ようこそ自称天才がいる教室へ   作:贋作者

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永遠とは(哲学)

 

 ……どうやら俺にとっての永遠は一瞬らしい。バスを降りた後、クラス分けを確認し、Dクラスだった俺は自分の教室まで来ているんだが……高円寺がいる。もう一度言おう。高円寺がいる。な、何を言っているかわからねーと思うが……いや落ち着け俺こんなもの誰でもわかるに決まってるじゃないかつまり高円寺は俺のストーカーいや何言ってるんだ俺流石俺天才。

 

 ……どうやら俺は壊れたらしい。

 

「やあ、さっきぶりだね快斗ボーイ」

 

 だまれこのクソカスがごめんなさい高円寺様でしたか今俺ちょっと錯乱してるんで落ち着くまで待っててもらっていいですかねはは。

 

「さっきぶりだなーじゃあ俺席こっちだからばいばい」

 

 ……幸いにも俺の席は高円寺から遠い、とまではいかなくても割と離れているようだった。

 

 ……よっしゃ!俺は高円寺に見えないようガッツポーズして席へ向かう。

 

「入学早々随分と重いため息ね」

「……同じクラスだったなんてな」

 

 は?死ねよクソリア充が。

 

 ……俺が席つくと、俺のすぐ近くの席で黒髪ロングの美少女と茶髪っぽい髪色の影薄い系イケメンが仲睦まじく話をしていた。

 

 なんだこいつ等俺への当て付けか?彼女いない歴=年齢の俺を煽ってんだろそうなんだろ?正直に言え、そしたら許してやるよ。3回殺すだけにしといてやる。

 

「オレは綾小路清隆。よろしくな」

「俺は流川快斗。よろしくな」

「……いきなり自己紹介?というか唐突に会話に入ってきたあなたは誰かしら?」

 

 俺が会話を荒らすためにリア充共の会話に入り込んでやると二人は驚いた様子で俺を見てきた。あと多分勘違いじゃなければ心なしか黒髪美少女に睨まれてる気がする。勘違いだといいな。

 

「……いや俺さっき流川快斗って言ったじゃねーか……つーか、もしほんとにわからないなら小学校からやり直した方いいぞ?」

「……あなた、初対面でよくもそんな失礼な口を聞けるわね……」

 

 俺が優しく助言してあげると黒髪美少女は少し苛立った様子でそう答えてきやがった。

 

「失礼?面白い冗談だな。俺は世界一優しくてイケメンで天才な最強人間だぞ?」

「……なるほど、わかったわ。あなた、今すぐ病院に行ったほうがいいわ」

「……正直、さっきまでは話せて嬉しいと思ってたオレも今丁度病院に行ったほうがいいと思ってた所だ」

 

 ……なんだこいつら。中学の時の同級生と同じ反応しやがって。……言ってもわからぬ馬鹿ばかり。

 

「そうだ、俺がキラだ!」

「もういいだろ、で、お前の名前は?」

 

 茶髪イケメンこと綾小路が俺の方を一切向かずに黒髪美少女に話しかける。

 

 あれえ?もしかして俺、無視されてる?俺を存在しなかったものとして会話を続ける気なんだろうか?泣きそう。

 

「拒否しても構わないかしら」

「1年間、お互い名前を知らずに過ごすのは居心地が悪いと思うけどな」

「私はそうは思わないわ……でも、これ以上無駄な話を続けたくないから………私は堀北鈴音よ」

 

 黒髪美少女……いや、堀北はそう言って無駄な話は終わりと言わんばかりに本を開いて読み始める。本の題名は『罪と罰』。

 

 ……いい題名だ。お前達二人は俺を無視した罪と罰を負うべきだと思うんだよ俺は。……でも許す。だって、あいつら多分まだ会ってから対して経ってない……つまりリア充ではないだろうから。やったぜひゃっほい

 

 ……それから数分後、チャイムがなり、ほぼ同時にスーツを着た先生と思われる女性が入ってきた。

 年は30歳前後、髪はポニーテール調にまとめられていて、見た目的には仕事人間って感じのしっかりしているイメージができる。多分あの先生は結婚できない系だわ可哀想にお疲れ様。

 

 先生の名は茶柱。茶柱曰く、この学校は普通の学校と異なる部分が存在しており、生徒全員は敷地内の寮での生活を義務付けられ、在学中外部との連絡が特例を除き禁止されている。さらに3年間クラス替えはない。また、Sシステムという特殊なシステムも存在しており、配られた学生カードの中に入っている電子マネーのようなポイントを消費して施設を利用したり買い物ができる。ちなみに敷地内で買えないものはないとされている。さらに、入学した生徒達はそれだけの価値がある、と初めから10万ポイントを生徒達全員のカードに入れてあり、一ポイントは一円と同義、尚、毎月一日にポイントは再配布される。と説明を受けた。

 

