カノジョ探しの異世界行   作:もっち~!

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魔王2号降臨

---九内伯斗---

 

「なぁ、そろそろ蓮ちゃんを呼べるか?」

 

案の定、期待した目で俺を見つめるツバサ。

 

「いや、最初に呼び出すのは違うヤツだ」

 

馬車を降り、ツバサの視線から外れた。先ほど、脳内で

 

『《側近召喚》が解放されました』

 

と、聞こえたのだった。馬車の向こうを見ると、ツバサが亜空間収納からロッジを取り出し、殲滅した狼達を教え子と共に解体しだした。

 

ツバサが見ていない今がチャンスである。俺は《側近召喚》で白衣の女性と冴え無い中年男を呼び出した。

 

白衣の女性は桐野 悠。マッドな医者である。指を医療機器に変えて治療する【神の手】というスキルを持つ。冴え無い中年男は田原 勇。見た目は冴え無い中年であるが、設定年齢は31歳でアラサーに足を踏み入れた程度である。こいつは銃器に愛された男であると同時に、天才的な頭脳持ちである。

 

「長官、ここは新たな会場ですか?」

 

この二人は俺をッ長官と呼ぶ。会場とは「GAME」内のステージのことだ。

 

「いや、ここは…」

 

これまでの状況を二人に説明した。

 

「で、鬼畜がいるんですね」

 

田原がツバサを見ながら言った。魔法の存在しな「GAME」内において、プレイヤースキルとして唯一魔法を行使していた為、ツバサは田原達、俺の側近達から「鬼畜」と呼ばれていた。勿論、蓮からもである。

 

「はぁ?なんで田原とマッド女なんだ?蓮はどうした?」

 

ツバサが俺に対峙したが、側近達は傍観している。ツバサの蓮好きは側近達にも浸透していたのだ。

 

「最初に連を呼び出したら、俺の側近にならんだろ?」

 

ツバサがセクハラをし、連を俺から奪い、ツバサの側近してしまうだろう。

 

「まぁ、田原には頭脳労働してもらい、悠には医療行為だな」

 

何かを諦めたような表情のツバサ。

 

「次は頼むぞ、ロリテイマー君♪丁度いいや、悠も解体を手伝ってや~」

 

ロッジに悠を連れ込むツバサ。解体が終わると、今日はロッジに宿泊をするという。

 

 

 

---ツバサ---

 

舗装していない道を進むと聖女ルナの領地である兎人族の村「ラビの村」に辿り着いた。この国は人間至上主義であるが、聖女特権で亜人の村を起こしたそうだ。亜人との共存をめざしているルナ。話をきいたロリテイマーが、村おこしをすると言い出したのだ。その為の人材が、先の悠であり、田原である。

 

「この荒野にオアシスを作ろうと思う。ツバサも協力してくれるよな?」

 

「次は蓮だぞ」

 

次の召喚枠に連をねじ込む俺。蓮の胸の大きさは理想的なのだ。伯斗はロリテイマーなので、その良さが分からないのだろう。

 

伯斗は水の涸れる事の無い井戸を数基設置し、痩せた畑の土を俺が呼び出したチームカタリナに栄養豊かな土にかえていく。伯斗は高度医療センターと温泉旅館を設置し、悠と田原に運営を任せた。

 

伯斗の構想は、この地をこの大陸のリゾート地に変えるらしい。リゾート地の経営者なら、魔王認定はされないだろうから、俺も協力をしようかな。協力代として、アルメリア公国にも温泉旅館を設置してもらった。伯斗の設置した温泉旅館は、1日に1回消耗品が補填されるシステムで、この世界では高級品である石けん、塩、温泉まんじゅうなどが自動で補充されるのだった。

 

「久しぶりの温泉まんじゅうだぁ~」

 

セイ、マイルの食べっぷりが凄いが、ウェルカムスィートな為、一気に大量には出ない。食べきったら、翌日にならないと補充はされない。そんな中、ユナは温泉まんじゅう作りに挑戦し始めた。

 

保養リゾート「ラビ」はルナの親しい貴族を中心に、今後人気を得ていくらしい。田原とナノちゃんの計算では…

 

 

大野君事案は彼らに任せて、俺達は砂の除去作業に戻って数日、突然地震に見舞われた。折角除去して箇所に砂の津波が押し寄せ、また埋まってしまったようだ。あぁ、医療機器はラビの村で手に入るからいいとして、この地震は臨界した世界があったのだろうな。発掘していた全員で森の館に避難し、臨界した大陸について情報をあつめることにした。

 

 

 

---鈴木一郎---

 

後輩が失踪して、彼女の仕事まで俺が面倒を見ることになり、会社に泊まり込みで納品を間に合わせていく。もう何日家にかえっていないのだろうか。

 

いつものように、仕事の合間に机の下で仮眠を取って目覚めると、今作っているゲームのインターフェースが見えていた。あれ?机の下でなく、開発用のマシンの前で寝落ちしたんだっけ?意識が朦朧として、目の前に表示する【流星雨】をポッチとしてみると、轟音と共に、星々が地上に向けて降り注いだ。ドラゴン達の叫び声が至る処から聞こえて来た。こんなにリアルに作り込んだっけ?

 

「おい1お前、なにをしたんだ?!」

 

背後から、俺のよく知る声が聞こえた。振り返ると、出向先の会社社長の令息である神野翼氏がいた。

 

「あのゲームでは【流星雨】はボツになっただろう?それすら覚えていないのか?」

 

彼は怒り心頭のようである。何故?

 

 

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