純情ハートとウマ娘(凍結) 作:ゲーミング
オグリとのトレーニングが終わった。特に何する訳でも無く迷走したまま。けどおかしな事に踏み込む力と体力が上がってる様で、思考放棄して迷走したトレーニングだったのに結果だけは着いてきてしまって少し困惑した。色々合ったけど今回マンツーマンするのは最後の1人、そう、ゴルシだ。
「つーわけで楽しそうなトレよろ」
「色々迷走してる僕にそういう事言っちゃう?」
「おう、迷走してるから頭可笑しいトレーニング出来そうじゃね?」
「今思い付いたんだけど、重りを付けてタイヤとロープ繋げてそれをゴルシの腰に着けて海の、そう。沖の方に飛び込まさせたらどうなるか気にならない?」
「アタシ沈んじゃう」
「1週間飲まず食わずの不眠状態で一切休憩無しの無限ダッシュとかどう?」
「アタシ死んじゃう」
「白目剥いた状態で炎天下の下走ろうよ」
「アタシ乾いちゃう」
「じゃあ」
「もうその下り辞めようぜ!?長ぇよ!」
ゴルシのチョップで言葉を止められてしまった。冗談だよ、そんな事した所で何が伸びるのさ。身長とか言うなよ、それ以上大きくなったら許さないから。早く来てくれ僕の成長期……(169cm)
「お前ちゃんと寝てんのか?」
「いきなりどうしたの」
「ん」
「ん……って」
そう言ってゴルシは自分の目の下を指さす。あぁ、そんなに目立つ?
「目立ちはしねぇけど、勘の良い奴は気付いてると思うぜ?」
「さり気なく自分勘がいいって言ってない?」
「そうだけど?」
「自己肯定感つっよいなお前!」
「アタシis最強!ゴルシの時代が〜キターーー!」
「お前の時代は来ない」
「あぁん?お前の育成次第だろーが」
「育成って……そんなゲームじゃないんだからさ」
せめて子育てって言ってよね……あぁ、いやそれも違うか。トレーニングだよ、そう。トレーニングだ。危ない頭ゴルシになる所だった。
「因みに今何時?」
「何が因みにだよ話の切り替え方下手くそか……オグリとのマンツーマン終わって……夜中の2時ですね」
「よっしゃあ!肝試ししに行こうぜッ!!」
「急だよねぇ!?」
「オラ!肝試しの時間だッ!」
「やめ、やめろ!?やめなさい!はなせ、はなせぇえっ!!」
「これから何が始まると思う?」
「なに!?なにってお前が肝試しっ」
「そう、肝試しが始まる」
「なんなんだよお前はっ!?」
そうしてゴルシの肩に担がれて草木眠る丑三つ時に僕は連れ出された。なんでこうなるの?
◆❖◇◇❖◆
ドキドキしながらゴルシの肩に担がれて山道を進む。これは決して楽しみだからとかじゃなくて、この先何があって、僕は一体どうなってしまうのかと言う不安感から来る動悸であり、今の状況を楽しむ余裕は無かった。というか今日からゴルシとやるトレーニング考えないと。
「眉間にシワ寄ってんぞ〜」
「……そんなに寄ってる?」
「おう、そりゃーもうすげぇ寄ってるよ。眉間のシワの数世界大会ベスト564位には入りそうな位」
「全国って言う広い範囲で3桁内に入ってるけど、キリの悪い数字過ぎるんだよね……」
目の前で揺れ動くゴルシの尻尾を見ながら眉間を人差し指と親指で摘んで揉み解す。と言うか僕とゴルシいま絶対顔合わせない筈なのにどうして眉間にシワ寄ってるって思ったの?絶対適当に言ったでしょ……。
そうこうしている内に気付けば山の億、僕もまだ来た事の無い何処か知らない場所へと踏み込んでいた。いや本当にどこだよ此処。
ふと身体を起こして首を曲げてゴルシの歩いている方向を見ると、何故か橋があった。橋の底には水が流れており、僕が調べた時には無かった筈の滝があった。もう何がなにやら……。
取り敢えずゴルシはこの橋を渡るつもりらしく、歩みを止める気は無さそう。
「
「不吉な歌を歌うんじゃないよ!?」
