純情ハートとウマ娘(凍結)   作:ゲーミング

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 マヤノとのドキドキトレーニング本格始動。
 と言うか皆大穴狙い過ぎでしょ、君達取り敢えず大穴に賭けるタイプと見た。作者もリアルではやらないけど、ゲームだと大穴にかけます。具体的に言うとハリボテエレジー(有り金全部突っ込む人)

 新人くん、羽化の時(育成し終わった後の成長回)
 似てる様でも違うからね!本編どーぞ。


第八十一話

 マヤノとのトレーニングも2日が経ち、現在3日目のトレーニング終わりとなった。初日は森の中での競走、昨日、詰まり2日目のトレーニングでは初日と同じ事をこなして貰った。同じトレーニングをこなした僕の体調としては——かなり足が痛い。

 蹄鉄付けた状態での歩きですら、タダの人間である僕はかなりキツいけれど、更に舗装されてない獣道を走っている様な物だからね。けどマヤノは本当に楽しそうにやってくれてる。それが今の所の救いかな。けどこのやり方はマヤノと、オグリ辺りしか成果は出せないと思う。バクシンオーとテイオーにはちょっと厳しく感じる。激重蹄鉄を付けてる時の挙動が2人共元気そうに笑うけど、足が偶に震えてるのが見えてたから。ゴルシは多分つまんないって言ってくるだろうから、もう少し練らなきゃ。

 

「……それなのにそれ(激重蹄鉄)以外のトレーニングを考え付かなかった僕の責任だよね」

 

 一応オグリ達にもトレーニングは言って置いた。勉強と素潜りと砂浜ダッシュ。もうこれくらいしか思い付かなかったからね。我ながら酷いとは思う。

 

「トレーナーちゃん?」

 

「ん、今日もお疲れ様。明日からは少しトレーニングを変えて行こう。もう随分慣れてきたでしょ?」

 

「うーん、そうだね!もう転ばなくなって来たしー、走り方も分かってきたから♪」

 

 本当に、本っ当にマヤノは優秀だと思う。それに比べて僕は……いや、そんなのは関係無いな。マヤノのセンスは本当に凄いけど、それで何時までも耐えられる程肉体は強くない。擬似的な競走は今日で終わりにしよう。明日のトレーニングはまたお試しになるけれど、これ以上高負荷は掛けられない。僕の目に付かない様に疲労を誤魔化してる可能性も有るし。

 

「取り敢えず帰ろっか」

 

「うん!また手繋いでもいーい?」

 

「良いよ、ほら」

 

 もう恒例になって来た手を繋ぐ行為の為に手を差し出す。けどマヤノはその手を取らなかった。もしかして汚れてる?……いや、大丈夫だと思うけど……。

 

「……えへへ、あのねトレーナーちゃん」

 

「なに?」

 

「今日は……トレーナーちゃんから握って欲しいなー、なんて」

 

「……良いよ。手掴むね」

 

「うん……どーぞ♪」

 

 初めて自分から手を繋いで見たけれど、マヤノの手は凄く柔らかかった。その感触に少し動悸が激しくなったけれど、汗をかいて火照った身体には丁度良かったかも。何時か自分の動悸とか自分で制御出来る様になったら便利そうだな。

 

 一先ず今日のトレーニングは終わりを迎えた。明日からのトレーニングをまた考えて行こう。マヤノと手を繋ぎながら僕達は2人で旅館へと歩いて行った。

 

 

 

◆❖◇◇❖◆

 

 

 

 4日目の朝が来た。正直此処最近眠れてない。目の下のクマが目立たないのがまだ救いだけど、こんな状態が続くとまた皆に心配されてしまう。慣れない事をしてる自覚はあるけれど、どうしてか身体が休ませてくれない。今までこんな事無かったんだけど。鏡の前に立ち、何度も目の下を確認する。結論としては僕の記憶と遜色付かない様だったから、無問題とする!

