カノジョ探しの異世界行   作:もっち~!

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死の森

 

---ケン---

 

今回の拾い者は大当たりの予感がする。転生前年齢で言えば、最年長クラスの上、出産経験者である。経験豊富な転生者は大歓迎である。

 

「順調にダイエットしているみたいよ」

 

と、アイリス。現在、コゼットは食事制限付きのブートキャンプをしている。講師は鬼のアイリス母だ。剣士組を鍛えて貰っているので、ついでのお仕事を頼んだら、心良く引き受けてくれた。コゼットはアイリス母に任せて、今日も散歩をしてくるか。

 

コゼットを拾った場所から、マイルの脳内マップの空白領域を埋める様に、短距離転移を繰り返していく。

 

「あっ!山脈に囲まれた領域がありますよ」

 

マイルが広域マップで、面白そうな領域を見つけたようだ。

 

「エリア名称は『死の森』って出ていますけど…」

 

「そこへ行ってみよう」

 

マイルの転移術で、死の森へと向かった。そこはその名の通り、森であった。手付かず、魔物の気配しかしない、原生林のような森。マイル、プライド、シロが楽しそうに狩りをしている。

 

「この大きな巨木がランドマークかな?」

 

マイルによると、死の森の中心部分には巨木が生えていた。

 

「そうなんじゃ無いの?」

 

セイは植生に興味を持っているのか、何の変哲も無い巨木には興味が無いようだ。

 

「ここの樹木って、見た事の無い種類よね」

 

固い。剣で叩くと、金属のような音がする。地面も固い。樹木の根が固いのだろうか。地面の固い部分を錬成して、家の柱を作っていく。頑丈な柱が出来た。

 

「ねぇ、ここに家を作るの?」

 

「山脈に囲まれていて、魔物しかいないんだろ?安全そうじゃないか」

 

幸い、錬成術で、ここの樹木、地面を加工出来そうであるし。

 

「ブートキャンプとか冒険者育成とか用途がありそうだろ?」

 

「う~ん…、アイリスには内緒?」

 

「セイとの新居?」

 

「アイリスとは別居?」

 

「じゃ、別荘では?」

 

実際問題として、アルメリア公国では、戦闘訓練が出来ない。魔物がいない、ダンジョンが無いなど、冒険者の育成には向かない上、新たなる食材の入手が難しい。ここなら、オークを繁殖しても問題が少ない気がする。オークは登山をしないだろうから、周囲に迷惑を掛けることなく、オーク、いやミノタウロスなんかでも良い。贅沢を言えば、牛、ブタ、鶏であるな。

 

「マイル!水源は無いか?川とか、湧き水、池とか」

 

「えぇ~っと…あります。あっちです」

 

川があった。川から水路を引いて、巨木近くにため池を作った。

 

「ここ、土魔法じゃ開墾できませんよ~」

 

マイルの悲鳴。俺の錬成術で加工するからいいや。

 

「畑をつくるには、どこまで掘れば良いんだ?」

 

錬成は単一物質の状態変化であり、表面の固い物質は加工し放題であるので、普通の土壌に行き着くまで、家のパーツを錬成して作りながら、掘り進んでいく。で、3メートルほど掘ると、水が湧いてきた。井戸にするか

な。

 

「この固い地面って、あの樹木の根っこが絡み合った物みたいですよ」

 

地質を鑑定してくれたマイル。

 

「畑になりそうか?」

 

「この固い部分の下は、普通の土壌みたいです」

 

じゃ、家のパーツを錬成しまくって、普通の土壌まで掘るか。

 

「セイ、植物はあったか?」

 

「こんな固い地面で植物は生えないって…この木って、何かしら?」

 

マイルの鑑定によると『謎の樹木』と出たそうだ。チーターのマイルにも分からない樹木…謎である。

 

「マイル、普通の土壌部分の工事を頼む。浄化槽を埋めて、水洗トイレの設置と、風呂の設置をしたい」

 

「12畳くらいの開けた土地を作って下さい」

 

チーター揃いの俺達でも、ここの開拓が難儀である。他の者が手を出さない理由はそれか?

 

「あっ!ケンさん、この材質でサイディングボードを作れば、アイリス邸がより堅固になりそうですよ」

 

マイルのエアーカッター、俺のエクスプロージョンでも傷つかない建材…並の兵器、魔法に対して無敵感を感じる新素材である。それ、採用だな。ここに来る理由にもなるし。

 

 

今日、見つけた場所の報告を帰宅後、アイリス達にした。

 

「無敵の建材…確かに僕の剣技でもキズ一つ付きませんでした」

 

隼人があの建材を手に取って、調べていた。勇者の剣技で傷つかないって、どんだけ丈夫なんだ?

 

「問題は地表が硬いってこと。土魔法、木魔法などで加工も出来ない。現在分かっているのは、俺の錬成術だけだ」

 

「3メートル掘っただけで、水が湧いたことから、水はけも問題ありますね」

 

「水の湧いた普通の土壌は、土魔法で加工が出来た。湧き水も治水池を作って対処をする。いざとなれば、アイテムボックスに保管すれば良いし」

 

「領内の再開発計画はどうするの?」

 

アイリスから待ったの声。

 

「まぁ、交互にだな。新しい建材、食材、訓練場の確保も大事だし…」

 

領地が増えた分、再開発計画も壮大に…

 

「訓練場、狩り場の確保は大切ねぇ。ケンがやりたいなら、止めない。でも、お仕事はしてね」

 

と、仕事が増え、散歩と言う名の地図製作は休止になった。しょうがないよな。俺とマイルにしかできないし。

 

 

 

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