カノジョ探しの異世界行   作:もっち~!

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訳あり物件

---ケン---

 

久しぶりに、冒険者ギルド経由で、ヤーシスから連絡が来た。

 

『掘り出し物あり』

 

と…何をサルベージしたんだ?あの奴隷商は…早速、一人でヤーシスの元へ転移した。

 

「これ、なんですが…」

 

立派な棺の蓋を開けたヤーシス。中にはしなやかそうなブロンドヘアの女性が横たわっていた。死に装束すら着ず、全裸の状態であり、胸元には奴隷紋が刻まれている。

 

「この奴隷紋は見たこと無いけど?」

 

「これは犯罪奴隷の奴隷紋です。罪状は国家反逆罪で刑期は10年とあります」

 

添付資料を読んでいるヤーシス。問題は、この女性、呼吸をしていないこと。死人の割に体温があり、肌に張りと艶が残っていることだな。

 

「呪いも受けているよね?」

 

「履歴には呪いについては記述がありません。なので所謂訳あり物件かと思います」

 

訳ありかぁ。

 

「どこの誰かはわかる?」

 

「某国の公爵令嬢とあります」

 

身体をチェックしていく。脈を打ってはいない。未使用なのか、きれいなピンク色である。年齢は20代かな?

 

「いくら?」

 

「2000万でいかがですか?」

 

ヤーシスの前に3000万を置いた。

 

「追加情報を宜しくな」

 

「はい、わかりました」

 

 

領都の教会のモルグに、棺を運び込んだ。屋敷に戻り、マイル、マイン、マリア、セイ、シロ、プライドを連れてきた。

 

「この方は死んでいるんですか?」

 

セイに訊かれた。

 

「う~ん…分からない。脈は無い、呼吸も無い。だけど、肌に艶と張りがあるんだよ。問題は死んだら奴隷紋は消えるらしい」

 

なので、死んではいないのだろう。敢えて言うなら仮死状態とでも言うのかな。

 

「マイルはナノちゃんとどんな呪いか調べて、マイン、マリア、セイと俺は浄化術や治癒術を一通り試してみよう。シロとプライドは、万が一、ゾンビとかリビングデッド化した時に無力化にしてくれ」

 

アレコレと試すが、呪いが解けない。心臓の鼓動、呼吸による肋骨の運動も感じられない。

 

「あぁ、これ呪いじゃ無いみたいですよ」

 

と、マイル。

 

「彼女の生の時間が止まっただけみたいな…」

 

時間経過しないアイテムボックスに入っている感じか?もしかして、この棺がアイテムボックスだとしたら?彼女をお姫様抱っこして、棺から取りだして見た。

 

「ぷっはぁ~」

 

呼吸をし始め、脈が弱いながらも打ち始めた。彼女を床の上に下ろして、損傷箇所を修復していき、回復術や浄化を掛けていく。だけど、目覚めない。この奴隷紋のせいかな?

 

「マイル、この奴隷紋を解析して」

 

「了解です…刑期10年永眠の刑のようです」

 

王子様のキスで目覚めるあれか?眠っている女性にキスをしてみるが、目覚めない。

 

「それはベタすぎるでしょ?」

確かに…後は?あっ!懐からポーションを取り出した俺。ソレを見て、みんなが俺から距離を取っていく。

 

「モルグで、それはテロ攻撃ですよ」

 

物騒なことを言うマイル。一応回復薬であるけど…臭いがなぁ。濃縮度を高めた為、臭いがもの凄いことになっている。回復薬であるのに、嗅いだだけで意識が飛びそうになるのだ。モルグは密閉空間だからなぁ~。

 

「改良版だよ。剛毛になって刺さることは無い」

 

「じゃ、みんなで上に上がってますよ」

 

うちの女性陣がモルグから出て行った。残ってくれたのはシロとプライドだけだ。では。目覚めない女性の口から、改良版を流し込んでいった。

 

ピクッとした直後、女性の身体がノッキングし始めた。まるでオカルト映画でもみているようだ。身体が臭いを拒絶しているのか?

 

「リビングデッド化だけはカンベンしてくださいね」

 

って、プライド。それは俺もカンベンして欲しい。アイツら、ただでさえ息が臭いんだから…

 

 

 

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