---クレストン老---
目の前に、この街の魔導具屋の店主ベラドンナがいる。
「なぁ最近見かけるようになった、ベヒモスの皮のローブの男と、知らない素材のジャケットの男は何者だい?」
あの汚らしいローブはベヒモスの皮だったのか…
「ジャケットの男はトキオ共和国の国王で、エチゴヤの会頭で、ローブの方は、トキオ共和国の駐在大使じゃ」
「トキオ共和国?聞かない国名だね、新興国かい?」
「どうなんじゃろ…場所は禁足地だそうじゃ」
「禁足地だと?魔王なのか?」
「魔王国とは友好関係らしい。魔王かどうかはわからんが、古代人の末裔らしい」
「古代人?証拠はあるのかい?」
「彼奴の館には古代語の書物が大量にあったんじゃ」
「それは欲しいなぁ。接収できんのか?」
「無理じゃな。教皇領と友好をむすんでおる。そもそも敵にしたら、我が国では勝てん。テンタクルやワイバーンが食卓に乗る家のヤツラじゃ、それに未知の素材をあつかっておる」
あの素材のサンプルを見せた。
「これ、どう足掻いても加工できん」
「なんだ、これは…鑑定出来ないアイテムだと…技術を貰えないのか?」
「企業秘密のようじゃ。どうしても欲しいなら、お主が貰って来い」
「そうしようか」
翌朝、石化したベラドンナが届けられた。
『ふざけた真似はこれでおしまいな。次はないぞ』
とメッセージ付きで…コイツ、何をしたんじゃ?
---ツバサ---
サンドールの街の魔導具屋の件は、商業ギルド本部と錬金術師ギルドの本部に通報した。謎の生地の秘密に迫りたいからと、強盗に入るとは、あさはかである。家に侵入する前にコカトリス番犬隊にボコられての石化で御用となった。侵入できたとしても、人体実験の材料になったかもだ。どちらが幸せなんだろうか。
「頼みがあるんだが」
ゼロス君の前にバイクを数台置いた。
「地下遺跡でバイク屋を見つけてね。コレの発動機をこの世界で使える様にしてもらいらい」
ここにはガソリンがない為、造形美鑑賞という目の保養にしかならない。
「いいですよ。研究は楽しいですよね。要は魔石受電地で、ピストン運動が出来れば良いんですね」
「そういうことだ。あとは、タイヤの代用品の開発だな。自転車のメカの部分は魔女の息子の鍛冶職人が目処をたててくれている」
本当は俺が研究開発したいのだが、忙しくて断念した。
「ゴムの代用品ですね。ゴムの木を探すのが早そうですね」
ゴムの木はまだ見つけていない。強奪でも取り寄せられていない。きっと、形態が地球と違うのだろう。
「後、頼まれていた薬草はここに置いておくよ」
なんかのの薬剤を作るようだ。まぁ、結果は自己責任だな。
◇
教皇の婆から指名依頼。どんだけふんだくるかな。仲間が増え、資金が減っているらしい。伯斗のところから徴税するかな。いや、クレストンの爺から公共大型工事が受注出来れば、潤いそうだが。
「うん?聖光国と友好条約を締結しろって?その国はどこだ?」
話を訊けば、伯斗の村のある国のようだ。
「ルナって聖女の治める村は、仲間が運営しているぞ」
「では、魔王は仲間なのか?」
「魔王って誰?ルナの姉の世紀末聖女か?」
「GEME」のキャラにぴったりだ。あれをラスボスにすれば、違うファン層もゲットできただろうな…
「あの国の三聖女の長女が、お前の仲間が三女の聖女を手懐け、貴族も次々と手中に収め、国が征服されるのではと、恐れているのじゃ」
「あぁ、そう言えば、この前、その国の聖都で悪魔を退治したんだ。それを侵略と勘違いしたんじゃないの?」
「あの国に悪魔がか?」
「あの国の天使も碌な物じゃないぞ。天使の像が呪われていたし、国民も腐っているのが多そうだ。大掃除した方がいいぞ」
「取り敢えず、儂の名代として、長女と会談し、友好条約を締結してくれないかのぅ~」
「どこの国で?アルメリア公国にメリットないし。フリージア王国もメリットないし、ここ、教皇領でいいか?」
「ここじゃ、対魔王の後ろ盾にはならん。お前の共和国じゃ~!」
全然メリットがない。
「そうだ。聖女の規定ってあるのか?ルナは光属性の攻撃魔法しか出来ないようだし、その姉は、聖属性の拳持ちのようだが、治癒は出来ないだろうし」
「その国々で規定が違う。嘆かわしいことじゃ。完全に規定に合うのは、セイだけじゃ」
女性であって、聖属性で治癒が出来るが正解のようだ。さて、今回の交渉相手は如何に…