カノジョ探しの異世界行   作:もっち~!

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殲滅者、知らないうちに駐在大使になる

 

---ツバサ---

 

数日後、ゼロス達を迎えに行った。この森の館で一週間の合宿形式で教えようと思った。まだ、あの大貴族から住処も土地も貰えていないからだ。

 

「なんじゃ、ここは…」

 

死の森に降り立ったクレストン・ヴァン・ソリステア元公爵が叫び声を上げた。森の屋敷は鬱蒼とした世界樹の木々に覆われ、おどろおどろしい雰囲気を醸し出していた。

 

「これが俺の屋敷で、ティーナの合宿先だよ」

 

ゼロスを迎えに行くとグレストンの孫娘のセレスティーナの他に、保護者枠で。爺のクレストンが付いてくると言う。ゼロスはケーナ達によりドナドナされ、森の奥地へと消えていった。まったく、あのバトルジャンキー達め…

 

取り敢えず、館の中にご案内。応接間に通し、あぁ、玄関で靴を脱ぐ習慣が無いようで、爺が土足で上がろうとして、セイに叩かれていた。そして、セイに小一時間、この家のルールをレクチャーと言う小言を言われ、爺は既にグロッキー状態である。聖女の小言って精神ダメージが入るようだ。

 

玉露で入れたお茶と温泉まんじゅうを出すと、貴族の二人が唸って味わっていた。

 

「ゼロスに魔力操作は習ったんだね」

 

ゼロスの教えたことを確認するようにティーナに声を掛けた。

 

「はい。『トーチ』」

 

彼女の指先に小さな灯が灯る。

 

「じゃ、魔力制御は?」

 

俺は指先に五色の灯火を発現させた。

 

「凄い。無詠唱で、きれい…それは、どうやるんですか?」

 

魔法はイメージである。それぞれの灯火で燃える物質を変えているだけで。花火の発色に似た原理である。

 

魔術は術式というフローチャートで結果として魔法を発現するのだ。スタートに難の属性で起動するかで、結果が変わる。灯火の術式を水属性で起動しても、何もおこらない。水で発火する物質をイメージすれば、灯火になるかもしいれないが。

 

「これが門外不出の術式の原理だよ」

 

一冊の書物をティーナに見せた。それは「ソード・アンド・ソーサリス」の設定資料の複製である。働いていた会社の建物発掘して、資料を複製したのだ。今後役立つ機会があると思って。

 

あのゲームの設定は俺が関わったので、所々虫食い状態だった資料を改定してながら複製したのだ。あの会社では腐食耐性の強い紙に記録していた。人工羊皮紙である。義父はこうなることを予測して、あんな描きにくい紙に記録させていたのか。

 

「おい。なんで古代語の書物ばかりなのだ?」

 

爺に訊かれた。現在、書庫でティーナにレクチャーしていた。

 

「或る意味、俺達が古代人だからだな」

 

日本人は古代人にあたるだろう。この世界では。ティーナには彼女の読める言語で書かれたフローチャート入門を見せている。

 

「ここはどこなんじゃ?」

 

爺に訊かれた。

 

「トキオ共和国の王都になるのかな?家が一軒しかないけどね」

 

「場所は?」

 

「禁足地って言えば分かるかな?」

 

「禁足地じゃとぉぉ~!魔王国、龍王国によって封印されておるという」

 

あの国にはそう伝わっているのかな。

 

「その二国とは友好条約を締結しているよ」

 

「お主の立場は?」

 

「たちば?国王になるのかな?ここには俺の家しかないし」

 

「こ、こくおうじゃとぉぉ~!」

 

一々五月蠅いなぁ、この爺は…

 

「我が国とも友好条約を結んでくれぬか?」

 

「断る。メリットがない。まぁ、ウチの商会の支店を設置する予定だけどな」

 

「商会?」

 

「あぁ、エチゴヤだよ」

 

爺が白目を剥きだし驚いている。

 

「あのSSランクの商会かァァァァァ~!」

 

世界樹でランクを上げただけだがな。

 

「そうそう」

 

「では、、貴様が会頭になるのじゃな」

 

何かを考え込む爺、クレストン。

 

「わかった支店の場所は確保しよう。それを持って友好の証とできんじゃだろうか?」

 

「あぁ、ゼロス君の住処に近い処にしてくれ。彼を駐在大使にするから」

 

「分かったのじゃ」

 

 

 

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