純情ハートとウマ娘(凍結)   作:ゲーミング

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 皆妹好き過ぎかよ……僕も好き。新人くんの妹が誰かって言う考察レースしてんの面白いわ。アンケートで集計して見ようかなとか考えてる。

 とか言いつつ1ヶ月記念の短編もやってねぇんだよなぁ……。


第七十九話

 久しぶりに寝ずの晩を過ごしたと思う。徹夜なんて基本やらなかったし、やる意味が無かったから。思えばトレーニング考えるのだって自分1人でやれるって息巻いてやってたよなぁ。

 支配人から割り当てられた自室のカーテンを開けて空を見る。今日は雲が多かった。薄雲が疎らに見えるから、雨は降らないだろうけど明日はどうなるかな。雲の切れ間から差し込んだ太陽の光が眩しくて直ぐカーテンを閉めた。太陽の光を長時間見てると目が可笑しくなるからね。今は、朝の7時を回っていた。

 

「……取り敢えず皆と会うか」

 

 寝巻きから何時ものスーツに着替えて自室を後にする。朝の旅館の廊下は静かで居心地が良い。将来はこんなに大きくなくて良いから、何処か田舎に住んでのんびりと暮らしたいなぁ……。まだ見ぬ将来の設計を適当に想像しながら歩いていると、僕の視界に人が立っていた。

 

「おはようございます、女将さん」

 

「……おはようございます。良く話し掛ける気がしましたね」

 

「昨日の今日でって事?……まぁ、正直女将さんの事は苦手ですけど、それって自分の都合が悪いからだと思うんですよね。だから避けたら負けかなって思って」

 

「良く分からない理論を貴方は……はぁ。まぁ良いです。今日やるトレーニングは考えて来ましたか?流石に時間が足りませんでしたか?アレだけ遊び呆けて置いて」

 

「……アレが遊んでる様に見えたなら、僕の女将さんに面と向かって嫌いって言えそうです」

 

 砂に埋められたあの場面を見てその台詞を言ってるなら、本当にキツいと思う。アレは楽しんでたんじゃなくて、助けを求めてたんだよ。埋められたら誰だって助けを呼ぶでしょ。まぁ、最終的にマヤノが助けてくれたし良いんだけどさ。ゴルシは最後までウェットスーツ着てたし。名前分からなくて調べちゃったよ。ダイビングに使うスーツ名前って検索したよ。

 

「私の事そんなにお嫌いですか?」

 

「アレで好かれると……お、おも、近い!」

 

 どうして近付く必要があるんですか。態々1歩も2歩も詰める必要無いでしょ。急に人の顔が近付いて来たら怖いって。女将さんが近付いた分だけ、後ろに後退りすると女将さんは立ち止まった。基本的に無表情だから何考えてるのか分からない。理解しようとは思うけど、多分一生理解出来ないと思ってる。

 

「それでは私はこれで」

 

「……急ですね」

 

「えぇ、これ以上貴方で遊んでいると、貴方の後ろのウマ娘に嫌われてしまうので」

 

「……後ろ?ゴルシ!?」

 

「おっすオラゴールドシップ!おめーちっこいなぁ〜、ちゃんと飯食ってんか?ちゃーんと飯食わんと背も伸びんぞ!」

 

「余計なお世話だ!と言うか女将さんにちゃんと挨拶しなさい」

 

「……しょーがねぇなぁ」

 

 いつの間にか背後に立っていたゴルシに驚きつつも、ちゃんと挨拶はするべきだと思い、ゴルシに女将さんへの挨拶を指示した。と言うかなんだその喋り方。僕本当にそう言うアニメとかゲーム?のネタは疎いんだって。

 

「……おはよーございます」

 

「……はい、おはようございますゴールドシップさん」

 

「アタシの自己紹介待たずに名前呼ぶとか、さてはせっかちさんだな?」

 

「先程新人さんがお名前をお呼びしていたので。いけませんでした?」

 

「いんや?別にオラは良いぞ。だがゴールドシップ様が許すかな!と言う訳でジャッジメントゴルシターイム!」

 

「……なんて?」

 

「新人シャラップ!そして無言で行こうとするんじゃねぇよ女将さんよぉ!」

 

「チッ……なんでしょうか?」

 

「おい新人、此奴意外と強かだぞ」

 

「……知ってる」

 