 

 眠れない時間を使って考えて見たけれど、トレーニング場所を変えようと思う。どうせ眠れないからと割り切って色々考えて見たけど、やっぱり僕の頭で思い付くのはどれも負担が大きそうなトレーニングになってしまう事が分かった。その理由は良く考えれば簡単な事だったけれど。

 無理に環境に合わせたトレーニング、更に言えば結果を急ぎ過ぎてるんだと思う。ならどうするか。人に聞いてみよう。自分1人の頭で考えてるのが悪いんだから、早いかも知れないけれど誰かの意見を聞いてみようと思う。その相手は——。

 

「それで朝から私の場所に来たんだね」

 

「すいません支配人さん」

 

 謝りながら支配人さんの前に正座をして、話をする体勢を作る。立ちっぱなしだと足が痛くて堪らないんだよね。

 

「いや、大丈夫だよ。それにしても……元気そうだね」

 

「そうですか?」

 

「うん、君最近寝てないだろう?それにウマ娘と同じ様なトレーニングをやってるのに、眠ってない状態で良く活動が出来るよ」

 

「……なんで寝てないって分かったんですか?」

 

「扉の隙間から光が漏れてた。と言うには弱いかな。実際の所単に引っ掛けただけだよ」

 

 本当なのだろうか。余り疑いたくは無いけれど、ソレが原因じゃないと思う。だってあの女将さんのお父さんだからね、例えば僕の身体の動作で分かったって言われても不思議じゃないし。

 

「僕の事はどうでもいいんです。支配人さんにはお話があって」

 

「トレーニングの事だろう?」

 

「……話が早い」

 

「そりゃあね。態々この旅館のレシピや旅館の成り立ちを聞きに来た訳でも無いだろうし」

 

 それはそうだけど、もっとこう……なんかあっても良いと思う。察しがいいのは助かるけれど、会話する量が減るのはちょっと困るかも。意識してゆっくり喋る様になって、ほんの少しは噛む頻度とか少なくなって来たから、この調子で行けば噛み癖や吃りも無くなりそうだから。

 

「……トレーニングの事に関しては、私から言える助言は無いよ」

 

「ない?え、ないんですか!?」

 

「それはそうだとも。何せ君はしっかりトレーナーズスクールを出ているんだろう?それに首席で卒業したそうじゃないか。そんな()()()()に一体何を助言するんだい?」

 

「……それは、そう、なんですけど」

 

「君の中にちゃんと有るだろう。トレーナーズスクールで教わった事を良く思い出して見るといい。それに他のトレーナーさん達のトレーニングも見ていただろうし」

 

「……理解はできます、けど……」

 

「何のための完全記憶能力なんだい?」

 

「……と言うか支配人さん僕の情報知り過ぎじゃないですか?可笑しいでしょ……」

 

「秋川理事長が話してくれたよ」

 

「……理事長ぉ……」

 

「私の部屋は自由に使ってくれていいから、ゆっくり思い出すといい。まだ朝も早い。まだ5時だからね、早すぎるくらいさ」

 

 そう言って支配人さんは僕にウインクしながら部屋を出て行った。思い出せ……か。本気でやってみようかな。色々嫌な事も思い出すけど、それで少しは前に出れるなら。正座を解いて胡座に変える。身体の力を抜いて瞼を閉じる、不思議と眠気は来ない。そうして僕は自分の意思で意識を深く()()()()()()

 

 

 

◆❖◇◇❖◆

 

 

 

『1人で勉強ですかー?周りの人間がバカに見えるって顔しやがってよ……』

 

『あの、私此処が分からないんだけど、その、新人くん教えてくれませんか……?』

 

『アイツマジでうぜー』

 

『筆記試験トップだってさ。見下しやがって』

 

『おーい、お前も飯食いに行かねーかー?』

 

『良いか、新人トレーナーが陥り易い部分だが』

 

『本当に付き合いわりーよな彼奴って』

 

『お兄ちゃんの夢って、なに?』

 

『ウマ娘の為に生きる決意をするのがトレーナーの第一歩』

 

