神様転生自己満海賊   作:YADANAKA

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捏造あるよ〜探してみてねーw


じゅうわ

「さて、どうしましょうか」

 

血を流してうつ伏せに倒れているアイト。そんな光景を見ながら悩む女性がいた。

 

その女性はまごうことなく美女であり、服は全てが白で統一されていて特徴的なのはそれぐらいであった。戦場にはまるで似合わない格好をしている彼女は何者だろうか。

 

ーーーーーー

同じ頃、アイト達がシャボンディ諸島で戦闘をしているとき、マリンフォードにおいても動きがあった。

 

ここはマリンフォードの元帥室。普段ならセンゴクが胃薬と茶菓子片手に茶を啜る場所である。

 

根が真面目な彼にとって、同期の2人に振り回されずに済むここは唯一の安息地であった。

 

そう、安息地であったのである。

 

「どういうつもりじゃぁ!センゴク!」

 

「事と次第によっては、お前と言えど容赦せんぞ」

 

元帥室の防壁である障子や襖を破壊してズカズカとやってくる二人組。ガープとゼファーは側から見ても、いや、見なくとも不機嫌なことは間違いなかった。

 

「まぁ来るとは思っていたがな………鶴ちゃんは居ないのか?」

 

「フン!鶴ちゃんならとっくに出港の準備をしとるわい!」

 

「俺らがここに来たのは────言わなくても分かるよな…センゴク?」

 

扉の前の護衛達を外しておいて正解だったと思いながら、センゴクはゆっくりと立ち上がり、出来る限り落ち着いた声色で話した。

 

「アイト達を奴らの討伐に送ったのは私ではない。私よりも上の存在───世界政府だ」

 

「……!!じゃろうな!容易に予想がつくわい!アイトはまだまだ全ての面が発展途上!今のうちに刷り込ませる腹か!!!」

 

「センゴク………まさか、我が身可愛さにしたわけじゃなかろうな?アイトを操り人形にでも──」

 

「当たり前だ。私にとってもアイトは孫のような存在。あんな良い奴が海軍にいるか?死なせるわけにはいかん。だから私は粘った。粘って粘って粘って…!なんとか勝ち得たんだ!」

 

そう言ってセンゴクは机の引き出しから何かを引っ張り出した。そこに明記されていたのは────

 

 

ーーーーーー

 

時を同じくしてここはマリンフォードの湾岸線。ここには普段から巨大な軍艦が数十隻配備されている。

 

そんな軍艦の中でも2隻ほどが出港しようとしていた。1つは鶴率いる部隊。もう1つは───

 

「モモンガ!行く気か!?」

 

「!オニグモか。…当然だ。今のアイトには厳しい相手だからな。」

 

「勝手に軍の私物を利用した場合どうなるか、知らないお前じゃあるまい!俺も行くぞ!」

 

「…………何を言っている?」

 

モモンガはアイトとある出来事以来、とても懇意にしていた。そしてそれは他の時期中将達も同じだった。

 

あの気難しく、真面目で、取り付きにくくて、後輩との交流は愚か、同輩の者ともそこまで話さないあのモモンガが、アイトという若者と仲良くしていると。

 

それを聞いた時期中将達もアイトの事に興味が湧き、仲良くなったのは当然だったのだろう。

 

「俺がお前の罪を少しでも軽くしてやると言ったんだ!俺はお前のような真面目と言うよりかは、不真面目だ!なら少しでも軽くなるだろう!」

 

「お前……。すまんな。手を貸してくれ」

 

モモンガと2人でここまで真剣に話すのは初めてだなと思いながら、オニグモは自分の部隊と同期の部隊の中で動ける者共を全員載せた。

 

そんな2人を見ながら「罪を被るのはあたしだけにしないとね」と、独りごちるものがいた。それは勿論、鶴である。

 

「あんたら!ダラダラしてる暇はないよ!すぐに船を出しな!先に行くよ!」

 

「「はっ!」」

 

 

「アイトを助ける」ただそれだけの事に海軍の重鎮だけでなく仲間も動いていた。アイトが知ればとても喜んだことだろう。

 

最もそもそもの原因を知らなければ…………かもしれないが。

 

ーーーーーー

時間を遡ってアイト達が出航するさらに前。ガープにボコされている時間にまで遡る。

 

「それを私が?」

 

ここは聖地マリージョア。天竜人や、世界会議に出席する国王でもなければ、入る事は許されない場所。

 

そして今ここで発言しているのはその誰でもなかった。

 

「いくらなんでも警戒しすぎでは?確かに彼は恐ろしい速度で成長しています。ですが、彼を確実に引き入れるなら、時間をかけるべきです。少しずつ侵食していく方が確実で───」