 ゴルジのネタをガンスルーして何処か行こうとする人初めて見た。この人僕の知る中だと1番強いかも……嫌でもたづなさんや秋川理事長に対してこんな事してるとき見た事ないし、分かんないな。いややらせないけどさ。

 

「デーフェンスデーフェンス、腰を落としてデーフェンス」

 

「……絶妙に邪魔ですね」

 

「貴様にこの鉄壁の守りが抜けられるかな!」

 

 腰を落として旅館の通路いっぱいに両手を広げたゴルシがカニ歩きで道を塞いでる。コレには女将さんも無視できまい。

 

「さぁ!」

 

「こうなったゴルシは執拗いですからね。覚悟しておいた方が……」

 

「押し通ります」

 

「え、ちょ、ちょちょちょっと待てよ!?おい、あ、え!?」

 

「ホントに押し通ってるゥ!?」

 

 ゴルシの身体を使ったディフェンスを無理矢理推し通ってる。僕より力強いのは分かってたけど、ウマ娘であるゴルシと正面切って競り合い出来るの!?

 

「持ってかれる!ゴルシちゃん持って帰られちゃう!新人、新人!助けて!たーすけてー!」

 

「え!?おま、お前で止められない人僕が止めれると思ってんの!?」

 

「邪魔したら昨日の比じゃないくらい潰しますからね」

 

「ヒェッ……ごめん、ゴルシ。でも流れ星のメンバー表から君の名前を消す事は無い……永久欠番として残しておくから」

 

「諦めんなよ!?」

 

 女将さんに押されながら此方に必死に手を伸ばそうとするゴルシに静かに敬礼をする。さようならゴールドシップ。君が居たから僕はトレーナーになるって言う夢の続きを見付けられたんだ。思えば沢山君に助けられて来たよね。僕の寮の部屋の天井にプリントした何時撮ったか分からないチーム集合写真を眺めて君の事を思い出すから……。

 

「お前マジで覚えてろよしんじぃいいん!!!」

 

「……そろそろ助けようかな」

 

 女将さんに5回くらい止まってくださいって言って漸く止まってもらった。その頃にはゴルシは叫ぶ元気も無くなってたのか、耳が垂れてた。

 

 

 

◆❖◇◇❖◆

 

 

 

 あの後ゴルシを助けて、2人で朝のトレーニング発表に使っている部屋へと向かっていた。

 

「たく、もう少し根性出せっての」

 

「女将さんに喧嘩売ったお前が悪い」

 

「へぇへぇ、アタシがわるーござんした。反省してマース。コレでいいか?」

 

「……お前って奴は」

 

 僕の頭をペシペシと叩きながら舌を出して半目になって謝ってくるゴルシに若干イラッと来ながらも、なんだかこう言うのも久しぶりな気がして少し楽しかった。2人でお互いちょっかいを出しながら、と言うかゴルシに出されながら目的の部屋に辿り着いた。実の所夜通し考えたトレーニングはなんて事は無い物だったけれど、ちょっと試したい事も有って不意打ち気味に言ってやろうと思う。ゴルシは面白がるだろうけど。

 

「おはよう、皆」

 

「おはようトレーナー」

 

「トレーナーちゃんおっはよー♪」

 

「おはよートレーナー」

 

「おはようございますトレーナーさん!」

 

「皆の者、苦しゅうないぞ」

 

「お前は一体どの位置に居るんだゴールドシップ?」

 

「見て分かんねぇのか、新人の隣だろうが」

 

「……そうか」

 

「ゴルシは置いておいて」

 

「どこに置くんだよ、あぁん?」

 

「今日のトレーニング発表するね?」

 

「どーせ重りでしょー?」

 

「……学級委員長として頑張ります」

 

 皆と軽い挨拶を交わして、本題へと移る。皆どんな反応するかな。少し楽しみだ。バクシンオーは何時も乗り気じゃないけど、そんなに嫌なのかな。重くて思う様に歩けない感覚って分からないから、ちょっと気になる。

 

「今日のトレーニングは」

 

「あぁ」

 

「……まだ?」

 

「トレーニングは……」

 

「トレーナーちゃん?」

 

「……トレーナーさん?どうかしました?」

 

「トレーニングは……ずばり」

 

「はよ言えやっ!溜めんな!気になるだろ!?」

 

 隣に立っていたゴルシに頭を叩かれる。意外といい音鳴ったけど、全然痛くない。さてはゴルシ手加減してくれたな?ありがとう、結構嬉しい。

 

「チームを二分割します」

 

「なに?」

 

