カノジョ探しの異世界行   作:もっち~!

33 / 122
激突

---オリヴィエ・アルウェイ---

 

ウェザード王国アルウェイ公爵家の令嬢である。今年で27歳の行き遅れであるが、一応婚約者はいる。敵の罠に嵌まり、敵の手に落ち、恥ずかしい姿を敵に見られ、無理矢理奴隷に堕とされ、売られてしまった。そして、暗い箱の中に入れられ、どこかに運ばれている途中で意識が失せた。

 

久しぶりの柔らかい感触の寝床で目が醒めた。ここはどこだろうか?ベッドから降りると、何も着ていなかった。ここって、売られた先なのか。いや、奴隷にこんな良いベッドは与えられない。もしかして性奴隷とか、ペット枠なのだろうか?

 

窓から外の様子を窺う。どこかの貴族街のようで、広めのお屋敷が並んでいた。

 

「目覚めたか?」

 

見た目、私よりも若い男性が部屋に入ってきて、私に声を掛けてきた。

 

「お前の名前は?」

 

「オリヴィエ・アルウェイです。ウェザード王国のアルウェイ公爵家の長女です」

 

「何?!ウェザード王国だと。お前のいた国には、魔導大国の情報は残っているか?」

 

魔導大国?

 

「大昔に滅んだ国ですよね?たぶん、残っていないと思います」

 

「そうか。で、ウェザード王国って、どこにあるんだ?」

 

どこって?うん?

 

「ここはどこですか?」

 

「ここはタスメリア王国のアルメリア公爵領の行政区だ」

 

行政区…この男性は領主なのか?

 

「タスメリア王国って?それよりも、私をどうするおつもりですか?」

 

「お前を3000万で買った。それだけの価値を見せてみろ」

 

貨幣価値が分からない。

 

「私の身体に価値は無いですよ。若くないし」

 

20代後半だもの…

 

「身体?女体は間に合っている。俺の欲しているのウェザード王国の情報だ。覚えている情報は全部吐けよ。お前は犯罪奴隷として買い、刑期が10年あるそうだ」

 

犯罪奴隷ですって…それも10年って…10年働かないと帰国出来ないのか…

 

 

 

---ケン---

 

彼女の奴隷紋が完全に外せない。服を着られない呪いって何?青汁を飲み忘れると危険が一杯な予感だ。20代後半らしいが、そそると言えばそそるような気がする。

 

「いいんじゃ無いの?ケンの奴隷だし、好きにすればさぁ」

 

とカタリナ。

 

「でも、好きにした後…」

 

当然、婚約者達を満足させないとダメだろう。青汁を飲んだ上で、満足させる自信がまるで無い。

 

「当然でしょ?成人している婚約者とセイさんに奉仕してくださいね」

 

って、アイリス。いや、俺の性欲はそこまでは…無い。婚約者二人、セイと奴隷の4人って、保たない。栄養ドリンク代わりに青汁を飲めないし。どうするかな。

 

それよりもウェザード王国の場所をどう探すかだな。直接行って、古文書の類いを錬成コピーして来ないと、情報が得られそうも無いな。

 

「あ!ケンさぁ~ん!教皇様に訊けば分かるんでは?世界的に教会、神殿のネットワークがあるんでしょ?」

 

マイルの閃き、それは良い案だ。そう言えば、そうだな。良し、善は急げだな。

 

 

地理的な問題は解決した。教皇に訊いたら、ウェザード王国の王都にある教会への転移陣をくれた。今、ソレを使って、王都に来ている。一度来てしまえば、俺とマイルの転移術で何度でも来られる。今回のメンバーは俺、セイ、マイル、シロ、プライドと言ういつものメンバーである。

 

「まず、どうします?一気に城を落としますか?」

 

笑顔で物騒なことを言うマイル。

 

「先ず、アルウェイ公爵に会おう。で、協力を煽ぐ。拒否されたら、その時にポーションを使って逃げるか」

 

今回のポーションは全身に雷撃が走り、心臓の再起動を促す効果があった。オリヴィエの全身がノッキングしたのも頷ける。

 

