カノジョ探しの異世界行   作:もっち~!

3 / 122
ここはどこ? Part2

---モエ---

 

【聖女召喚の儀】とは、 スランタニア王国に古の時代より伝わる儀式だそうだ。遥か昔に、瘴気に包まれた王国に魔物達が蔓延った時、どこからか聖女が降臨して、瘴気を晴らして魔物を退けたそうだ。

 

どこからか降臨では無く、違う世界から拉致してきたのだろう。そう、私達のように…

 

「どうしたの?」

 

目の前にセイさんという女性がいる。私達二人に聖女らしさが無いってことで、懲りずに召喚して拉致されてきた女性である。現在、私達は薬用植物研究所にいる。王宮にいても暇なので…

 

「この国、おかしいでしょ?聖女候補を召喚って、これって、拉致ですよ、ら、ち!」

 

「そうよねぇ。でも帰る方法は無いと言うし…」

 

セイさんはOLだったそうだ。それもデスマーチな職場の…そのせいか、ノンビリとしたここの生活が気に入ったみたいだ。

 

「彼のことも心配だよね」

 

そう、彼…研のことが心配である。器用貧乏系なので、サバイバル生活でもなんとかなるだろうけど、他の女と生活をしていないかが心配である。漸く、あの女から奪ったのに…なんでこんなことに。

 

 

 

---ケン---

 

カタリナと一夜を過ごした。中々のスタイルの上、甘い歌声も良かった。

 

「私の身体を味わったんだから、約束は守ってね」

 

「あぁ、この先、ずっと傍にいるよ」

 

萌とお泊まりのはずが、アクシデントに巻き込まれ、溜まっていた俺はカタリナの添い寝で、狼になった。いやカタリナが女豹になったと言うか…

 

「これから、どうする?」

 

「まずは地図が欲しいかな」

 

「地図は高いわよ」

 

旅行をするのは高位貴族だけらしく、国内地図もあまり無いらしい。あっても高額だと言う。

 

「だけど、闇雲に船は出せない。せめて陸地の方角は知りたいなぁ」

 

ってことで、カタリナの記憶頼りで、近くの街へと向かった。目指すは冒険者ギルドである。まず冒険者になって、お金と信用を得ようと思うのだ。冒険者ギルドの信用を得られれば、地図を見る機会もあるだろうと。

 

しかし、着いたの違う街だった。やたらに大きな街である。ここはどこだ?

 

「ごっめぇ~ん」

 

カタリナが謝っている。まぁ、冒険者ギルドがあれば、どこでも良いんだよ。って、ここはどこ?

 

「もしかして、『FORTUNE・LOVER』のカタリナ・クラエス、さん?」

 

おぉぉぉ~、カタリナは転生者を釣る撒き餌か何かなのか?乙女ゲーを知っている人が釣れた。話し掛けてきた女性を見た俺は、彼女を二度見してしまった。

 

「そっちは、『君は僕のプリンセス』のアイリス・ラーナ・アルメリアか!」

 

まさかの乙女ゲー二大悪役令嬢の揃い踏みである。カタリナもそうだけど、アイリスもゲーム内で見るよりも、表情が柔らかい。きっと破滅フラグを回避して、悪役令嬢にならずに生きてきたのか?

 

「そうなると、お二人とも転生者?」

 

アイリスに訊かれた。

 

「いや、俺は召喚されたんだ。ここはどこ?」

 

「ここはタスメリア国のアルメリア公爵領の領都よ」

 

「あれ?」

 

カタリナの脳内地図は当てにはならないようだ。目的とは別の国にいるんだけど…

 

アイリスと話した結果、しばらくアイリスの館、アルメリア公爵邸でご厄介になることにした。アイリスは領主代行の仕事をしているそうなので、俺達も手伝うというかバイトとして衣食住付きで雇ってもらった。カタリナも公爵令嬢であるので、貴族としての手紙の代筆を、俺は経理、計算系を担当した。

 

「そうか。破滅フラグを避けまくっても、湧いてくるのね」

 

三人でのお茶会での折、アイリスにカタリナが逃避行の経緯を話した。

 

「で、冒険者ギルドって、どこ?」

 

俺の目的を話した。

 

「この国には冒険者ギルドは無いの」

 

国のシステム的に無いらしい。そう言えば、カタリナのいた国にも無かったなぁ。乙女ゲーの世界には無いのかな?

 

「地図は用意出来るけど、ここに居て欲しい。日本の話を一杯したいの」

 

「じゃ、カタリナはここにいろ。俺だけで、どうにかする」

 

公爵家の令嬢のカタリナには、長旅は向かないだろう。

 

「ちゃんと帰って来てくれる?」

 

ゲーム内では見る事が無いカタリナの上目遣い気味の甘えた表情。

 

「勿論だよ。取り敢えず、ここでバイトをしながら、アイリスの側近達に剣を鍛えて貰って、冒険者ギルドに登録しに行くよ」

 

 

半年ほど、アイリスの館で過ごし、稼いだお金と、剣と地図を貰い、冒険者ギルド探しの旅に出る準備が整ってきた。経理系は、俺とアイリスで複式簿記を推奨に、お金の流れが追いやすくなった。

 

「明日には出るの?」

 

アイリスに訊かれた。

 

「地図もあるから、迷わずに行けるはずだよ」

 

「ねぇ、ここにイイ女が二人いるんだから、変なの引っかからないでよね」

 

とはカタリナ。

 

「そうだな。カタリナとアイリスに勝てる女はいないだろう。色々な意味でね」

 

今夜も二人と身体を合わせて、身体も心も夢の世界へ…

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。