『あー!可愛いウマ娘と付き合いてー!』

 

『アンタってさ、何で言い返さないの?』

 

『先ずは柔軟からやっておけ』

 

『ウマ娘の身体は強いが負担を考えなければ一瞬だ』

 

『お兄ちゃん』

 

『俺の同期が焦って皐月、菊花を取ったウマ娘に怪我を負わせた』

 

『お兄ちゃんの夢って、なに?』

 

『『『どうせお前はトレーナーになれない』』』

 

『お前は俺達の本当の息子じゃ無いんだ』

 

『ぼくのゆめは、うまむすめになることです!』

 

『ごめんね、ごめんなさいね……ちゃんと産めなくて』

 

『あの日見た流れ星に、僕は名前を付けるんだ』

 

「————ちゃ—」

 

『なにやってもお前じゃ無理だろ』

 

『お父さん!お母さん!だいすき!』

 

『チーム名は流れ星にしよう、それが良い気がするし』

 

『新人は優秀だな、頑張れよ』

 

「——レー——ん」

 

『初めまして私がこの学園の』

 

『トレーナーになるって夢を叶えた先が分からないんだ』

 

『面白そう』

 

 頭が可笑しくなりそうだ。記憶の蓋を開けてソコに飛び込んで、僕は何の為にこんな事してるんだ?上手く考えられない。怖い、こわい、こわいこわいこわい——こわいよ、ぼく——。

 

「トレーナーちゃん!」

 

「っ……まや。ま、」

 

「大丈夫?……すっごい汗、ちょっと待っててね今お水持って来るから!」

 

 意識がハッキリした。周りを見渡すと、確かに僕は支配人さんの部屋の中に居る。けれど体勢が違った。何で胡座をかいていたのに、横になってるんだ?寒気がする、吐き気が止まらない。本当に此処は現実?それとも、まだ記憶の中に居るの?分からない、わかんない、わかりたく、ない。

 

 震える身体を必死に抑える。弱くちゃダメなんだから、僕の強みはこの完全記憶能力なんだよ。今までの経験を知識に変えられる僕だけが持ってるモノなんだ。それに縋らなきゃ、いつまで経っても僕はガキのままだ。もう一回、もう一回やらなきゃ……トレーニング方法をもう一度考え直す為に、もう一回……。

 

「トレーナーちゃん、お水」

 

「……僕は、トレーナー?」

 

「……トレーナーちゃん?」

 

「トレーナーって、なに、だれ、ぼく、え……」

 

「トレーナーちゃん?トレーナーちゃん!」

 

「……大丈夫、大丈夫だから、大丈夫。水ありがとうマヤノ……」

 

 マヤノから渡された水を震える右手で受け取り、身体を起こして飲みながら、ほんの少し落ち着いて来た。大丈夫、コレは現実で、僕は新人トレーナーだ。大丈夫。こんな所で立ち止まってられる程、僕に時間は無いんだ。今まで逃げ続けて来たツケを此処で払わないと、何時まで経っても僕はガキでダメな奴になっちゃう。漸く、漸く僕はトレーナーになれそうなんだから。

 

「……なんでそんなに泣きそうなの?」

 

「ぇ?……ぁ、ごめん。なんか、マヤノ見てたら安心して」

 

「ウソつき」

 

「……嘘?」

 

「トレーナーちゃん怖がってる。マヤ分かるんだよ?」

 

 そう言ってマヤノは僕の頭を抱き締める。あぁ、また僕は甘えてるんだ。コレじゃ今までと同じだ。離れないと、マヤノを突き飛ばしてでも、僕はこれ以上甘えちゃいけないんだから。でも、出来るの?

