カノジョ探しの異世界行   作:もっち~!

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教皇の掌の上

 

---ケン---

 

あの聖女見習いの教育は、教皇からの指名依頼扱いとなった。経費をたんまりと貰うか。聖女の力が駄々漏れのせいか、植物の発育が良い感じである。

 

「いいなぁ。祈りを捧げずに聖女の力が出るなんて」

 

セイが羨ましそうにカロリーナを見つめていた。

 

「凄いですね」

 

光の聖女のマリアは驚いている。聖なる力が目で見えているのだろう。

 

「でも、駄々漏れが無くなると、身食いになりそうですね」

 

と、マイルが警鐘を鳴らした。確かにそれはあるな。どうするかな。このまま駄々漏れでもいい気がするな。

 

「取り敢えず、意識して流すようにしてみて。漏らす分は地面に流す感じで」

 

電気と同じで漏電予防はアース接続だ。

 

「分かりました。やってみます」

 

聖女組と別れて、緑の塔にある魔導具研究所と書かれた部屋に移った。魔導具研究班は俺とマイル、ダリヤである。現在研究しているのはキッチンカーである。内燃機関付きの屋台だ。

 

「小型のボイラーを作ってみました」

 

ダリヤが試作品をテーブルに載せた。

 

「これって貯水タンクはSL並だよね?」

 

「パワー重視であれば」

 

「やはりゴーレム方式がいいよ~」

 

マイルの案は小さいゴーレムが、内燃機関内でピストン運動するって物だ。

 

「そんなに高速で腰を振れるのか?」

 

タコメーターの単位ってrpmだったよな。それってアイドリングで2000回転/分ってことで…

 

「腰が折れるかな」

 

「モーター駆動として、電気を作り出した方がいいんじゃないか?例えば、水魔法のウォーターフォールとか」

 

ウォーターフォールは水を落とす系で滝をイメージするといい。

 

「水力発電ですか?キッチンカーの高さなんか、低すぎるでしょ?」

 

「ダリヤ、空気で発電は出来ないか?」

 

「空気でですか?う~ん…」

 

「例えば、空気中に漂う魔素を集めて、ソレを使えないか?」

 

「魔素を何かで反応させて、力を発生させるんですね」

 

「マイルは頑丈で軽い車体部分を試作してくれ」

 

「了解です」

 

「取り敢えずは馬で引っ張る方式だ」

 

全然魔導具では無いが…

 

 

そして、また教皇からの指名依頼…

 

「今度は何ですか?まだ聖女に仕上がってません。いっそ、教皇にしちゃうのはどうですか?」

 

祈らずに聖女の魔力が駄々漏れなんだし。

 

「まだまだ現役なんだが…」

 

このオババはまだ引退する気は無いらしい。

 

依頼内容は、とある伯爵が結婚をしたいが王家から許可が下りないと言う苦情の解消だそうだ。探りを入れると、王家としては伯爵に王女を、伯爵の婚約者に第二王子をあてがいたいらしい。

 

「それは伯爵家の力を王家に取り込みたいってことですか?」

 

「じゃろうな」

 

「国を出るか、教皇が豪腕をふるって結婚させるかですよね?」

 

「両方でどうじゃ?」

 

じゃ言葉で威厳を出そうとする教皇。

 

「領地ごと転移させて、公都の教会で式ですか?豪腕すぎるでしょ?って、その国と戦争はカンベンしてくださいよ」

 

平和が一番である。地図を見せてくれたのだが、結構広い領地である。これを転移かぁ…元々辺境伯の砦だった城も込みかぁ。アルメリア公国にしては物々しい重厚感なデザインであるなぁ。

 

「この無骨さはアルメリア公国の雰囲気に合わないけど…」

 

いや、待てよ。あの国を潰して、転移させるか?

 

「なぁ、元スランタニア王国とフリージア王国の国境でもいいか?」

 

「構わんぞ。。元スランタニア王国には罰が必要じゃ。好きなだけ国土を奪っていいぞ」

 

あとはプライドに話を通して、フリージア王国の辺境伯に据えて貰えば…

 

 

プライドに話を持ちかけるとオーケーと言われた。グラナド辺境伯の噂は知っているそうだ。富国強兵時代の生き残りで、城の使用人達の戦力までもがデカイらしい。

 

「フリージア王国としても、強化出来る上、税収も期待できるし、いいこと尽くめだわ」

 

と、ティアラも頷いている。

 

では、グラナド伯爵に話を通して、転移陣を設置するかな。転移陣設置の際に王家からの妨害予防として、クラン『エチゴヤ』にガードを任した。俺とマイルは陣の設置で手一杯であるから、襲撃された時に戦力にならないし。

 

王家の妨害が入る兆しがあったが、アルファの組織した影の軍団が暗躍して、有耶無耶にしてくれたそうだ。

 

そして、領地ごとの転移…

 

次に結婚式の準備である。グラナド伯のフリージア王国への編入歓迎会をしながら、結婚式の準備を詰めて行く。

 

「ウェディングドレスはスパイダーシルクで作ります。今日はデザイナーと作り手をお連れしましたので、サイズを計らせて貰います」

 

デザイナーとしてアナスタジア、作り手代表としてトゥーリを連れてきた。

 

うん?アナスタジアと新婦のマリー嬢が見つめ合っていた。

 

「マリー?マリーなの?」

 

「お姉様…」

 

二人はそれぞれの元へと走り寄り、抱きあっている。これはどういう展開だ?

 

「主様、この子が生き別れた妹のマリーです」

 

と、アナスタジア。

 

「ありがとうございます。お姉様と旦那様を助けて頂いて…」

 

二人から感謝された俺。なんで、こうなった?教皇の手の平の上で踊らされたのか?感謝される事に慣れていない俺は戸惑うばかりである。

 

涙の再会後、アナスタジアはマリーの採寸が終わると,デザイン画を提示していた。そのデザイン画とは別に、プライド、ティアラの新郎新婦デザイン画を希望しているプライド母。姉妹で結婚をさせたいのだろうか?

 

「だって、素敵なカップルに見えるでしょ?私のプライベートルームに飾るのよ。プライドちゃんが全然里帰りしないし」

 

って…俺が悪いのか?ティアラなら、ちょくちょく遊びに来ているけど…

 

 

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