カノジョ探しの異世界行   作:もっち~!

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再開発

 

---アイーリャ・フォン・タスメリア---

 

離宮にアルメリア公爵夫人であるメルリス・レゼ・アルメリアを呼び出した。

 

「何でしょうか、王太后様」

 

メルリスが他人行儀である。

 

「今度、王宮で行われるパーティーにアイリスを呼ぼうと思うの」

 

「第二王子に婚約破棄されたのですよ。迷惑です。それに、あの子には良い人が見つかり、幸せそうなんですよ」

 

「訊けば、その者は平民では無いの?」

 

「王子様に婚約破棄をされた時点で、あの子が貴族と結婚することはまず無理ですわ」

 

醒めた目で私を見るメルリス。エドワードめぇぇぇぇ~!あのバカ孫は、私の親友の娘に、なんてことをしてくれたのだ。

 

「実はねぇ、第一王子がアイリスのことを気にしているのよ」

 

「あら、そうですか。おほほほ…今更ですか?第二王子との婚約前に気にして欲しかったです」

 

笑顔を顔面に貼り付けてはいるが、目がまったく笑っていないメルリス。第二王子のエドワードの所業に、王族に対して完全にキレているようだ。

 

「アイリスと孫との結婚は私の悲願であることは、メルリスも分かっているであろう」

 

「そんな昔のことを言われても…あぁ、因みに我が領にケンカを売ると、知りませんよ、この国がどうなってもねぇ」

 

王太后である私を脅すのか…情報は入ってきているぞ。あの謎の冒険者集団のことか?

 

「私の目から見ても、ヤバいヤツが3名ほどいますわ。ふふふふ」

 

不敵な笑いをするメルリス。メルリスの目からみてヤバいのが3名だと…う~む、危険だな。

 

「たぶんですが、未来のアルメリア領は大国になっていても、おかしくは無いですわ。アルメリア領がこの国から飛び出さないように、無理難題はお控えくださいね」

 

言いたいことを言って帰って行ったメルリス。エドワードがもたらしたアイリスのキズは深いと言うことか。

 

「アルはどう思う?」

 

部屋に潜んでいた孫のアルフレッドに訊いてみた。

 

「アイリスを前にして、公爵夫人は平民と結婚出来ない王国貴族の慣例に憤慨していました」

 

そこまで、その平民のことを?

 

「彼は敵にしない方が良いです。既に2カ国ほど、彼にケンカを売ってボロ負けしたそうです」

 

「うん?小さな国?」

 

「我が国よりも遥かに戦力のある大国ですよ。敗戦後、彼と友好条約を結ぼうか迷っているそうです」

 

確かにヤバいヤツのようだ。

 

 

 

---ケン---

 

アイリスの館から渡り廊下で繋がる俺の館の建築に入った。俺の錬成術とマイルの土魔法のコラボで、短納期で作り上げている。見た目は洋風建築であるが、中身は和風である。土間があり、和室があり、囲炉裏、掘りごたつ、大きな露天風呂…

 

「夜間はケンの館に住むから」

 

と、アイリスとカタリナ。アイリスの館は、仕事と接客用らしい。何故か混浴状態の露天風呂…一人でノンビリするスペースが…

 

「だって、石けん、シャンプー、リンスが備え付けだもの」

 

って、マイル、マインまで一緒に入浴って…モエだけは恥ずかしいと、内風呂に入っているのにだ。余裕を持って作った筈の客間は既に空きは殆ど無く、現在増設工事中である。

 

入浴後、地下1階の倉庫から、地下2階のメンテナンス通路に降りた。水漏れ、汚水漏れが無いかを、チェックして回る。今現在、下水システムに繋がっているのは、行政区にある俺の館、アイリス邸、クラエス邸、アスカルト邸だけである。次は、アルメリア領領主の館と領都の街の再開発になる。

 

「スラム街はどうする?」

 

「公営アパートみたいな建物にしようと思います。街を囲む塀のように出来れば…」

 

アイリスが構想を口にした。団地みたいな建物なら土魔法だけで行けるか。各棟の1階に、共同の風呂、トイレ、水場を用意すれば、配管も面倒では無いし。

 

 

翌日、下水処理場の余力を確認して、領都の再開発事業を始めた。まず、スラム街と老朽化した教会の新設である。教会の土地と建物は、教会本部の持ち物で私有地扱いなので、領主と言え、勝手に補修などは出来ないのだ。なので、新設することにした。教会には孤児院が併設されているのだが、今より広い敷地にする。孤児をより多く預かり、将来の人材として教育をしていく方針である。

 

予定区画の地面に穴を開け、下水パイプへのバイパス管をつなげ、万が一、溢れた時の為に、汚水貯水槽を地下2階部分に作っておく。イメージは浄化槽である。浄化槽である程度浄化した汚水を、下水パイプに流す感じである。これで詰まりは低減するはずである。

じである。これで詰まりは低減するはずである。

 

因みに土魔法と錬金術で、工事費は俺達の労力以外いは微々たるものである。

 

昼間に下水工事をしている関係で、配送、配達業務は夜間になってしまう。お風呂に入って、清潔にしないとマズい。

 

「また、ティアラ?」

 

プライドに訊かれたので、頷いた俺。配送伝票にはそう書かれている。

 

「まぁ上得意なんだから、営業スマイルを頼むよ、プライド」

 

2週間に1回程度、プライドの妹から注文が入る。姉の無事を確かめたいのだろう。いつも通り、ティアラの部屋に転移をすると…妹の姿を見て固まったプライド。いや、いつかこうなるのではと俺は思っていたが。目の前には旅姿のティアラとセイが待っていた。

 

「なんで…何をしているの?」

 

「お姉様の住んでる場所に行きたい。どんな暮らしをしているか確認したのです」

 

「私はどんな風にポーションを作っているのか、見てみたいです。モエちゃんのことも心配ですし」

 

俺、最近、下水工事ばかりで、ポーションを作っていないけど…お金に困っていないし。青汁の自家消費が増えたし。俺とマイン以外にも、プライド、カタリナ、アイリス、アイナ、ソルテ…が毎食後ジョッキで飲み干していた。マインだけはティーカップであるが。

 

あの青汁、マズいことを除けば良いこと尽くめなのだ。スタミナや消費魔力が低減するし、状態異常になりにくいし、最大MP,HPが増えるし、HP,MPが手っ取り早く回復するから…

 

「俺はポーション作っていない。最近は配送業者だよ」

 

「なんでですか?薬剤師なのに?」

 

ここでうだついてもしょうが無いので、ティアラに置き手紙書かせて、4人で転移をした。

 

 

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