カノジョ探しの異世界行   作:もっち~!

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奇病の少女 Part2

 

---マイン---

 

意識が戻ると、知らない場所にいた。傍にいたトゥーリに訊くと、私の病気を治す為に移住を決めたそうだ。この地の医学は高レベルらしいのだ。どんだけ治療費を請求されたかと訊いたら、無料だと言う。胡散臭い。まさか、トゥーリの身体はもう清く無いのかな?

 

「やぁ、目覚めたようだな」

 

「…」

 

まさかの日本語で話し掛けてきた男性。転生者なのか、彼も。トゥーリを治療の為といい、部屋の外に出し、部屋には私と男性、そして、女の子が残った。

 

「俺はケン、召喚された日本人だ」

 

「私はマイル、あなたと同じ転生をした日本人です」

 

日本人が目の前に二人いる。話を訊くと、ここには後二人日本人の転生者がいて、その中の一人がこの地の領主代行をしているという。

 

「おかゆに梅干しで3日、おじやに漬物で3日、そして、和定食って予定だ」

 

あぁ~、寝たきりで胃が動いて無かったから、胃のリハビリなのか。

 

「梅干しあるんですか?」

 

「あぁ、米も味噌も、醤油もある。色々な大陸に行って、和食に合う食材を探してあるよ。転生者が多く住む地だから、和食は欠かせないだろ?」

 

口に梅干しを入れてくれた。刺激の少ない蜂蜜漬けみたいだ。美味しい。この酸っぱみ…懐かしい。目尻から暖かな物が流れ出た。これ…食べたかった。

 

「但し、毎食後に、青汁をコップ1杯飲んで貰う」

 

青汁?何の罰ゲーム?マイルさんの顔が強ばっている。罰ゲームなのね?

 

「マズいんでしょ?」

 

「あれよりマズい飲み物は知らない。センブリ茶が甘く感じるレベル」

 

それはアカンレベルでは…

 

 

このお屋敷には本が沢山あった。いや、書庫があったのだ。本好きとして、ここは最良な地である。あの青汁さえ無ければ…

 

「将来、司書になりたい」

 

頑張って青汁を飲んだあとに、ケンさんに将来の夢を言ってみた。

 

「なりたい仕事に就くのが一番だけど、マインにはヒーラーの道も進んで欲しい。マインの魔力属性って、オールラウンダーだからさぁ」

 

私に魔力があることに驚き、総ての属性の魔力が備わっていることに驚いた。そして、そのことが私の奇病の原因に繋がるそうだ。私の尾奇病は血流で言うとこの動脈瘤で、それが魔力の流れで起きたらしい。

 

「適度に毎日使わないと、また魔力の瘤が出来る。日本の知識で言えば、エコノミー症候群を想像して欲しい。キツい体勢のまま動かないでいると血栓が出来るだろ?それと同じで、魔力の流れを阻害しないで日々過ごすことが大事だよ。その予防法は魔力の圧縮方法を覚え、毎日マインドロスト近くまで魔力を使い。あの青汁を飲むことだ」

 

あの青汁がネックだな。食後に飲んだけど、あれはキツい。でも、確かに飲んだ後、胃が落ち着くと身体が軽くなっていくのだ。マズいけど、私の病気には効果があるようだ。

 

「本のことで知りたいことがあったら、このソフィアに訊いてくれ。彼女が唯一の司書だから、ソフィア、頼むよ。コイツは将来の司書候補のマインだ」

 

「はい。マインちゃん、よろしくね」

 

絹のような白い髪に、ルビーのような赤い瞳の可愛い女性が、頭をぺこりと下げた。

 

「コチラこそ、宜しくお願いします」

 

青汁以外、問題は無さそうだ。

 

 

 

---ケン---

 

冒険者ギルド本部に、マインの件の経過を報告しに来た。まだ完全に解けてはいないけど、マイルとマイン自信で、少しずつ解いている状況である。青汁の補充もしておくかな。何故か冒険者ギルドでしか取り扱いをしていない謎の青汁。レインリヒに見せたが、見た事ない飲み物らしい。

 

「じゃ、ほぼ終了だね。こちらでもあの症状を調べたのだが、『身食い』と言う症状に酷似していたよ」

 

身食いとは、平民の子供に稀に発生する魔力過多による肉体損傷で、成人まで生きられない子が殆どのようだ。貴族の子供の場合だと、幼少期から魔力操作を習う為に、発症する方が稀らしい。

 

「ところで、ランクS昇格案件があるんだが…」

 

国絡みか。面倒だな。

 

「隼人は?」

 

「ダンジョンの攻略なんだが、隼人のパーティーとは相性が良くないんだ」

 

ポップする魔物がアンデッドオンリーらしい。隼人のとこの女性メンバーはアンデッド系がNGだと言う。

 

「踏破出来なくてもいいの?」

 

「入り口からあふれ出ないように間引くのがクエスト内容だ」

 

「報酬は?」

 

「ドロップ品は貰える。換金も可で、特別価格で装備が買えるそうだ」

 

う~ん…シロとマイルはアンデッドでも大丈夫かな?

 

「パーティーメンバーと相談してみるけど、場所はどこ?」

 

「聖シュルール協和国聖都シュルールの聖シュルール教会治癒士ギルド本部だ」

 

「俺、治癒士ギルドに所属してませんけど」

 

「この際だ、入会してしまえばどうだ?」

 

「俺、宗教系はNGです」

 

神様は信じているが、それを強要する団体はNGである。八百万の神を信仰している日本人にとって、一神教などナンセンスである。色々な神様がいるのだ。どの神を信仰しようと勝手だろうと思うのだ。

 

「じゃ、無理だなぁ」

 

「ギルド長、彼がそうなのですか?」

 

神官らしき者が聖騎士らしき者達を引き連れてやってきた。あれは捕縛目的のように見えるが、本部のギルマスは俺を売ったのか?って、何の罪でだ?冒険者のルールは破っていないはずだ。

 

「君の罪を告白する訴状が治癒士ギルド本部に届いた。おい!取り押さえろ!」

 

聖騎士達が一斉に剣を抜き、俺へと襲い掛かってきた。だけど護衛のシロに駆逐されていく。俺は指令官らしい神官を、冒険者ギルドメラトニ支部にある、あの青汁の大樽の中に強制転移させた。結果、指令官が消え、大量の聖騎士達の死体が床に転がっている。

 

「これ、正当防衛ですよ」

 

一応、確認しておく。ギルド内での私闘は御法度だから。

 

「あぁ、分かっている。クエストを依頼しておいて、えん罪で斬り捨てようとは…それも冒険者ギルド本部内での凶行だと。俺達冒険者は舐められているなぁ。訴状によると、治療費の価格破壊とあるぞ」

 

「メラトニ支部で銀貨1枚で治療していたからかな?」

 

「治癒士ギルドの価格設定がおかしいんだよ。どんな治療でも金貨10枚だからな」

 

わぁ~、暴利だろう。そんなの…銀貨1枚で100円くらいとして、金貨10枚だと100万位か?まぁ、最上級ポーションの件があるから、俺も他人のことは,

あれこれ言え無いけどな。

 

「帰っていいですか?」

 

「あぁ、いいぞ」

 

 

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