---ケン---
棚からぼた餅風に、念願だった針子をスカウト出来た。後は聖女だなぁ。教皇に紹介して貰おうかな。聖女要員はセイとマリアと修行中のマインがいるが、まだ足り無い。聖女もどきとして俺とマイルもいるのだが、胡散臭さ満載であるし、あのエリクサーもどきは無茶苦茶臭いし。今後の身食い治療要員として、2,3名は魔力制御の出来るヒーラー職が欲しいところである。
教皇に聞いたのだが、各国で聖女の基準がまちまちらしい。マリアのように光属性持ちを聖女としている国があれば、セイのような聖属性持ちを聖女とする国もあるようだ。いや、下手するとヒール持ちも聖女になる国もあるらしい。光の場合は癒やし中心で、聖の場合は祝福中心と役割が違うはずなのだが
…
「近々、聖女が一人廃業するらしい。それをスカウトしてみてはどうだ?」
教皇の話によれば、お決まりの婚約破棄イベントを計画している神殿長のバカ息子がいるそうだ。そのイベントの被害者が聖女だと言う。
「で、その子は本物?」
「あぁ、本物だよ。後、聖属性の強い子がいるんだが、それは手配中だ。手配が出来たら知らせる」
この教皇も腹黒いからなぁ。何を計画しているんだ?
最近、冒険者ギルド本部と教皇の指名依頼をバシバシと受け付けていたせいか、冒険者ランクがSSに上がっていた。これは喜んでいいのか?厄介ごとが増えるのだろうか?
王家の瞳問題は、解決した。王子二人の瞳を錬成して、王家の瞳にしてあげた。因みに見た目だけなので、子供には100%遺伝子しない。この事実は王家には内緒である。術料はアルベルティーナの身柄の確保である。これで、浚われる心配はなくなるであろう。
---セイ---
子供を産んだのに胸が大きくならない。う~ん、ちょっと納得がいかない。そんなことを授乳時に悩んで居た頃、懐かしい人が、私を訪ねてアルメリア公国の公都にやってきてくれた。別邸から行政区の屋敷に転移させて貰い、出迎えの準備をしていく。
「セイ!」
駆け寄って来た少女。私の召喚後に初めて友人になってくれたエリザベス・アシュレイである。
「ベス…久しぶりねぇ」
彼女を愛称で呼ぶと優しい笑顔を向けてきた。問題は彼女の護衛達である。元スランタニア王国第三騎士団…その団長であるアルベルト・ホーク様。ケンが手をくだした所長と友人であった人物である。
「セイ、迎えに来たぞ」
迎え?
「迎えってどういうことですか?私はこの国の国民ですけど…」
「可哀想に。洗脳されたのか?さぁ、一緒に帰ろう、スランタニア共和国に」
「帰るべき場所は別にあります。娘が待っていますし」
「「娘?」孕まされたのか?アイツに…」
私に詰め寄って来たホーク様。その彼を払いのける私の護衛であるリーシェ。
「聖女様に詰め寄るなよ」
切っ先をホーク様に向けるリーシェ。
「貴様…アイツの仲間か?」
「それは、この国に敵対するってことだよな?」
突然、ホーク様を含めた第三騎士団の姿が消えた。この国に敵対する者は結界により総て、聖シュルール協和国の地下牢へ送られる。突然のことにベスが固まってしまった。
「この国の防御システムで、この国に敵意、悪意を持つ者は、聖シュルール協和国の地下牢へ転送されるんですよ」
「聖シュルール協和国の地下牢に?」
「えぇ、その上で取り調べをして、正当な裁判を受け…罪があると判断されれば、それ相応な場所で教育されるんです」
「ホーク様は…」
「分かりません。教皇様が適切に処置を為さるでしょう」
聖女と聖者のいる国に敵対したんだもの…それ相当の罰は与えられるのでしょうね。
「セイ…洗脳されたの?」
心配そうに私の顔をのぞき込むリズ。
「洗脳なんてされないわよ。聖女を洗脳って、出来る人はいないと思う」
「それよりも、娘って?」
「産まれたばかりでリーアって言うのよ」
「誰との子供?」
「結婚をした相手の子供だよ」
「えぇぇぇ~!結婚したの?」
リズの問いに頷く私。結婚出来ない女と思われていたのかな?
「旦那様はどんな人?」
「毎日仕事で飛び回っているわ。そういう点では真面目かな」
「商人?」
「でもあるし。この国の王配だよ」
「王配?じゃ、セイは側室?」
「そうなるわね」
「それでいいの?セイは…」
心配そうに、泣きそうな顔で私を見つめるリズ。
「うん。子作りは私が主導権を握ったしね。私も彼も統治には興味が無いし」
「あぁ、だから王配なんだ」
そう、女王の配偶者なんだよ、彼は…表的には聖女の夫って立場になるんだろうけど…うふっ