 

「トレーナーちゃん」

 

「……なに?」

 

「トレーナーちゃんがずっと頑張ってるのマヤ達は知ってるよ」

 

「……頑張ってる?」

 

「うん。初めて会った時から変わったのも知ってる」

 

「……変わった?」

 

「トレーナーちゃんの事を悪く言う人が居るのも知ってる。でもそんなの関係無いんだよ?」

 

「……関係ない?」

 

 そう言って、少しマヤノの抱き締める力が弱まった。少し顔を上げると、マヤノの顔が見えた。綺麗な瞳。ソレに映る僕の顔。甘えたガキの顔。

 

「だって()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「…………なに、それ」

 

「テイオーちゃんやオグリちゃんとバクシンオーちゃんは違うと思うけど、私やゴルシちゃんはきっとトレーナーちゃんが逃げたいって言ったら何処までも逃がすよ?夢を諦めなきゃいけなくなっちゃうけど、トレーナーちゃんが笑顔で居てくれるなら、マヤはそれでも良いかなーって。」

 

 優しく笑い掛けてくれるマヤノの言葉に、思わず頷きそうになった。なんだコレ、なんなんだよコレ。僕は自分の担当に——。

 

なに、言わせてんだよ……ッ!

 

「どうする?逃げちゃう?」

 

「……逃げない」

 

「でも顔色酷いよ?」

 

「全部、ぜんぶマヤノの気の所為」

 

「……何でも受け止めて上げられるんだよ?」

 

「じゃあ……じゃあ僕が、僕が自信を持ってマヤノ達のトレーナーって言える様に見守っててよッ!頑張るから!マヤノの夢も諦めさせないから!だから、だから……!」

 

「……じゃあ見てる。だからトレーナーちゃんは1人じゃ無いって分かってくれる?」

 

「……うん、うん……分かった、だから」

 

 マヤノから離れる。また胡座をかいて、全身の力を抜いて、もう一度自分の記憶の中に——。

 

「行ってらっしゃい、トレーナーちゃん!」

 

 ()()()()()()()

 

 

 

『彼奴さ』

 

 煩い黙れ、お前じゃない。

 

『新人くん、分からないから』

 

 顔も名前も覚えてるけど、そんな暇ないんだ。後にしろ。

 

『お兄ちゃん』

 

 迎えに行く。絶対に迎えに行くから。だから今は少しだけ待ってて。

 

『ぼく、うまむすめには、なれ、ないん、だっ、って』

 

 そうだ、僕はウマ娘に成れない。だからトレーナーになりたいって夢に変わったんだ。その夢を叶える為に今此処に居る。だから、おやすみ。

 

『良いか、トレーナーってのはウマ娘の事を第1に考えなきゃいけない。』

『ウマ娘は宝だ。容姿じゃない、レースに出た際に得られる賞金の事でもない。ウマ娘と言う存在が宝なんだ。今は分からないかも知れない。けれどトレーナーに成れば自ずと分かってくる。それが分かった時、トレーナーの意味が分かってくる』

 

『新人トレーナーがやるべき事は、先ずウマ娘と話す事。次にウマ娘を観察する事。そして最後に、そのウマ娘に合ったトレーニングを考えてやる事だ。正解のトレーニングなんざウマ娘事に違ぇんだから、満場一致で合ったトレーニングなんざ存在しねぇんだよ。わかったか!』

 

 ……あぁ、漸く見付けられたかも知れない。コレが正解じゃ無いかも知れないけど、僕はコレだと思った。過去の傷や痛みは結局僕の行動によって起こされたモノだ。けれどトレーナーになりたいと思った夢は決して間違いなんかじゃないって、そう信じてる。

 僕は僕の為に頑張ってくれたウマ娘の、夢をくれたゴルシの、僕に気付いてくれたテイオーの、傍に居てくれるマヤノの、僕と夢を追ってくれるオグリの、僕を変えようとしてくれたバクシンオーの。

 

「……トレーナーになったんだから」

 

 今度は自分の意思で戻って来れた。マヤノは、居なかった。けど別に不安なんて無かった。だってずっと見てる事なんて無理だからね。それくらい分かる、と言うか分かる様になったって言うか。

 

「……はぁ、なっさけな。結局助けて貰ってんじゃん。ダメですねー僕って奴は……」

 

 本心は違うけど。ニュー新人トレーナーとして頑張っていく気満々だよ。自信なんて無い、有るのは自惚れだけ。それでもやっぱり僕はみんなのトレーナーでありたいから、踏ん張って、しがみついて行こう。

 助けられてる分だけ、いやそれ以上に僕はみんなの助けになりたいから。

 

 スマホを見ると、早朝の5時から初めて既に昼の12時を回っていた。記憶の中に入るとか、今考えると意味分からないけど、やってみるもんだったな。お陰で多少は為になった、かも?

