カノジョ探しの異世界行   作:もっち~!

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いつの間にソレがそれに?

---ヨハン・ヴァルデック(スランタニア王国薬用植物研究所の所長)---

 

「セイさんみたいに5割増しにならないです」

 

「なんでかな?同じ召喚聖女候補なのに…」

 

目の前では、当研究所の研究員となった、聖女召喚の儀で召喚されたモエとセイが同じ作業をしているのだが、何度繰り返してもセイの方が高品質の物を生み出していた。

 

「身体の中で魔力の流れって意識出来ている?」

 

「出来てるのかな?こういうのは彼の方が詳しいんだけど…」

 

モエの話では、王子が追放した彼は、召喚される以前でもヒーリング能力があったらしい。

 

「一緒にいると癒やされるというか、これってマインドヒーリングって言うんでしたっけ?」

 

マインドヒーリング…高位のヒーリングスキルである。普通のヒーラーは精神まで癒やすことは出来ない。それは…彼が男性でありながら聖女、聖者だった可能性が大である。そして、5割増しの能力を持つセイは聖女なんであろう。あの王子のヤツ…なんてことを…

 

 

 

---ケン---

 

「そうか、人捜し中なのか」

 

パーティーリーダーである早川隼人の行動の自由を奪い、隼人のパーティーメンバー達を正座させた後、それぞれから奪った物を返してあげた。

 

「女性から下着を奪うって反則じゃ無いのかな?」

 

「俺は騎士でも勇者でも無いから、騎士道は持ていないぞ」

 

出来る手は総て使う派である。隼人に敵意が無いようなので、サブミッションホールドを解いてあげ、街へと案内して貰う。

 

隼人は女神により召喚された、俺達と同じ時代の日本からやってきたそうだ。なのでゲーム名までは覚えていないが、カタリナとアイリスのことは知っていた。

 

「あのキャラに転生かぁ~。可哀想だな」

 

「実際にアイツらは悪役令嬢臭は無いが、悪巧みを考えている暗黒面の顔は、様になっているけどな」

 

「どっちが本命?」

 

「俺には選べない。来る者拒まず去る者追わずだな」

 

「僕もかな…」

 

と隼人が口にすると、一人の女性メンバーがギロリと隼人を睨んだ。ツンツン系か?ツンデレ系か?この世界に来て1年以上、勇者的な働きをし、貴族籍を持っているそうだ。調べ物に利用出来るかな?

 

「じゃ、ケンは一緒に召喚されたクラスメイトを探しているの?」

 

「そういうこと。問題はどこの国かが判らないことだ。国名を知ること無く強制転移させられたからね」

 

世界地図が真面に無いこの世界で、どこの国に召喚されたのか探すのは至難の業だろう。まぁ、俺ってカルマが多そうだし、至難かな…

 

「人為的に召喚術を使ったんなら、歴史の古い王国だな。新興国にはそんな術は伝承していないから」

 

なるほど…言われて見れば。現在、隼人の移動手段である馬車で相席している。俺の膝の上にはネコ耳少女のミィが載っていて、俺の手はモフモフを満喫中である。因みに、ミィ以外のメンバーは、俺に近づいてこない。

まぁ、俺も興味無いからいいけど。

 

「で、街には何をしに行くの?」

 

「冒険者ギルド本部の依頼で、錬金術ギルドで高品位ポーションを作って、冒険者ギルドに納品して欲しいって。この街の冒険者ギルド支部って、ポーションが不足しているらしいぞ」

 

買い占めて要るヤツでもいるのか?

 

「ケンのランクは?」

 

「冒険者ギルドはAだな。将来的には商業ギルドにも入るかもだ」

 

アイリスの領地にお土産を買い込む場合、商業ギルド員であると優遇されるらしい。

 

と、街に入るのに関所があった。

 

「一応、ここで身分を照会するんだよ」

 

パーティーを代表して隼人がSランクの冒険者ギルド証を出した。

 

「これは、隼人様、おかえりなさい」

 

隼人のギルド証には家の紋章らしい物が浮かんでいる。貴族の証かな。

 

続いて俺もギルド証を出すと、俺のギルド証にもアルメリア公爵家の紋章が浮かんだ。

 

「お忍びですね。商業都市アインズヘイルにようこそ!」

 

いつの間に、こんな細工を…あぁ~、この前、マインドロストした時かな…

 

 

隼人に案内され、漸く錬金術ギルドに到着。何故か俺の背中にはミィが貼り付いている。隼人曰く、気に入られたらしい。因みに錬金術ギルドの看板はフラスコと試験管が描かれている。それって、錬金じゃなくて、錬成じゃ無いのか?

 

錬金とは金属を練り合わせて合金を作るイメージで、錬成は異なる物質を練り合わせるイメージである。実際、錬成では合金は作れず、錬金で作れたのだ。この国では錬成を含めて錬金術なのかな。深く考えることを放棄した俺。

 

ギルド内は小ぎれいで広々している。冒険者ギルドのような喧噪感はまるで無い。早速、カウンターにいる受付嬢に冒険者ギルド本部からの推薦状を手渡した。

 

「少々お待ちください。ギルマスを呼んで来ます」

 

受付嬢は奥に引っ込んだ。しばらくすると奥の方から老婆?が出てきた。ここのギルドマスターかな?

 

「これはこれはヒヨコの貴族様ですか」

 

「レインリヒさん。お手柔らかにお願いしますよ」

 

隼人の知り合いのようだ。

 

「で、お前さんが冒険者ギルド本部が送り込んで来た錬金術師か?」

 

「まぁ、そんな感じです」

 

「まずギルド登録には5000ノールだよ」

 

おぉ!両替していないぞ。

 

「これでお釣りあるかな?」

 

アイテムボックスから純鉄のインゴットを一本取りだし、カウンターに置いた。

 

「なに!まさか、混じりっけ無しの鉄のインゴットだと…」

 

錬金術だとつくり出すのは難しいが、強奪スキルを使えば簡単である。混じり物だけを強奪すれば良いからね。

 

「わかった。これを買い取ってやる。お釣りは後で渡す」

 

高額で売れたようだ。

 

「うぅぅぅ~、腕は確かなようだな」

 

腕?強奪のかな?まだまだひよっこだと思うけど。

 

「ケン、やるなぁ~。あのレインリヒさんを唸らせるとは」

 

隼人が苦笑いしていた。

 

 

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