カノジョ探しの異世界行   作:もっち~!

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指名依頼

 

---レオンハルト・アルトリア---

 

私はアルトリア王国国王が第一子、レオンハルト・アルトリア。この王国の王太子だ。

 

どうして、こんな事態になってしまったのだ?冷静に考えれば、コゼットには何の非も無かった。彼女の家のお茶会で、彼女が丹精を込めて育てたお花畑なのだ。なのに、私はあろうことか、コゼットを追放してしまった。彼女の家から彼女を追い出し、帰ってくるなと…

 

「殿下、どういうことですか?」

 

コゼットのお父上であるエドワード・エーデルワイス伯爵に詰め寄られていた。

 

「彼女が…父上の最愛の者にそっくりであったので…」

 

国王である父上のプライベートルームに飾られていた女性の肖像画。その顔が、あの時乱入していたアンジュにソックリだったのだ。それにしても、なんでコゼットにあんなことをしてしまったのだ?

 

「だからって、娘を家から追い出すって…あれ以来、娘の姿を見つけられないのですよ。どうしてくれるんですか?!」

 

「探させている。コゼットはあの体形故、そう遠くへは行けぬはずである」

 

超肥満体な彼女。少しの運動で息が上がる。その為、遠くへは行けないはずなのだ。

 

「もう2週間ですよ」

 

「浚われる心配も無いだろ?」

 

その体形故に、荷馬車でないと運べない。

 

「ですが…」

 

神隠しにあったように消えてしまったコゼット…

 

 

 

---レーナ---

 

冒険者養成学校で同期だった、ポーリン、メーヴィスと冒険者パーティー『赤き誓い』を結成して、岩トカゲの討伐クエストに参加したのだが、何故か、目の前にはロックゴーレムが2体もいたりする。

 

「これで、どうだぁぁぁぁ~!」

 

剣士のメーヴィアスが斬りかかったのだが、無情にも剣が折れた。私とポーリンの最大攻撃魔法も効かない。もう、ここまでなのか?

 

終わった…初クエストで玉砕…

 

「ケンさん、面白いのがいますよ。関節が球体関節だし」

 

「おぉ、これは珍しいな。貰っとこ。そこの三人さんはそれでいいか?」

 

私達のことかな?助かるなら、どうでもいいです。頷く私達。

 

「じゃ、マイルとプライドで、倒しておいて、セイは治癒、俺とシロは付近を探索だ」

 

「「了解」」

 

あのロックゴーレム2体が、容易く動きを止め、どこかに消えた。

 

「付近には、もう魔物はいないぞ。じゃなぁ!」

 

目の前から消えた。一団…あれって、転移術か…

 

 

 

---ケン---

 

指名依頼を終えた帰り、球体関節持ちのロックゴーレムをゲットした。一応、冒険者ギルドに報告しておく。

 

「あと、この依頼は頼めますか?」

 

人捜しの依頼のようだ。『アデル・フォン・アスカム』…速効でマイルが断っている。その探し人はマイルの本名である。彼女は貴族籍を奪われて、命も狙われているのだ。

 

「帰ろう。俺達は人捜しをしないし、国からの依頼は受けないからな」

 

青白い顔のマイルの頭をポンポンと叩いて、冒険者ギルドから転移をして帰宅した。

 

「未だに探しているんですね」

 

「それだけ、マイルがジャマなのか?」

 

「現当主である私の父親は入り婿で血縁者では無いですから」

 

前当主である母親の実子はマイルだけで、唯一の血縁者だと言う。

 

「強引に来たら、その国には消えて貰うから、心配するな」

 

「はい!ケンさんにおまかせします。今日は死の森の開拓をしたい気分です」

 

「じゃ、行こうか」

 

アイリス領の再開発は朝からやらないと無駄が多くなる。たまに指名依頼が入る俺は、毎日再開発出来ない身分である。

 

死の森ではあの巨木の傍に、お屋敷を建てた。現在は、周りの地面を開墾する作業と、治水対策、生き物調査をしている。ラスボスクラスが2、聖女、聖者にモフモフ担当のシロ、俺達はたぶん最強パーティーである。更に、お留守番として隼人達が住んでいるし。

 

「隼人、どう?」

 

「敵らしい敵はいないです。単発でミノタウロスが数体です」

 

隼人達の狩ったミノタウロスは既にアイテムボックスにしまい込まれていた。アイテムボックスは、俺、マイル、隼人、アイリス邸の倉庫が、内部共有している。これにより、アイリス邸で自由に獲物が取り出せるようになり、解体の授業が捗るようになったそうだ。授業で解体された食材は、セントラルキッチンで料理され、行政区の食堂や学校の給食で消費される仕組みになっていた。

 

 

教皇から冒険者ギルド本部経由で、指名依頼が入った。俺とセイの名義の書面で改革案を出したのだが、その答えらしい。世界各地の王国が設置している後宮の廃止を視野に入れてくれと、改革案を出したのだ。

 

だって、王一人の為に、女体が数百人規模で拘束されるって、不条理に思えたのだよ。後宮に女体が大量に保管されるってことは、独身男性は増える一方で、平民層が薄くなるってことである。平民層が薄くなれば、農業、商業、工業のなり手は不足し、国財にいずれダメージが入ると思う。いや、奴隷でまかなう方向性だと、人種差別になりかねない。その辺りを教皇的にはどう考えているんだと、物申した訳だ。

 

その答え…じゃ、潰しておいでってことである。手始めは、エルグランド王国、ディアナの故郷であった。

 

「潰すって、どうするの?」

 

「後宮内の良識派を神隠しで浚う?それとも国庫を漁るか?」

 

内情を訊く為にクレスター伯爵家を訪れた。

 

「後宮を無くすのですか…少人数で残す方向にして欲しい」

 

王に子供が居ない事態は避けたいようだ。

 

「人数を減らせないのか?」

 

「後宮も派閥争いの場であるから…必要悪って感じです」

 

「ディアナを入れて内部から破壊するか?」

 

「ディアナは入れたくない。きっと、王はディアナを辱めるつもりだと思う」

 

クレスター伯爵家はエルグランド王国において、悪の巣窟と思われているそうで、王はそんなクレスター伯爵家に罰を与えたいらしい。

 

「えん罪で、後宮内で拷問か?ディアナを合法的に甚振るのか…」

 

それはそれで興味はあるが…どんなAVシーンが見られるのだろうか?

 

「ケン、ニヤけているよ」

 

妄想を膨らませていたら、脇腹にセイの肘鉄を食らった。

 

「それは避けたいってことだな。どうするかな」

 

「名付きの側室が5名おり、それ以外は無くす方向で良いのですが…」

 

政治力の綱引きってことか。自分の娘がいないと、政治的弱者になり得る。そこから改革ではないのか?

 

「最悪、公国の属国扱いでも構いませんよ。多少の自治権を認めて頂ければ」

 

「飛び地過ぎるでしょ。無理です」

 

プライドが俺の代わりに返答した。死の森の開拓もあるし。教皇に丸投げするか?でも、宗教戦争になるとマズいかぁ。

 

 

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