純情ハートとウマ娘(凍結) 作:ゲーミング
この小説ギャグで書き始めたんだよね……気付いたらクソ重小説になってたけど
オグリキャップへの宣誓を行った次の日の朝。
色々と辛くなり死んだ様に眠っていた頃だった。
突然寮部屋に響き渡る何かの破裂音と砕ける音が耳を突き、飛び起きた事が目覚ましになった。
「ゲホッ、なに、なゴホッに!なに!?」
巻き起こる砂埃によって視界は遮られ、目に砂埃が入り涙が出てくる。
何が起きたのか全く分からない中、取り敢えずスマホを取り出しライトを付けた——その瞬間。
「オラァ!トレーニングの時間だァ!」
奴がいたゴルシだよ!、そう、奴がいたんだ。
無駄に雄々しく太陽に照らされた艶やかな髪の毛を振り乱したゴールドシップが。
「……朝っぱらからなんでお前が僕の寮部屋に居るのか、理解できないんだけど」
時刻は朝の四時、寮部屋には大きな穴が空いており、その前にゴルシが仁王立ちをしていた。
「来ちゃった☆」
もう確信犯だろコイツ。
人の安眠妨害しておいてウィンクして舌出してるけど何も可愛くないし、腹立つから辞めろ。
「なんだよー、お前が辛気くせー顔してたからゴルシちゃんが元気付けようと思って昨日の夜からスタンバってたのによー」
「寮の門限どうなってんだよ!?フジキセキさんやヒシアマゾンさんに介錯されても知らないよ!?」
「許可取ってるから平気」
「何の許可だよ!?お前になんで許可が降りるんだよ!?」
朝から寝起きは最悪だし、体調も良いとは言えない。
昨日熱々のコーヒーを手に掛けてから、その火傷がジクジクと痛むし、ハッキリ言って今日は誰とも話したくなかった。
その上ゴールドシップなんて、最悪も最悪だ、何考えてるか分からないし破天荒だし行動が予測出来ないし基本的に欲望と本能に忠実だからウマが合わない。
「お前がまた逃げ出すんじゃねぇかなぁ〜って思ったから尻蹴りに来たんだよ」
「……逃げてないだろ、いい加減にしてよ。僕はトレーナーになってからも頑張ってるし、お前に尻を蹴られる筋合いも無いでしょ……」
——極めつけはコレだ。
何が分かってこんな事してるのか。
きっと何も分かってないけど、感覚として分かってるのか、こう言う核心を着いてくるから苦手なんだ。
でもなんだかんだ言って僕がコイツを嫌いになれないのは僕以外で初めて僕に期待、してくれてるから。
だから———。
「……何をすればいい?」
僕はきっとコイツ相手に吃らないんだ。
「取り敢えずゴルゴル星目指してランニングしようぜ!」
「だから何処にあんだよゴルゴル星はよォ!!」
僕の騒がしい一日が始まった。
不思議と苦しかった胸は楽になっていた。
「あ、ゴルシちゃんお腹減ったからなんか作ってくれよ」
「自由か!人の寮部屋の壁ぶち抜いておいて頼むことがソレか!?」
……やっぱり僕お前の事少し苦手だよ。
「……朝四時に来てお腹減ったからって朝ご飯作らせて、勝手にトレセン行って授業受けて……なんなんだほんとに」
朝早くからトレーナー室に籠りトレーニング計画表を作っている最中、朝の出来事を思い出す。
オグリキャップとの話が頭に過ぎり、どうするか考え込む。
一応チームメンバーが足りなくても出走するだけなら出来るはず。
でもそうなってくるとどのレースに出るかが迷い所だ。
オグリキャップの脚質はマイルだと考えている。
中距離の競走は合わなかったと考えて、ならマイルじゃないか?と言う簡単に考えて見た。
課題としては、オグリキャップが全力で走れる様になる事を手助けする事。
正直精神的な問題になってくると、そこら辺の知識は皆無に等しいし、下手に知識だけ合っても逆効果になりかねないと思っている。
簡単だ、僕は怖いんだ。
キーボードを叩く音が止み、トレーナー室には僕の呼吸音だけが静かに響いていた。
「……オグリキャップの夢を、終わらせたくない」
担当ウマ娘だから、チームメンバーだから、初めて自分の力だけで勧誘出来たから。
そんなモノは理由じゃない。
もっと簡単で、単純だったんだ。
「……僕は、オグリキャップの笑った顔が見て見たい……レースに勝ったらどんな顔をするか知らない。オグリキャップがどんな事を考えて、どんな事を感じるのか分からない。だから知りたい、僕は……オグリキャップの事が知りたいんだ……」
