純情ハートとウマ娘(凍結)   作:ゲーミング

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 新人トレーナーの賢さSSトレーニング、トレーナーとしての責任。

 お気に入り登録者300人ありがとうございます。
 予約投稿してるから少し感謝が遅れてしまう……。


第六話

 オグリキャップの過去を又聞きで知り、少しの間とはいえ放心していたけれど、次の日にやって来たのはいつも通りの朝だった。

 結局あの後寮に帰る気が起きなくて、トレーナー室に泊まってしまったけれど、トレーニングが始まる前に一度帰ってシャワーだけは浴びて来よう。

 

 ——でも僕は一体オグリキャップに何が出来るだろう。

 

 オグリキャップに、一体何て言葉を贈ればいいんだろうか。

 何も出来ない自分が悔しくて、オグリキャップとそこまで親しくないと感じてしまう僕は、何もして上げれない。

 

 だからと言って何もしないのは、果たしてどうなんだろうか。

 

 僕はトレーナーだ。

 そして彼女は、彼女達はウマ娘。

 

 僕達トレーナーだけではウマ娘に勝利を送れない、ウマ娘達だけでは勝利を掴みきれない。

 勿論走るのは彼女達であり、最終的に得た勝利は彼女達のモノだ。

 けれど、そのサポートを行うのは僕達トレーナーだ。

 

 彼女達ウマ娘が勝利を掴む為に支えるのが僕達トレーナーの義務な筈だ、そしてそれが出来ないのなら。

 

 

「……トレーナーになんて、なっちゃいけない」

 

 

 例えマヤノトップガンやトウカイテイオーが僕のチームから離れたとしても、彼女達が夢を叶える為の選択をしてその決断をしたのなら、僕は笑って見送ろう。

 

 たった一秒の差が大きな差となる走る競技だ、その差を縮める為に心に熱い(夢や目標)を注いで走り続ける。

 

 僕達トレーナーはそんな彼女達の努力を実らせる為に存在しているのだから。

 

 だから僕は彼女達を支えようと思う。

 きっとこれは正解じゃないのかも知れない、結局少し後に成ればもっと良い案があったかも知れないと後悔する、もっと違う未来があったかも知れないとifに縋るだろう。

 

 でも結局僕と言う人間は、果てしない自己満足と自己嫌悪に挟まれながら、それでも考える事を辞められない。

 

「……今日はどんなトレーニングをしようかな。トウカイテイオーとマヤノトップガンとオグリキャップの三人が出来る様なトレーニングが良いよね……」

 

 嫌な考えは止まらないけれど、それは歩みを止める理由にはならない。

 だから僕は僕が出来る事をする。

 

 それが今必要な事な筈だから。

 

 

「ターフの坂を走らせる……後々トレセン周辺の道走らせて山登らせても良いだろうし、重たい蹄鉄を付けて競走しても良いだろうし……やらせ過ぎたら危ないか……じゃあ蹄鉄は後回しにして、取り敢えずはスタミナと坂を昇り降りする為のパワーを付けるのが良いかな……」

 

 本当はダートの砂利道を走らせたいけれど、それはある程度身体が出来てからじゃないと足を壊す可能性が高い。

 芝の上ならやり過ぎ無ければ大丈夫な筈だ、要注意して見る必要も有るし、個人でやるトレーニングは考えなきゃ行けないけれど。

 

 一通りトレーニングを計画表に書き込み、理事長やたづなさんへ提出する。

 放課後が迫るが、取り敢えず一度寮に帰ってシャワーを浴びてまたトレーナー室に戻ってくる。

 

 今までの何をしていいか分かっていない自分とはお別れをする、都合のいい時に弱くなる自分は要らない。

 今必要なのはトウカイテイオーやマヤノトップガン、そしてオグリキャップのトレーニングだ。

 

 歯を食いしばりながら、新人が故に起こる経験不足を呪う。

 

 けれど腐りはしない、だって僕はオグリキャップの……トウカイテイオーやマヤノトップガンのトレーナーになったのだから。

 

 

 

 

 勧誘は少しずつで良い、今はトレーニングに集中しよう。

 今はこれでいい、これで満足はしないけれど、今はまだこれでいいんだから。

 

 そう思い僕は寮へと走って行った。

 

 

 

 

 

 

 

◆❖◇◇❖◆

 

 

 

 

「トレーナーちゃんおっはよー☆」

 

「今日もチームメンバーじゃないのに来ちゃった☆」

 

「……テイオーはチームメンバーじゃなかったのか……」

 

 上から順にトレーナー室へと入るマヤノトップガン、トウカイテイオー、オグリキャップの三人。

 

 そんな三人を見て、何故か目頭が熱くなった。

 

「……今日のトレーニングを発表するね」

 

はーい』「分かった」

 

「今日のトレーニングは、ウォームアップに柔軟をして2000mを三人で競走。それを二回やったら一度休憩を挟んでターフの坂を走ってもらう。これは競走しなくても良いけど、競走した方が良いと思ったら言って欲しい」

