カノジョ探しの異世界行   作:もっち~!

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拷問?いえ、治療です

 

---ケン---

 

エアリスの従者はドーガ卿とレイナだそうだ。オッサンがドーガ卿で、女騎士がレイナだな。レイナの方は目覚めるなり、俺に襲い掛かってきたが、マイルとプライドに排除され、現在はザブトンと遊んでいる。

 

「レイナが申し訳無い。好きなようにしてくれていいぞ」

 

ザブトンがレイナを亀甲縛りしているんだが…どこで覚えたんだ?それ…

 

「姫から聞きました。Sランクパーティーだそうで…助けてくれませんか?」

 

「指名依頼?」

 

「えぇ、国からの指名依頼にします」

 

それは貢献ポイントが付くなぁ。

 

「内容によりますよ」

 

敏腕交渉人のマイルがドーガ卿と仕事内容を詰めてくれる。

 

「えっ!聖女様もいらっしゃるんですか。是非、第二王女の病も治して下さい」

 

それは、エリクサーもどきの被験者になってくれるのかな?もう脇毛が刺さることは無い。死人は生き返らないが、生きている限り、治せるだけ治せる薬に成長している。問題は味と臭いだが、こればかりはどうしょうもない。原料の青汁自体がマズくて臭い上、それを濃縮しているんだから…

 

その日の夜、ドーガ卿と二人で城に忍び込み、第二王女を無事に拉致してきた。早速、マイルに鑑定をして貰う。

 

「これは病気でなくて、毒ですね」

 

そうか、毒かあ…ならばやはり、エリクサーもどき最新バージョンを第二王女に飲ませた。部屋に充満する臭さ。今回のバージョンは今まで以上の臭さである。

 

「うっ!何をしたのだ…おえぇぇ」

 

ドーガ卿は窓から放出した。苦痛に歪んだ表情のマイルは風魔法で臭いをドーガ卿に押しつけていた。俺は…慣れって怖い。

 

「マイル、これでどうだ?」

 

「いい感じで中和されていますね。少し青汁が勝っているのか、誤飲に注意です」

 

戻す物が気管に流れ込むと危険ってことだな。食道を逆流してきた物を、窓の外へ強制転移させていく。

 

「これ、治療っていうより、拷問に近いんじゃ…」

 

俺とマイルの力業治療を見て、固まっているマイン。

 

 

 

---エアリス---

 

目の前に、元気そうなお姉様がいる。ケンさん以外の者は、お姉様の吐息の臭いでやられる為、近寄れない。

 

「臭いだけが問題の良薬だ。毎食後にコップ一杯を飲んでくれ」

 

嫌そうな顔のお姉様。臭いだけで無く、味もヤバいらしい。

 

「慣れだよ。家の者は、ジョッキで飲んでいるし」

 

私よりも幼いマインちゃんもジョッキで飲んでいるのには驚いた。

 

「お姉様は、もう治ったのですか?」

 

「治ったというより、毒は抜けたはずだ。後は体力の回復待ちだな」

 

体力は直ぐに回復しそうである。この家の食事は旨いのだ。神殿生活に戻れるか不安になるくらいに。

 

「誰にやられたんだ?」

 

「たぶん…カタリナお姉様かと」

 

「カタリナ…悪女ぽい名前だな。そうそう、神殿の浄化はしておいたよ」

 

えっ…

 

「教皇からの指名依頼で、エアリスの代わりに浄化して来たよ」

 

「そ、そうなんですか…」

 

依頼しようと思っていたんだけど…さすが教皇様ですわ。状況が分かっていらっしゃったのね。

 

「神殿に巣くっていたヤツラも、浄化ついでに掃除しておいたから、お前ら帰っても大丈夫だぞ」

 

それは、私達を早く追い出したいのかな?美味しい食事…食いだめしないと…

 

 

 

---ケン---

 

舌の肥えたエアリスが帰るの渋った。神殿での質素な食事に耐えられないと言う。

 

「王宮の食事よりも美味しいわよ」

 

元気になったエアリス姉まで…

 

「エアリスは神殿勤務だろ?帰らないとダメだろうに」

 

「じゃ、食事の配達を指名依頼していいですか?」

 

面倒な出前だな。アイリスの出産とか開拓とかで忙しいんだけど…チョコの配達時に出前もすれば良いか。指名依頼を受けると漸く姉妹は帰ってくれた。

 

 

謎の樹木で板バネを錬成してみた。靴の踵部分に付けてエアクッション代わりにしてみたのだ。死の森の地面は固い。チーターのマイル、プライド、シロなら問題は無いが、産後にやって来るアイリスには、ちょっとシンドそうな固さであったのだ。

 

「馬車に付ければ、サスペンションになるんじゃないですか?」

 

産後のアイリス用の馬車でも作るかな。謎の樹木の用途を増やさないと、開拓が進まないのだった。錬成以外に取り除く方法が無い為、何かに加工せざる負えないのだった。サイディングボード用途も一区切り付いてしまったし。さて、どうするか。

 

トゥーリがアイリスの子供為に、スパイダーシルクで産着を作ってくれた。早速、アイリスの元へ届けてみた。

 

「これ…スパイダーシルクじゃないの?!」

 

アイリス母が興奮して俺に詰め寄って来た。

 

「そうですが…何か?」

 

「最高級素材よ。これで私にドレスを作りなさいよ」

 

いつに無くアイリス母が高飛車である。訊けば、失われた素材らしい。昔は養蚕ならぬ養蜘蛛して、糸を紡いでいたらしいが、今は養蜘蛛業者が無くなり、悪徳商人の間では紡いだ糸状態で高値で転がしてあっているらしく、品質は年々劣化していると言う。

 

「スパイダーシルクなら、今後も出荷出来ますよ」

 

「本当に?!ねぇ、私にドレスを…」

 

甘えたような声のアイリス母。背筋に冷たい物が走る。なんか怖い…

 

「トゥーリが担当なんで、伝えておきます」

 

死の森で働ける針子さんをスカウトしないとダメかな。

 

 




ますます凶悪になっていくエリクサーもどき…
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