか誰でも気付くだろ。フツーはよ」

 

「……っ……」

 

 緩やかに芝が目の前に近付いてきた。いや、違うな。多分これは僕の心が折れて膝がやる気無くして倒れ込んでるんだ。おハナさんやお姉さんが聞いたら絶対話してくれなくなる。漸く出来た話し相手だったのに……こんな、こんなのって……。

 

「そんな落ち込むなって。良い事じゃねぇか、少なくともアタシ達はみーんなお前に見られてっとタイム縮まんぞ?」

 

 顔を上げれば、目の前にはゴルシが居た。

 

「……うそ、そんな慰め……」

 

「いやいや、お前が何話しかけても上の空だったからバクシンオーにタイム計測してもらったけどよ、ベストタイムから3秒位遅れでてっから」

 

「……ほんと?」

 

 周りを見渡す。テイオーにオグリ、バクシンオーやマヤノに目を向ける。倒れてる上体で頭だけ動かしてるから、ちょっと背中辛い。

 

「……そうだな。やはり絶対に自分を見ていてくれる人が居るだけで、それだけで力が漲ってくる感じはある」

 

「そーですよ!いちきょ……いっ……?」 

 

「一挙手一投足だよバクシンオーちゃん」

 

「そう!一挙手一投足見てくれてるトレーナーさんが居るから、私達はきっと気兼ねなく走れるんです!そうです!今そうなりました!」

 

「そうだよねー、やっぱ見て貰えるのって嬉しいからね」

 

「マヤちんが走るときマヤちん以外見てるのはちょっとヤダけど、テイオーちゃん達だったらいいよー?」

 

「……みんな」

 

「な、言ったろ?アタシ達はお前に見られてっとバフが掛かんだよ。だからお前はさ……」

 

「え、なにす、」

 

「シャキッと立て!んで見ろ!アタシ達の走る姿をさ!」

 

 そう言ってゴルシは僕の身体を持ち上げて、立たせる。別に変態でも無ければ、そんな趣味も無いけれど、皆がそう言ってくれるなら僕はこのままで良いのかな。なんて。

 

「……ありがとう、みんな……」

 

 ちょっと目が熱くなって来たけど、この熱は一生忘れない様にしよう。見た事、聞いた事を忘れられない僕は、それでもを忘れない様にしよう。

 

「んで、何時も舐める様な視線を送ってないって事はなんかあったんだろ?話してみろよ。アタシ達はチームだろ?」

 

「……うん、うん!あのね、あのね、実は今朝たづなさんに晩御飯一緒に食べに行こうって言われて」

 

「かいさーん」

 

「え!?」

 

「なーんだ、心配して損したー……別にたづなさんと晩御飯一緒に行けばいいじゃん。トレーナーはたづなさんとの晩御飯がお似合いだよ!いーっだ!」

 

「……なんで?」

 

「……浮気者」

 

「だからなんで!?」

 

「……私と晩御飯食べに行かないか?」

 

「ぁ、えと……お金無くて……」

 

「……そうか……」

 

「……バクシンオー」

 

「え、あー……なんだか皆さんトレーニングに戻るみたいなんで私も行ってきます!バクシーン!」

 

「……どういう、ことさ……」

 

 ポツン……と1人芝の上に放置された僕はそれしか言えなかった。




 次回、たづなさんとの晩餐。
 4000文字超えたから分割。でも前後編にはしない。

 因みにこの世界だとトレーナーがウマ娘に手を出すと何処からともなく黒服のガタイのいい方々がやって来て私刑になった挙句ニュースになります。
 LETS公開処刑。新人くん良かったね、黒服のおっきなお兄ちゃん方には囲まれずに担当してるウマ娘達に囲まれたから!(なお空気は最悪になった模様)

新人トレーナーの妹ウマ娘予測アンケート

  • 1番人気ライスシャワー
  • 2番人気キタサンブラック
  • 同じく2番人気メジロドーベル
  • 大穴カレンチャン
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。