「音が好きなんだよあの童謡、新人はなんか好きな曲ねぇの?」
「……音楽とか、聞く暇なんて無かったし。そもそも興味も無かったから」
「流れ星のメンバーでカラオケ行った事あったけど1回も歌ってなかったもんなぁ。お前も音楽とか聞けよ、少しすっきりするかもよ」
「急になにさ。カウンセラーでも始めた?」
「ンな事すっかよ、めんどくせぇし。単に今のお前は
「…………」
そう言われてみると、今って何が楽しくてトレーナーやってんだろ。僕って何時も空回りしちゃうから、今もきっと空回りしてて……。
なんて、少し前ならそう思ってたと思う。けど今は少し違うんだ。そう、違うんだよゴルシ。なんだろう、なんて伝えたら良いんだろう。つたえる言葉は種類だけ知っていて、実際に使った事が少ないから上手く言えるだろうか。意を決して口を開く。
「
「…………なんだおまえ急に」
「厳密に言えば、お前達、が正しいんだと思う。けど今はお前と居るのが楽しい。僕はやっぱり皆が好きなんだ。話してて楽しいと思えるし、何より……
「湿っぽい話は苦手なゴルシちゃんだけど、急に話切り替えられるのも苦手なんだって今気付かされたわ。やるな新人」
「いや知らないよ……と言うか今僕いい事言ったと思うんだけど、その事に対しては何も無い感じ?」
「アタシ達と居て楽しいのは当たり前だろ。何を今更言ってんだ……よっと!」
そう言い切ると僕の身体は突如浮遊感を覚える。これもしかして投げ飛ばされた?どこに?地面に!?
「ゴルシ!?がっ!」
受け身すら上手く取れずに背中から落とされる。背中を打った事で直前まで吐き出していた空気の残留が強制的に吐き出されて、一瞬だけ呼吸が止まった。受け身取れなかった僕が悪いわ。
「夜も眠れない位悩んでんのかと思ったら、なんだよ。お前はお前なりに楽しんでたんだな」
そう言ってゴルシは仰向けに横たわる僕の隣に座り込む。視線は空に。夏だと言うのに雲の見えない宵闇の空。空に浮かぶ三日月が地面に倒れている僕と、隣に座るゴルシを照らす。
「……ゴルシ」
「あん?」
「お前ってほんっっっとうに……」
「なんだよ!?溜めずに言えよな、そこはよ!」
ゴルシの最速を貰うけど、言葉は出なかった。話す気が無くなったのを分かったからか、ゴルシは1度溜息を吐くと視線を空に戻した。
僕が言いたかった事ってさ、多分——。
「流れ星だ……」
僕の視界に一筋の光が流れた。子供の頃、ウマ娘に成りたいなんてバカな夢を持ってしまった時と同じ流れ星。夢は沢山持った、けれどその多くは自分で捨てて、たった1つになって、その先を示して貰って。そして今は昔よりずっと多くの夢を抱いてる。
もう、僕は子供じゃ居られない。
「ねぇゴールドシップ」
「なんだよ、トレーナー」
「あの流れ星にゴールドシップって名前を付けたいんだけど」
「…………良いんじゃねぇの?良いセンスだよ、流れ星にアタシの名前付けるなんて」
「……オグリにやったトレーニングはさ、ウマ娘としての能力を上げるには下地をもっと仕上げるのが良いと思ってほんの少し考えてたんだ」
「おう」
「テイオーには自信を付けて欲しくて」
「そうだな」
「マヤノにはもっとずっと広い視野を持ってほしくて」
「分かってる」
「……バクシンオーは、学級委員長として、全てのウマ娘の模範になって欲しくて」
「ちょっと詰め込み過ぎてる所は有るけどな」
「ゴールドシップには……特に何も思い付かないや」
「そこはもうちょっと頑張ろうぜ!?」
「あははは……うん、ちょっと眠くなって来たかも」
「…………ゆっくりおやすみ。新人」
「…………おやすみなさい、ゴールドシップ」
そうして、約5週間振りに僕は睡魔に襲われ、月夜の下で瞼を下ろした。
予約投稿忘れて書き上げて満足してた雑魚投稿者が居るらしい……そう、僕だ!
すいません()