 

「君に意見を求めている訳では無い。忘れたのか?自分の立場を。君がすべきことはなんだね?」

 

麗しい美女に対して冷淡な言葉をぶつけるこの男、いや、この男達は世界を牛耳る存在。

 

「っ!……申し訳ありませんでした」

 

「よろしい。君達は我々の言うことを聞いていれば良い。組織に必要なのは、円滑な行動と残忍な行動だ。今回の件に関しては君ほど冷静な判断が出来るのがいなさそうでね───頼んだよ」

 

 

退出し廊下を歩く音が響く。カツカツと硬質な音を強く出しながらその美女は若干の苛立ちを晴らしていた。

 

(なんで私がこんなことを……いいえ、違うわ。私だから任されたのよ。そう考えましょう。)

 

彼女は生まれてから常に鍛えて、学んで、政府のために生きてきた。努力を怠らず、磨けるものはなんでも磨いた。容姿もその一つだ。

 

今まで揺らぐことなく政府の為に働いてきた彼女だが、今回の件に関しては納得がいかなかった。

 

この程度の任務をCP9の私にやらせるのか。そうは思ったが、すぐに頭を別の方向に向かわせる。

 

彼女の名は「ステューシー」CP9の現リーダーである。

 

 

「にしても、この子結構タイプね。───どさくさに紛れて奪っちゃおうかしら…一応彼女にも連絡しておきましょう」

 

そう独り言を言って彼女はガープの筆跡を真似て指令書を書き、海軍に忍び込んでいる部下に渡すように指示をした。

 

後は船に忍び込んで待つだけである。任務の成功を確信しながら彼女は来る時まで待つことにした。

 

ーーーーーー

 

ここで物語は最初に戻る。

 

「(今回の私の任務は「アイト」という将来の火種をどうにかすること。方法は問われてない。殺しても良し、絶望を味あわせてもよし、貞操を奪ってもよし…)さて、どうしましょうか」

 

目の前にはお腹のど真ん中を貫かれたアイト。当然このまま放って置けば彼はここまでの命。

 

任務は生死を問わない。むしろ死んでしまえばステューシーとしては楽なことに変わりはない。

 

しかし、彼を生かすことで得られる利益は大きい。20歳にして六式を習得し、覇気も基礎は完全に身につけている。

 

今の時点でも海軍本部大佐よりも余裕で強い。ゆくゆくは本部大将になることは間違いない。

 

それだけの戦力を捨てるのは勿体ない。味方に引き込めればかなり利益が見込める。それも代わりが存在しないようなものにだ。

 

難しいのは上手く味方にできるかどうか。失敗すれば海軍はより力を増す。赤犬のような性格なら良いが、彼はその赤犬の真反対の性格。

 

市民や仲間が大事な海兵。戦力を海軍内で分散させることが出来るかもしれないが、赤犬の対抗馬としては彼と似たような思考の青雉がいる。

 

故に政府に牙を剥く可能性が高い彼は引き込めるなら引き込んで、ダメなら途中からでも消す。

 

そう結論づけたステューシーはすぐさま処置を開始した。

 

止血を行い、応急処置を的確にしていく。後は服装を変えて一般人を装って起こすだけ。

 

「海兵さん!海兵さん!大丈夫ですか!?」

 

反応がない。ただの屍のようだ。

 

ステューシーは一瞬そう思ったが、すぐに頭を切りかえてアイトの顔面を平手打ち。

 

「ぶへぃ!?!?」

 

「大丈夫ですか!?動けますか!?」

 

「あっ…ああ、大丈夫。助かり────!?」

 

「?どうかしましたか?」

 

「───はっ!?すっすいません。美しすぎて魅入ってしまいました。治療ありがとうございます!ここは危ないので貴方は直ぐに離れてください!」

 

そういうとアイトはすぐさま走り出した。

 

その背中をステューシーは呆気に取られて見つめていた。

 

本来なら直ぐにでも取り込む予定だったが、それが出来なかったのだ。

 

アイトが素でポロッと言ってしまった言葉。「美しすぎて魅入ってしまいました」のせいである。

 

立場上、心の裏を読むことも多々あるステューシー(CP)なだけに、真っ直ぐ向けられた言葉に面食らったのだ。

 

(……彼を引き込むのはまたにしましょう。もっとも外堀は少しずつ埋めるけれどね)

 

その後彼女は忽然と姿を消した。

 

ーーーーーー

 

場面は戻って元帥室になる。

 

センゴクが彼らに提示した条件。それは────

 