「どーゆうこと?」

 

「トレーナーちゃん……まさか昨日の事怒って……」

 

「ちょわ!?そんなにお怒りでしたか!?」

 

「違うよ、そうじゃなくて」

 

「んじゃどういう事だよ?奇数のチームなのに二分割って」

 

 皆から意味が分からないって言う空気がありありと伝わってくる。まぁそうなるよね。でも僕達のチームってちゃーんと偶数だよ。さて、誰が抜けてるでしょーか。

 

「夏合宿最終日に模擬的にレースを行います。僕はそのコースを作ったりするから、今日から1週間に1人ずつ僕の作業を手伝って貰います!ゴルシは最後ね。毎日朝は一緒にトレーニング発表をするけど、その後は僕とこの中から1人抜けてもらうから。今週は……マヤノから」

 

「いいよ〜。デートだね♪」

 

「そうだね、デートだよ」

 

「……へ?」

 

「トレーナーが」

 

「……デートを認めた……だと……」

 

「おいバクシンオー、お前熱とかねぇ?」

 

「至って健康体です!学級委員長として体調管理は」

 

「そっか、それならコレは夢だな。あのコミュ障で色々勘違いと思い込みの激しい新人がんな台詞言う訳ねぇもん」

 

「ゴールドシップさん!?」

 

 なんか特に意味の無いバクシンオー弄りが始まったけど、コレは僕の所為ってのは分かる。でも余り関係ないバクシンオーを弄っちゃダメだよ。見てる分には楽しいかも知れないけど、やられてる方は多分不安になってるから。

 

「トレーナーちゃんトレーナーちゃん、ホントにデートなの?」

 

「はい、1週間宜しくね」

 

「……〜〜〜!!やった〜!!!」

 

そんなに喜んで貰えると嬉しいよ。2人で頑張ろうね

 

「……何か言ったかトレーナー?マヤノの声で耳が可笑しくなってる」

 

「……ううん、大丈夫。なんでもないから」

 

 さぁ、マヤノと僕のデートが始まる。楽しみだね……マヤノ?これから行う事に僕はなんの躊躇いも無く行動出来そうだったから、初めにマヤノを選んだけど、ここまで喜んで貰えるとは思って無かった。

 

「それと二分割したチームだけど、ゴルシとバクシンオーとマヤノがAチーム。テイオーとオグリと……僕がBチームね?」

 

「分かった……え?」

 

「トレーナーと、ボク達が、チーム!?」

 

「なんでマヤとチームじゃないの!?と言うか、え?トレーナーちゃんもチームに入るの!?」

 

「ふふ、楽しみにしててね。最後にやる模擬レース」

 

「なんだか知らねぇが、面白ぇ!」

 

「面白いで済ませるんですか!?」

 

「おう、面白ければオールオッケー」

 

「……勝てる気がしない、いやトレーナーが悪い訳じゃ……いや悪いのかな……なんでトレーナーウマ娘じゃないのさ!」

 

「……僕を産んだ人に言ってよ……」

 

「やるからには勝つ。そうだろう、トレーナー?」

 

「うん。やるからには勝とう。宜しくテイオー、オグリ」

 

 皆様々な反応をしてくれる。ゴルシはやっぱり面白がってるし、何なら僕がやろうとしてる事気付いてるんじゃないかな。今は夏合宿、やってる事が何時ものトレセン学園でやってる様なトレーニングじゃ意味が無い。僕はこれから自分に足りない物を掴みに行く。他のトレーナー達が持ってない様な、そんな物を。

 

 その為に只管知識しか持ってないこの頭を使ったんだ。妹と約束もした。皆の将来を僕の力不足で閉ざして堪るものか、負けていい勝負なんて、何処にも無いんだから!

 

 

 




 と、ゆー訳で新人くんの新しいハチャメチャトレーニングが始まるよー。今までじゃ絶対にやらなかったし、言わなかった事を言わせたりやらせながら。

 勘のいい人は気付きそう。そんなに難しくないからね。
 それはそうと、新たにプロットを書き直して夏合宿編は今回から数えて9話、もしくは10話になると思います。そこまで長くしたくないからカットするかもしれないけど、新人トレーナーくんの頑張りにお付き合い下さいませ。

新人トレーナーの妹ウマ娘予測アンケート

  • 1番人気ライスシャワー
  • 2番人気キタサンブラック
  • 同じく2番人気メジロドーベル
  • 大穴カレンチャン
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