色々なモノがグチャグチャに掻き混ぜられた感情だけれど、だからこそ強く想い願い手を貸したい。
オグリキャップが沈んでいる場所から、引き上げたいと思うのは、きっと間違いなんかじゃないんだから。
計画表に、また文字を打ち込んで行った。
今日は何故かゴルシがトレーニングに乱入するとか言っていたから、ついでにゴルシのトレーニングもしてやろうか。
座禅五時間とか、アイツ落ち着きが無いから丁度いい気がするんだ。
……先輩に聞いた所、ゴルシは今日のトレーニングは休みだったらしく、トレーニングは控えて欲しいとメッセージが飛んで来ていた。
扱いてやりたかった。
◆❖◇◇❖◆
時は放課後になり、チーム『流れ星』のメンバー+ゴルシが集まっていた。
「ゴルシは今日見学しに来たから気にしないで良いからね」
「新人がサボってないか調査しに来たゴルシ探偵だ、宜しく頼む沢山のワトソン達」
『
「……」
特に無反応なオグリキャップが少し気になったけれど、トウカイテイオーとマヤノトップガンの感想は正論だと思った。
「取り敢えず今日のトレーニングを説明するね」
「新人新人新人」
「……なに?」
「その表みーせて?」
ニヤニヤとイヤらしい笑みを浮かべるゴルシだったが、別にトレーニング表を渡すくらいなんて事も無いと思い手渡すと。
「フンッッッッ!!!」
「トレーナーちゃんの!」
「トレーニング計画表を!?」
「…………破かれたな」
「ゴォォォルシィィイイイ!!」
「こんなモンは丸めてポイッとするのが一番だな、うん」
「破いてんだよ!?丸めて無い!破いてポケットの中に仕舞われてんだよ!!行動と言動が合ってない!合ってないよゴールドシップゥ!」
人が折角使った計画表を破り、更に僕のポケットの中に破いたゴミを詰め込んでくるゴルシ。
辞めろや。
「取り敢えず走ろーぜ。何も考える必要ねぇよ、ややこしいトレーニングなんて辞めて走る!ソレが今日のトレーニングだ!」
「……それはそれで良いなぁ」
「私は……どんなトレーニングでも構わない」
「……僕の考えたトレーニングって一体……」
「トレーナーちゃん、ヨシヨシ♪」
精一杯背伸びしたマヤノトップガンに頭を撫でられ、涙が出てきそうになった。
その後は本当に走ってるだけだったけれど、皆楽しそうに走っていたんだ。
オグリキャップも。
僕が作ったトレーニングで、あんな風に笑って貰えたろうか。
良く、分からない。
「ふぅ……いやぁ疲れたぁ、こんなに長い時間走ったのボク久しぶりかも」
「マヤちんも疲れたぁ……お部屋戻って寝たぁい」
「マヤノは寝過ぎだよ」
「むぅ、テイオーちゃんだって偶に寝坊しそうな時あるでしょ!」
「そ、そんな事、ないよ?」
トウカイテイオーとマヤノトップガンのあんな会話を聞いたのは初めてかも知れない。
僕はトレーナーとしての義務を果たしていたと思ったけれど、違うのかもしれない。
分からない、ゴルシはなんでこんな事をしてくれた?
分からない、先輩はなんでメイクデビュー前のゴルシを僕のチームに貸してくれた?
分からない、オグリキャップとゴルシが二人で話している内容は聞こえて来ないし、なんでオグリキャップがゴルシと競走しているのかも分からなかった。
……僕が先輩なら分かったのかな。
僕がもっとしっかりしてたら、分かったのかな。
何故か僕の胸には無力感が漂っており、改めてトレーナーとは何なのか、考えさせられていた。
オグリキャップもまた、ゴルシによって考えさせられていた事に僕は気付けなかった。
自分の事で手一杯になっていたから。
実際新人くん真面目くん感強いからトレーニングとか詰まらなさそうだよね。
とことん利点突き詰めてるけど、その分ややこしかったり面倒臭いトレーニング多そう。
アニメ版トレーナーのトレーニング方法皆楽しそうにこなしてるの見て、見てるこっちも楽しくなってたのを思い出した。
新人くんとオグリキャップの成長イベント。
少し早めだけどテンボ上げてかないと蛇足が多くなっちゃうからね。
感想、評価ありがとうございます。
大変励みになっています。
だからもっとくれください。
新人トレーナーの妹ウマ娘予測アンケート
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大穴カレンチャン