翌日、アルウェイ公爵と会う事が出来た。

 

「うん?娘を奴隷商から買われたのですか?」

 

「訳あり物件でしたよ。10年刑期の犯罪奴隷として売られてました。なので現状は、返したくても返せません」

 

犯罪奴隷は転売に次ぐ転売は出来ないらしい。しっかりと懲役を受けさせる為、1箇所に最低1年はお勤めしないといけないそうだ。

 

「犯罪奴隷ですと!なんてことをしてくれたんだ、アイツらは…」

 

政敵に嵌められたらしい。

 

「娘は無事なんですか?」

 

「まぁ…」

 

「で、あなた様の身分は?」

 

「俺は平民だけど…」

 

「「「ダウト!」」」

 

何故、味方からダウトされるんだ?解せない。

 

「おい!オリヴィエ様を返せ」

 

完全武装した男が突然、俺の目の前に立って、そんな事を言う。

 

「タダでは返さない。刑期が終わったら、1億で返してやる」

 

貰えるところからは貰おう。

 

「何を言っている。今すぐ返せ!」

 

男はナイフを抜き、俺に襲い掛かってきた。だけどシロに止められ、次の瞬間、今度は魔法攻撃を放ってきた。これはプライドの剣が魔法攻撃自体を斬り裂き、無効化してくれた。

 

「これが公爵の返事ってことですか?」

 

「待ってくれ。ジャレッドくん、落ち着きたまえ、ここは私が交渉をする」

 

「交渉する余地なんか無いですよ。今すぐ力尽くで返して貰う。どうせ、コイツらもアイツらと一緒なんでしょう?」

 

「おい!三下!アイツらって、ドイツらだ?」

 

なんか、腹ただしい。ザコと一緒にされた気分である。

 

「マイル、みんなを連れて帰れ」

 

「了解!」

 

俺以外の仲間達が転移して帰っていった。ここが、多分使いどころだろう。『畏怖』を発動した俺。俺の周囲にいたヤツラが、次々と跪いていく。俺に攻撃をしようとした男だけが耐えているよう見える。

 

「おぉぉぉぉ~」

 

屋根をぶち抜いて、突然ドラゴンが俺を襲ってきた。コイツ、ドラゴンテイマーなのか?聖魔力を左手に集めて、聖剣を錬成していく。

 

「食らえ!エクスカリバー!」

 

聖なる斬撃がドラゴンの腹部に穴を開けた。

 

「まだやるか?次はドラゴンスレイヤーで、殺すぞ」

 

エクスカリバーをアスカロンに再錬成すると、龍殺しオーラを感じたのか、ドラゴンが逃げていく。

 

「死ねぇ~!」

 

今度は目の前から槍が降ってきた。空間を斬り裂いて、別の空間から吐き出す。降ってきた槍は、総てここの城へ向けて放たれていく。

 

「これでどうだぁぁぁ~!」

 

床が盛り上がり、土の槍が俺に襲い掛かって来た。コイツ土魔法使いか?目の前の空間にブラックホールを発生させ、攻撃を吸い込んで、やっぱり、ここの城へと排出していく。

 

「これならどうだぁぁ~!」

 

ヤツの周囲の物が石化していく。今度は石化魔法か?状態異常無効持ちの俺に石化攻撃は効かないはず。では、『強奪』で富と情報を奪わせて貰うか。ヤツが俺の懐に入った時点で、転移して帰った。

 

 

目の前に金貨や白金貨の山がいくつも出来ていた。古文書は書庫に収めてきた。劣化して傷むと困るから。

 

「今回も稼いで来たわね」

 

って、アイリス。別に出稼ぎに行った訳では無い。

 

「おい!あの石化魔法の遣い手は誰だ?」

 

オリヴィエに訊いてみた。

 

「私の婚約者のジャレッド・マフィーです」

 

「そうか。疲れたので抱き枕になってくれ」

 

と言うだけ言って、その場に倒れた。これって、魔力の使い過ぎによるマインドロストだな。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。