 

 取り敢えずみんなと合流しよう。トレーニングも思い付いたし。

 

 

 

◆❖◇◇❖◆

 

 

 

 旅館から出ると、みんなが居た。各々トレーニングをしていて、僕の姿を見て一旦辞めて此方に向かって来る。

 

「オグリ」

 

「……なんだ?」

 

「激重蹄鉄付けて、腰に重り。その状態で水を含んでない砂浜走って。無理したら許さないから」

 

「あぁ、分かった」

 

 オグリは兎に角重りを付けたトレーニングでの伸びが凄まじい。元から代謝なんかがいいのかも。それも後で調べて見なきゃ。

 

「テイオー」

 

「もー、待ちくたびれちゃったよー」

 

「ごめんね。テイオーは競馬場に関する事とかの勉強。僕の部屋のノートパソコン使っていいよ。その後は水を含んだ砂……海岸沿いでウイニングライブ用のダンス練習。それも飽きたらオグリと混ざって重り無しで競走して。無理は」

 

「しないよ、ワガハイに任せたまえ!オグリの事もちゃーんと見てるからさ!」

 

「うん、宜しくね」

 

 テイオーは逆に重りを付けた状態だと足が上手く動かせてない風に見えてた、元々柔らかい膝に負担を掛けたトレーニングだったから当たり前だ。誰だこんなトレーニング考えたの。一変死んでしまえ……僕じゃん。

 

「バクシンオー!バクシン……バクシンオー何処!?」

 

「ココです!」

 

「ひゃん!?ひと、人の背後に回らないの!……バクシンオー」

 

「はい!重りは嫌です!」

 

「ふふ……うん、そうだよね。だから重りは付けなくていいよ。その代わり、道路と砂浜をひたすら走って。疲れたら適当に休んでいいから。因みに一度に走る距離は2000mね。ゴルシ把握宜しく」

 

「分かったでゴルシ」

 

「……重りの方が良かったかも知れません」

 

 バクシンオーは元から速い。後はスタミナだ。その為にも一度に走る距離を伸ばして休憩、そしてまた走るを繰り返して貰う。腰に重りを付けた際はそんなに動きが悪くなる事は無かったから、タイヤ引いても良いけど、今じゃない。

 

「んでゴルシ」

 

「おう、お前のゴルシちゃんだぞハート」

 

「口で言うなよ……お前は取り敢えず面白そうだと思ったトレーニングやるといい。誰かのトレーニングに混ざるのも良い、まぁ基本はバクシンオーとの競走だったりをして欲しいけど、そこら辺の判断は任せる」

 

「お前はこのまま1週間の奴続けんのか?」

 

「うん、僕が見てないとやれないトレーニングとかあるだろうし」

 

「ま、そうだな。把握したわ」

 

 ゴルシは兎に角モチベ維持して貰おう。正直僕のチーム内だと最強だと思うし。ゲート難治ってないけど。さて、後は……。

 

「マヤノは先に行っちゃってるんだよね」

 

「おう、行ってこいよ新人」

 

「うん、色々()()()()()ゴルシ」

 

「……なんか背中が痒くなって来ちまった!さっさと行け!」

 

 言われなくとも行きますよ。謝るのは簡単だけど、感謝するのは割と難しいって今思った。謝るのは兎に角自分が悪いと思うから謝れるけど、感謝って何に感謝してるのか考えて言わないといけないから意外と難しく思った。まぁ咄嗟に言うのはどちらも変わらないんだけど。

 