「紙にはこう明記させた。【女性のCP9を派遣すること】アイトの容姿は保護欲が湧くものだ。不思議とな。こんな不明確なものとは言え、アイトは不思議と人を惹き付ける魅“力”がある。有望株の者共は勿論、異性からもだ。CPの中には厄介な奴が多い。その点、女性ならそこまでの異常者、操り人形はいない。彼女らは男と比べて評価が平均的に低い。その事に無自覚とはいえ、不満を覚えているはずだ。SWORDからそう連絡があった。それに何人かがもう向かっているのだろう?彼らの事だ確実に助けるだろうし、アイトがこの程度で命を落とすはずがない!」

 

「──賭けおったな。センゴク……」

 

「…となると俺らは留守役ってことか?」

 

「…お前達に伝えなかったことに関してはすまなかった。だが、それ以外に思いつかなかったんだ。こういった争いにはお前たちは向いていないからな」

 

遠い水平線上を見て、センゴクは強く思う。彼は、アイトならば、彼女らならば、必ず乗り越えられると。

 

ーーーーーー

 

その頃ステューシーによる応急処置により、意識を取り戻したアイトはシャボン玉に乗っかっていた。

 

決してふざけているわけではない。いきなり目の前に原作キャラ・ステューシー(超絶美魔女)が現れたら、パニくるのは当然。

 

そこで気持ちを落ち着かせるために月歩を使ってシャボン玉の上に登り、そのまま現状の確認を行っているというわけだ。

 

「(まさかステューシーが現れるとは……いや、いまはそれどころじゃない!クライムは────)そこか!!」

 

アイトの目線の先には海賊たちを指揮するクライムの姿があった。運が良かったのか、クライム自身は戦闘をしていなかった。

 

それと遠くのためはっきりと判別が出来ないが、長髪の女性らしき人物が無双している。お陰で部下の海兵達や民間人は追い込まれつつも均衡を保ちつつあった。

 

流石はガープの部下達であり、グランドライン前半最後の島のような位置にあるシャボンディ諸島の住民なだけはある。

 

もっとも、住民が強いのはここの近くに無法地帯があるための護身術であるが。

 

とはいえ、なかなか倒せない事にイラついたのか、クライムが抜きみの刀を持ち前線に向かい始めていた。

 

「させるかぁ!!─────あ、れ……」

 

当然クライムを倒さんと覇気を手足に纏って飛び込もうとしたが、血を流しすぎていた為にアイトは地面に墜落してしまった。

 

「(クッソ!!がぁ!…………動けよ!腹に穴が空いたからって!!!…このまま見過ごす事を許したら……!!俺は自分を許せなくなる!!そんなことぐらい!俺が!自分が!1番わかってるだろうが!助けるんだろうが!全部!皆を!仲間を!市民を!…………動けよ。動け。動け!動け!!動けよ俺の体!動くんだよ!!!)────うっぉぉぉぉおお!!……ああ!!!」

 

それでもアイトはすぐに立ち上がった。しかし様子が変わっていた。目の焦点は定まらず、全身を蒼い覇気で覆われた姿へと変貌していた。

 

周囲にただならぬ威圧感を放ち、近くの者の全ての意識を奪う。その姿はまるで鬼。角はないが全てを破壊する恐怖の姿を連想させる。

 

しかしそれはおかしな話しであった。ステューシーによる的確な応急処置があったとしても、そもそも血を流しすぎていては人間は動けなくなる。

 

そしてアイトの体の中には血が半分しか無かった。3分の1が抜ければそれでほぼほぼ人間は死ぬはずなのにである。

 

止血した時点、いや、ステューシーがそこに来るまでにもう残る血液は3分の1に迫っていた。

 

それなのに、アイトは立ち上がった。

 

「グぉおおおーーーー!!!!」

 

雄叫びと共に駆け出し海賊達に迫り、気づかれることなく首を羽根飛ばした。僅かな音に海賊達が後ろを向くが、関係ない。

 

手当り次第に次々と海賊達を葬り去る。あっという間にクライムの前に、仲間の前に辿り着いた。

 

本能からか、記憶からか、それとも偶然の産物なのか、アイトは迷うことなくクライムに襲いかかった。

 

(モウイヤナンダ!!!!)