 

 

 三人が来る前に何度も喋って口に覚えさせた文字を吐き出した。

 初めは物凄く恥ずかしかったし噛み噛みだったけれど、何とかスラスラ話せた……。

 でもやっぱり人前で話すのは苦手だ、相手が男とか女とか関係無く。

 

「マヤちんは特に無いかなぁ、でもトレーナーちゃんが噛まずに言えたの偉いね♪たっくさん褒めてあげるからね☆ユーコピー?」

 

「うんうん、ボクも抑揚が完全に死んでた事以外はトレーナーがスラスラ喋ってるの凄いと思ったよ!」

 

「…………僕は一体どれだけダメな奴だと思われてたの……?」

 

 ぼ、僕だって頑張ればこの位はできるんだよ!?

 ここ最近は慣れない事続きで上手く出来なかっただけで。

 枕が変わった事にも漸く慣れて来たからね、今日は寝てないけどきっとぐっすり眠れるよ。

 

「じゃあトレーナーちゃん!」

 

「……はい」

 

「マヤちん、テイクオフするからね♪ちゃーんと見ててね☆」

 

「……うん」

 

 まず初めにマヤノトップガンがトレーナー室から出て行った。

 

「トレーニング初めよっか!」

 

「……トウカイテイオーに関してはまだチームに入れてないから、別にあ、合わせる必要は無い、無いんだよ?」

 

「ボクが合わせたいの!……ダメ?」

 

「……やろっか」

 

「やったー!トレーナーのそう言う適と……臨機応変な所ボクだーいすき!」

 

「ねぇ今適当って言った?トウカイテイオー?ねぇ?」

 

「あははー!」

 

 僕から逃げる様にマヤノトップガンに続きトウカイテイオーがトレーナー室から逃げ出して行った。

 

 逃げる位なら言うな……!

 

 そして最後にトレーナー室に残ったのは、僕とオグリキャップの二人。

 何を考えているのか良く分からない瞳と前髪越しに視線を合わせる。

 ゆっくり、震える自分の左手をオグリキャップに差し出した。

 

「……トレーナー?」

 

「一緒にトレーニングをしよう、今度はちゃんと休憩、取らなきゃダメだからね……オグリキャップ」

 

「…………分かった」

 

 そうして僕達チーム『流れ星』の本格的なトレーニングが始まった。

 

 

 マヤノトップガンとトウカイテイオーがペアを組み柔軟を行い、僕がオグリキャップの柔軟を手伝った。

 

 そんな中、予想外と言うかオグリキャップは身体が柔らかいらしく、柔軟はスムーズに行われた。

 トウカイテイオーより身体は大きいのに、マヤノトップガンより身体が柔らかいのって……。

 

 途中でオグリキャップの事が狡いと言い始めたマヤノトップガンが、急遽僕に柔軟の手伝いを要求して来て、やって上げたら今度はトウカイテイオーが不公平と言い始めて同じように柔軟をこなした。

 

 ……時間が押して来たよ、これトレーニングやり終わるの寮の門限ギリギリになりそう。

 けれど色々迷って覚悟を決めていたけれど、意外と何事も無くトレーニングは始まり、これからも何事も起こらずに終わると思っていた。

 

 

 けれど、それは希望的観測に変わった。

 

 ウォームアップの為に競走を行っていたが、事件は起きた。

 初めはマヤノトップガンが逃げ、トウカイテイオーが付かず離れず先行していた。

 そしてそのやや後方にオグリキャップが陣取り、スパート位置に着くまで足を貯めていた。

 

 そうしてまた見れると思った、あの時の走りが。

 

 けれど僕は甘く見ていたんだ、トラウマを抱えたウマ娘のケアがどれだけ難しく、そして心の傷が厄介かを。

 

 

 マヤノトップガンもトウカイテイオーも置き去りにして一着を目指した()()()()()()()の足が、急に緩まり初め、二人に大差を付けられ大敗したのだ。

 

 

 

 

 あの日見た走りとは到底思えなかった。

 

 

 

 

 

 




 新人トレーナーの賢さSSトレーニングの概要。
 スタミナをあげるなら同時にパワーも上げられる筈、体力が付くという事はそれだけ足に貯める力も大きく出来る筈。
 まずはターフの坂道の昇り降りをこなしスタミナを上げつつ休憩を挟みながら何度も繰り返しやる事によって、走り方のコツや疲れて来た後の踏み込み方を覚えられると言うトレーニング。

 尚鉛のように重たいクソ重蹄鉄付けた靴でダート走らせてた方が恐らくスタミナとパワー何方もかなりあげられそうな模様。

 そんな事して怪我させたら新人は首吊ってさよならバイバイしますけどね。

新人トレーナーの妹ウマ娘予測アンケート

  • 1番人気ライスシャワー
  • 2番人気キタサンブラック
  • 同じく2番人気メジロドーベル
  • 大穴カレンチャン
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