 後はマヤノとのトレーニングを変えるだけだ。もう時間も過ぎてるし、走って行こう。

 

 

 

◆❖◇◇❖◆

 

 

 

 アスファルトを蹴って削って行く。蹄鉄付けた靴で来ちゃったから、若干煩い。肺や心臓が痛いけれど、それ以上に足が辛い。けど一刻も早く、早くマヤノの元へ急ぎたかった。草を踏みしめて、木を避けながら走り抜けていった。

 

「マヤノ!」

 

「ん、トレーナーちゃん?もう大丈夫なの?」

 

「だい、う、ん、大丈夫、うん。大丈夫大丈夫」

 

「そっか……そうは、見えないんだけどなぁ……」

 

「ぞ、そう?」

 

「うん、汗だくで息切れしてて足がプルプルしてるもん……」

 

「……だい、大丈夫には、みえな、見えないね……ぐふ……」

 

 もう、だめ……足痛い横になる……。

 

「トレーナーちゃあああん!!」

 

「……そんな大声出さなくても、生きてるから……」

 

「そっか。それで?どうかしたの?」

 

「……トレーニング内容変えよう?」

 

「……ふーん?じゃあトレーナーちゃんはどんなトレーニングをマヤにさせたいの?」

 

 仰向けで大の字に寝転んでる僕の上に覆い被さる様に乗ってくるマヤノの瞳には、汗で髪の毛がボサボサになってるダラしない僕が映っていた。

 

「マヤノなら、分かってるんじゃない?」

 

「んー、トレーナーちゃんに言って欲しいな♪」

 

「……今日から残り3日間、遊ぼうか!」

 

 マヤノの伸びる傾向は、みんなと行うトレーニング。初めの頃はテイオーとだけだったからか、上手く伸びず、人が増えて行くに連れて伸びが良くなって行った。多分マヤノはライバルが沢山必要なんだ。それこそ友達全員ライバルみたいな感じで……さ。

 どんなトレーニングもマヤノは適応するけれど、1人でのトレーニングじゃ伸びは対してなかった。マヤノが持ってるセンスで()()()だけで、伸びが良くなる訳じゃ無かったから。

 

「……えへへ、遊ぼっ!ほら、トレーナーちゃん立って!」

 

「あ、待って……腰が」

 

「おじいちゃんみたい」

 

「……まだ22だし、今年23だよ」

 

「ふふ」

 

「……後で沢山トレーニングしてもらうからね」

 

「もっちろん!」

 

「4週間マヤノのトレーニング見てあげれないけど、それでも大丈夫?」

 

「長いなぁ、実はマヤってみんなとトレーニングしてる最中にトレーナーちゃんに見られてるから頑張ってたのかもよ?トレーナーちゃんが見てないならサボっちゃうかも〜」

 

「……良いよ、それで僕と一緒に夢が見られるのなら」

 

 立ち上がり、腰の痛みでくの字に身体を曲げていたけれど、真っ直ぐ立つ。手を引かれるだけじゃあ今まで通り。でもさ、手を引くのってどうやってやるのか分からないけど、こーゆうので良いんじゃないかなって。

 キョトンとした顔のマヤノに背を向けて、1人で森を抜けて行く。けどその数秒後には。

 

「待って!待ってよトレーナーちゃん!それ、それってぇ!」

 

「ふふ、さぁ、それじゃわかんないや」

 

「〜〜〜!もう!」

 

 僕は僕のまま、エゴと我儘で夢見がちなガキっぽくやって行こう。大事なモノだけ忘れずに、抱き締めながら。




 8000!?8000文字アイエエエ!!!最多文字数になっちゃった。
 因みに次回でマヤノ編は終わり。新人トレーナーくんの夢が1つ増えました。キラキラした担当達とワクワクしたい、って言う。

 最終回かな?

新人トレーナーの妹ウマ娘予測アンケート

  • 1番人気ライスシャワー
  • 2番人気キタサンブラック
  • 同じく2番人気メジロドーベル
  • 大穴カレンチャン
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