ーーーーーーー

 

シャボンディ諸島でアイトが蹂躙をしている時、こちらの戦いはクライマックスを迎えていた。

 

「何にせよ、ここまでよ。一気に勝負を決めさせてもらうわ」

 

「それはこっちのセリフなんだなぁ!」

 

雪を舞わせたモネに向かってトンブがタックルをしてくる。モネは雪となりそのままその雪をトンブに弾丸のようにぶつけた。

 

トンブは自分の長所を自慢にできるからか上機嫌になって「きかーん!」とかなんとか言って突っ込んでくる。

 

得意気で誇らしげな顔だが、間も無くその顔は驚愕に満ちた物へと変化した。

 

「いった!?痛たた!!??」

 

突然の痛みにトンブは我慢出来ずに急停止して横っ飛びで回避する。

 

「なっなんなんだなぁ!?なんで痛いんだなぁ!?!?」

 

「あら?どうしたのかしら?もう限界なの?」

 

「っ!なわけないんだなぁ!!いくぞぉー!!」

 

そう言って再びタックルをかましてくるトンブ。対するモネは雪垣(ゆきがき)を真っ直ぐに何十に重ねる。

 

トンブは止まることなく次々と突き破るが、“黒い壁”にぶつかった瞬間に勢いが止められてしまう。

 

「なっなんなんだなぁ!?なんで壊せないんだなぁ!?!?」

 

困惑して叫ぶトンブだが、モネがその隙を逃す筈がない。

 

「万年雪!!」

 

「おっおわぁー!?つっづめだぃぃ!?」

 

すかさず動きを封じてトドメを刺そうと見せかける。

 

「たびら雪 蕾閉じ!!」

 

トンブの足元の雪が開花した蕾のようになり、トンブの背丈の高さになった。その瞬間トンブもろとも握り潰すかのように閉じる。

 

「ひっ!ひぃぃ!!にっ逃げるんだなぁ!!!」

 

足をもぎり取られるような感覚を受けたトンブは堪らずダイアルを使って強行突破する。

 

しかし、それこそがモネの狙いだった。

 

空へと逃げたトンブの足の裏はもう既に何も付いてなかった。

 

「よくもやってくれたんだなぁ!!喰らうんだなぁ!!メテオヘッドタックルぅ!!!───へ?」

 

その結果トンブはただ落ちていった。

 

「ぶひぃ!?なっなんでなんだなぁ!?!?」

 

その原因にトンブは気付くことはなく、ただ叫ぶことしか出来なかった。

 

「(分かってたけど、ネーミングセンス皆無ね)…………あなた、鈍感なの?アイトと良い勝負しそうね……」

 

「う、うるさいんだなぁ!!まだ腕があるんだなぁ!!」

 

「そっ」

 

トンブが腕を振り上げると同時にモネは雪となり、複数層のかまくらを形成して閉じ込める。

 

「これならどう?」

 

その後トンブは凍死した状態で発見されることとなる。どこか安心しているような雰囲気の顔がまた不気味であった。

 

ーーーーーーー

 

海賊船上の戦闘もまた終わりを迎えていた。

 

「あなた本当に懸賞金1億越えの海賊なの?実力的には9000万が良いとこだと思うけど」

 

「フン!お前には関係の無い事だろうが!っていうか──なんなんだこの体は!?!?!?」

 

そう言って叫ぶ子供。顔を見なければ判断出来ないだろうが、この子供、間違いなく、フィアルである。

 

枝から抜け出し攻撃した後、アインはピンクの玉を連射。数発当たった結果、フィアルはあっさり子供に若返った。

 

現在彼はアインの部下達により海楼石の鎖で完全に拘束され、地下牢に運び込まれようとしていた。

 

「お前まじで何しやがった!?さっさと戻せ!!」

 

「さぁ?敵のあなたにわざわざ教えるわけないでしょう?それに、あなたがよく分からない能力じゃなかったら、こんな事にはならなかったわよ」

 

フィアルの悪魔の実の名前は【エダエダの実】自然系なのか、超人系なのかの判別がパッと見できない。

 

最初から使ってればここまで怪我することはなかったわねっと、アインは後始末をしていく。

 

フィアルが捨て台詞を吐いているようだが、生憎とアインの耳には一切入っていない。

 

アインの頭の中にはもう既にフィアルの事は少ししか無い。アイトの事以外等、すぐに消してしまうのが彼女なのである。

 

「(なにか嫌な予感がする。さっきの奴は正直いって弱かった。覇気の感じからして、そこまで強くは無いと思ったけど、まさかここまで弱いなんて……危険性により懸賞金は決定される。ならあの実力でなぜ億超に?──後で調べてみましょう)モネはどうなったのか分かる?」

 

「先程連絡が入ってトンブ含め、乗り込んできた海賊達の撃破、拘束に成功したとのことです!現在は負傷者の介護並びにアイト中尉の増援を送る準備をしています!」

 

「流石ね。私達も制圧完了次第そうしましょう。急ぐわよ!」

 

『はっ!!』

 

 




たびら雪ってのは端的に言うとでかい塊の雪です。調べたらそんな感じやったのよねぃ。

ナミはヒロイン?

  • ナミも嫁入りだ!
  • ナミはヒロインにしない方が良い
  • アインはリアルだと巨乳だ!
  • モネは原作のように半獣半人にすべきだ!

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