カノジョ探しの異世界行   作:もっち~!

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戦後補償

 

---ケン---

 

戦後補償…しかし王国には払えるだけの財力が無いらしい。敗戦した参加貴族達に、殆ど財がないそうだ。そこで打診されたのが、タスメリア国からアルメリア公爵領の独立である。独立の際、治める領主を排除した上で、隣接する敗戦した領地もくれるという。アルメリア公国誕生である。タスメリア国の属国であるが、税収は独立採算制で良いそうだ。

 

「はぁ~、また治める面積が増えたわね」

 

ため息を吐くアイリス。だけど、どこか嬉しそうである。王都にあるアルメリア公爵邸は、今後大使館扱いになるそうだ。

 

「我が国も治めて貰えませんかね?」

 

トワイル国の商人ディヴァンが相乗りを狙っているようだ。こいつ現場が大好きな諜報員であり、国を取り仕切ることは好きでは無いようだ。

 

「編入すれば、ジャガイモとトマトの生産地だし、Win-Winで、救える命は多くなるだろうな」

 

荒れた国土であり、農地改革に力を入れずに、戦力拡大路線を突き進む上層部達。国民に麻薬を与え、ドランカー状態にして無理矢理バーサーカーという戦力に仕立てあげるなど、褒められた治政をしていない。

 

「余力があれば…増援が出せるまでティヴァンがコントロールしてくれ。サポートはしていくから」

 

「約束だからな」

 

渋々了承して去って行くディヴァン。あの国まで領土にすると、隣国はカタリナが住んでいた、あの国になる。

 

「ねぇ、ソルシエ王国を落とさない?」

 

地図を見ていたカタリナが悪そうな笑顔を浮かべ言った。流石、元悪役令嬢、堂に入った表情である。

 

「あのドS腹黒王子を王子の座から引きずり下ろしたいの。城に監禁して、国外追放だなんて、ドS過ぎるでしょ?」

 

悪役令嬢顔で甘えた声…ギャップがありすぎて、背筋に冷たいものが…

 

「落とすだけなら簡単だけど…その後はどうする?人材が足り無いぞ」

 

「う~ん…」

 

カタリナの私情も大切だが、事後処理の問題が大きすぎる。今更、カタリナ、ニコルの両親を戻すことも出来ない。この国に必要な人材であるから。

 

「人材育成が先だ。落とすのはいつでも出来る」

 

「人材の育成かぁ~」

 

「高校卒業する人材待ちだ。卒業生で、公国に仕える気があるヤツは、代官補佐を経験してもらって、代官にする予定だから」

 

この国では読み書きソロバンまでは義務教育である。高等教育を受けた者なら、ヤル気と経験と忠誠心があれば、代官くらいは出来るだろう。他国の代官、領主ってレベルが低いし。

 

そんなお気楽な考えをしていたのだが、事態は急変する。ソルシエ王国の第三王子が国王になり、第一、第二王子と側近を排除した挙げ句、『カタリナを返せ』と、攻め込んで来た。この国に悪意を持っていないヤツは弾けない為、カタリナ探しのスパイの出入りは自由だった為で、カタリナの存在が見つかったようだ。しかし、ソルシエ王国の軍勢は結界に弾かれ、ダメージを受けている。内乱後のせいか、軍勢自体も小規模である。

 

「そちらの宣戦布告は受理した。さて、戦後の補償だが、前王…アンタだよ、アンタ!前王が王に復帰して、国内を安定させること」

 

第三王子を捕獲して、ソルシエ王国の王城で前王と交渉を始めた。それは開戦5分後のことである。なんで、この大陸の王子はバカばかりなんだ?相手の戦力を考え無いのか?

 

「第三王子は国外、いや大陸から追放だ」

 

大陸から追放すれば、カタリナへの害は少ないだろう。転移術無しでは、ここまでの移動が困難なプライドの国辺りに平民として捨てて来るかな。

 

「あと、この国は、アルメリア公国の傘下にする。税収の2割を徴収する。こちらで人材の育成が済み次第、この国の改革をする。それまで王族で国内の安定を図ってくれ給え」

 

戦勝国なので、上から目線で言い放っておく。頼むから、アイリスの負担は増やさないでくれよ。

 

 

 

---アラン・スティアート---

 

住み着いたアルメリア公爵領がいつの間にかアルメリア公国として独立国家になっていた。

 

「流石はケンさんですね。スマートな方法で領地を拡大していますよ」

 

事情通の隼人が教えてくれた。祖国ソルシエ王国がこの国に宣戦布告し、俺達国民の知らない間に戦争は終結し、この国の一部となっていた。

 

「いつ、戦争が行われたんだ?」

 

「ついこの間ですよ。まぁ、開戦後5分程度でケリが着きましたが」

 

5分で戦争が終わったのか?どんだけ弱いんだ、ソルシエ王国って…

 

「王位争いで国内が疲弊しているのに、王位に就いた元第三王子が、元婚約者を奪う為に、宣戦布告したそうですよ」

 

元第三王子って、ジオルドか?アイツが王位に就いたのか。で、元婚約者って…カタリナか?

 

「なぁ、隼人。カタリナ・クラエスはこの国にいるのか?」

 

「何を言っているんですか?この国の農業担当大臣ですよ、カタリナさんは」

 

はぁ~!この国の大臣なのか…まさか、国外追放されて、この国に亡命したのだろうか?

 

「この国は世界一安全な国家で、戦力も最強クラスですよ、きっと」

 

えっ!こんなにも長閑な国が、戦力が最強クラスなのか?

 

「この国の軍隊なんか見た事はないぞ」

 

「この国に軍隊は無いです。徴兵制度もありません。個々の力がバケモノクラスですからね。あぁ、僕も有事の際は、戦力の一つですし、冒険者達も味方ですからね」

 

冒険者ギルド本部がある恩恵か?

 

「勇者なのに、一つの国に肩入れしていいのか?」

 

「問題無いですよ。だって、聖女、聖者すらこの国の戦力ですし、勇者レベルの者は僕だけで無いですよ。実際、僕でさえ敵対はしたくない戦力ですもの」

 

おい…隼人すら戦いたくない相手にケンカを売ったのか?なぁ、ジオルドよ…

 

 

 

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