---ツバサ---
学生達には食べられる物を探させ、うちのバトルジャンキー達に猿の殲滅を指示した。そして、野営実習はサバイバル実習に変容していった。食える物は工夫して喰う。頭を使った食事の開始である。
どうしても食べられない学生達に、ツケでインスタント食品を売る。お湯を入れて三分のアレである。お湯は魔法でいくらでも作れる。後、砂時計の重要性も分かってくれたと思う。腹時計の三分は当てにはならない。
女性陣は強い。自分を囮にしてオークを誘き出し、集団で狩りをおこなっている。あの猿と重なって見える気がする。男性陣も自らを囮にし、ウルフをおびき寄せ、袋だたきにしているし。
サバイバルという極限状態で、学生達の精神は鍛え上がられていく。「サーチアンドデストロイ」猿以外の生き物は、肉に見えるらしい。猿はインスタント食品を買う為の資金に…
森の奥に踏み入れると、猿より頑強な個体が…あれって、ゴリラでは?鑑定をすると、クイーン・アリエネコンガと出た。あの猿の進化先だろうか?
群れのボスのような個体数体が、キラーエイプとやっている。こいつら、ボスになると雌雄同体になるのか?そうなると猿の惑星はメスだけでも死滅しないだろう。クイーンなボスの股間には立派な物が…俺は物体Xのせいで…うっぅぅぅ~
ドーン!
俺の欲求不満がエクスプロージョンと化し。どうやら無意識無詠唱で発動し、ご満悦なゴリラ達にに炸裂した。猿山はクレーターに。しまった。出来ないストレスをゴリラに八つ当たりしてしまった。唖然としているみんな。呆れた目で俺をみないで欲しい。
「今夜は川の字でねましょうね」
セイが優しい声で俺を宥めた。セイの胸の谷間に顔を埋める。泣き顔は学生達に見せたく無い。
「あなたしか出来ない事をやってきた結果なのよ。自信を持っていいの」
いくら自信を持っても立たない物は立たない。更に凹む俺…
「付近にまだゴリラがいるかもしれない。みんなで探すわよ」
プライドが一声掛け、話題をかえてくれた。学生達が周囲の探査を始めていく。
小一時間後、俺が俺として立ち直れた頃、ゴリラではなく、盗賊のアジトを発見したそうだ。
「ツバサさん、ボーナスステージが到来ですよ」
と、ゼロス君。バトルジャンキー達がいい笑顔をしている。学生達もだ。
「じゃ、討伐するか」
皆でアジトに向かい。一気に殲滅した。アジトの入り口には盗賊達の生首が山のように積まれている。人質というか囚われていた女性達が何人もいた。一人一人に触れ、悪女を灰にしていく。女性達の顔に戦慄が走っていく。首の無い死体も灰していく。ギルドでは首しか買い取ってくれないから。
「先生、卒業時に貰えるマジックバックは生首がどの位はいりますか?」
ティーナに質問をされた。
「そうだなぁ、50くらいかな。無理に押し込めば、押し込めばもっと入るが、顔の判別ができなくなるからね」
アルメリア公国の冒険者学校では卒業する時に、大容量のマジックバックを与えることにしている。より一層の活躍を期待してだ。ただ、残念なことにそれをお金に換えるバカ者達もいる。その対抗処置で、正式な所有者が生きている場合の所有者変更は認めておらず、その場合、変更時にロストする術式を埋め込んでいるのだった。
さて、囚われていた女性達の進路を決めるか。
「出産経験者には、孤児院、産婦人科で働いて貰う。それ以外の者は応相談で進路を決めよう」
囚われていた女性の半分くらいは経験者のようだ。
それ以外の進路は、神殿での下働き、手に職があればその道へ、最後の選択は学校への入学である。これ以外は面倒を見られないので、爺に丸投げだな。その爺はメスに囲まれたようで、青ざめた顔で震えていた。発情状態の猿は、多少の魔法に屈せずに、竿目掛けて襲ってくるらしい。そう言えば、あのゴリラは学生達の魔法や剣を弾いていたっけ。防具の素材になるかもなぁ
アジトの内部を物色していく。肉塊があれば、保護するが、このアジトには無いようだ。処分されたのか、既に売られたのか、幸い発見されていないかだな。
「あれ?懐かしいなぁ、ルーンウッドの杖がある」
とゼロス君。あれはガチャの景品では無いか?
「それは、私のです」
囚われていた冒険者風の女性の一人が所有権を主張している。それは、ゼロス君同様、プレイヤーであって、この世界に召喚された者ってことである。
「プレイヤーか?」
「えぅ…」
プレイヤーのようだ。
「君は収容所行きだよ」
その場から、消え去る女性。帰宅して尋問しないと…
「これから、学園都市に戻る。空間魔法を使える者は、順次転移をして。自信の無い者は俺達と帰還するぞ」