 うーんつまり政府は、俺はクソガキじゃないがクソガキ共に10万円を渡したってことだろ?経済を必死に回してる連中が?税金をむしり取っていくあの連中がか?おかしいだろ……単純計算で10万×36=360万。一人当たり3年間で360万配るとして、この学校の生徒数は500をとうに超えているはず、……正確な数値がわからないから700ぐらいと仮定して計算すると……25億2000万……しかもこれを今までずっと続けていた、と。政府は一体何億ここにつぎ込んだんだ?政府も流石にそんな馬鹿じゃねえだろ?……ってことは何かがある、筈。

 

 ……あーそういやさっき茶柱実力で生徒を測る、みたいなこと言ってたなー。実力いこーる価値だとすると、実力がゴミだって判断されたら価値がさがる。で、入学を果たした俺たちの今の価値は10万円分でも、価値が下がれば貰えるポイントも減る。あーなるほどー流石俺天才だぜ。茶柱は毎月10万もらえるなんて言ってなかったしな。

 

「皆、少し話を聞いてもらってもいいかな?」

 

 そんなことを考えていた俺の意識を現実へと戻したのは、突然立ち上がった如何にも優等生といった感じのイケメン野郎の声だった。

 

「僕らは今日から3年間、同じクラスで過ごすわけだし、今から自発的に自己紹介をしていかないかい?一日も早くみんなが友達になれたらと思うんだけど、どうかな?」

 

 そう言ってその野郎は教室内を見渡し始める……少ししてから一人の女子が同意し、それを火種にみんなが私も、僕もと賛成していく。

 

「僕の名前は平田洋介。気軽に下の名前で呼んでくれると嬉しいかな。趣味はスポーツ全般、特にサッカーが好きで、この学校でもサッカーをするつもりなんだ。よろしく」 

 

 提案をした男……平田は非の打ちどころのない完璧な自己紹介をすらすらと終えた。

 

 ……やっぱりな、俺は一眼見た時からわかってたんだ。あいつはサッカーをやってる奴だって。だってあいつの顔、サッカーしてそうな顔してるもん。……というか全く関係ないけどあいつキャーキャー言われすぎじゃね?そりゃあ俺よりイケメンじゃなくとも俺もあいつはイケメンだと思うが…… ほら、見てみろよ。もう既に隣の席の女子が目をハートにして平田を見てやがる。流石におかしいだろ……平田は絶対チート使ってる。異論は認めたくない。

 

「端から自己紹介を始めてもらいたいんだけど……いいかな?」

 

 俺がそんなくだらない事を考えてる中、平田は端の席に座る女に確認を取る。……おい誰だよ俺が考えてたことくだらないとか言いやがった奴……俺じゃねえか殴るぞ俺。

 

 ──少ししてから、端に座っていた女……井の頭は少し緊張しながらも周囲に励まされ自己紹介を終えた。その後も自己紹介はつつがなく進行していき、山内春樹とかいう馬鹿なのかお調子者なのかわからない男、櫛田桔梗という、さっきバスで共闘した美少女。キレ散らかして教室から退散していった赤髪のヤンキー、他にも池寛治というイケメンつまり俺嫌いの男や、高円寺六助という、さっきバスで俺に名前を聞いてきた危険な奴……等々、変gi……いや、中々個性的なクラスメイトだという事がわかった。

 

 どうやら次は俺の番のようで、皆が俺の自己紹介への耳をすましている。

 

「俺の名前は流川快斗。世界一優しくて天才でイケメンとかいう完璧人間なんで、皆さん俺を頼ってください」

 

 そう言い終えて周囲を見渡してみるとクラスの半数以上が俺を虫を見る目で見てきていた。これはひどい、いじめですね。あなた達を名誉毀損罪と器物損壊罪で訴えます!理由はもちろんお分かりですね?あなた達が俺をこんな目で見つめ、俺の心を破壊したからです!覚悟の準備をしておいて下さ(ry

 

 ……母さん、父さん。あなたの息子はもうすぐ害虫として駆除されるかもしれません。

 

 ……その時、俺を駆除しようと業者を呼ばれるかもしれない空気になったのを変えようとしたのか、次の人へと平田が自己紹介を促し始める。

 正直言ってありがたい。あのままゴキブリみたいに駆除されたくなかったからな。

 

「えっと……綾小路清隆です。えー、得意なことはありませんが、皆と仲良く慣れるよう頑張ります。よろしくお願いします」 

 

 どうやら俺の次の番だったらしい綾小路が自己紹介を終え、座った途端、教室に微妙な空気が流れ始める。

 

 ……ああうん、俺よりましだけど空気が微妙になったぞ。誰か空気清浄機持ってこい。

 可哀想なことに綾小路の自己紹介はクラスで一番最後、つまりさっきの様に生きる空気清浄機平田が空気を変える事はできないということ。

 この空気に耐えられなくなったのか、それとも同情なのか、そんな綾小路へとパラパラと拍手が送られる。

 

 ……ど、どんまいだ綾小路。

 

 

 




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