カノジョ探しの異世界行   作:もっち~!

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神殿とオークション

 

---ケン---

 

レインリヒに紹介状を書いて貰い、領主の館へと向かった。呼び鈴を押すと、玄関に出てきたのは女の子…

 

「お兄ちゃん、何の用?」

 

レインリヒからの紹介状を手渡した。マイルとプライドがいつでも斬れるように待機している。女の子でなくて、亜人なのか。それも、二人が警戒するほどのバケモノか。

 

「そんなに警戒しなくてもいいよ。ボクが領主のオリゴールだよ、お兄ちゃん」

 

コイツが…

 

「ボクは敵対する気は無い。取り敢えず、中で話そうか」

 

執務室に通された俺達。未だにマイルとプライドの警戒は解かれていない。

 

「お前…病気か?」

 

オリゴールの纏うオーラに歪な感じを得た俺が訊いた。

 

「えっ?凄いなぁ、お兄ちゃんには分かるのか…でも病気で無くて毒だよ」

 

毒?ふふふ…ここに完全無比な解毒剤があるんだが…俺も研究をした。なまじ口から注ぎ込むから臭いのマズいの言われることに。ならば、ダイレクトに胃の中に転移させれば問題ないのではと。なので、あのエリクサーもどき最新バージョンをオリゴールの胃の中にダイレクトインさせた。

 

「うっ!何をしたの…えぇぇぇぇ~、くっさぁぁぁぁ~!」

 

床を転げ回るオリゴール。あれ?なんで?

 

「ダイレクトインさせたんですか?胃液に反応して発生したガスが鼻腔内に達したんでしょうね」

 

って、笑顔のマイル。あぁ、そういうことか。目の前には涙目のオリゴールがいるが、彼女の纏うオーラは正常なものになっていた。

 

「あっ、毒の効果を感じないけど、臭いよぉぉぉぉ~」

 

泣き叫ぶオリゴール。

 

 

何をしたのかをオリゴールの側近の者に話し、オリゴールが落ち着くのを待った。確かにアイツの吐く息のせいか、室内が臭い。窓を開けて、換気する。胃酸に反応して発生したガスって、臭いってもんじゃ無い。多分体内の汚れた空気も混合しているのかもしれない。

 

「凄い解毒剤だけど、臭いはどうにかならないの?」

 

涙、鼻水、涎をダダ漏れしているオリゴールに訊かれた。その絵面は、淑女としての尊厳が風化しているように見える。

 

「原料自体が臭いのに、それを濃縮しているからなぁ。無理な相談だな」

 

「そうか…で、独立問題だっけ?」

 

冒険者ギルド本部からの依頼内容を伝えた。

 

「戦争を回避…無理かもしれない。国王陛下は慎重派であるから、今すぐにどうこうでなくて…でも国王の側近達はヤル気満々だからね」

 

「まぁ、戦争されると、冒険者としては困るから…第三勢力が参戦する用意があると心に刻んでくれればいいよ」

 

どこの国が参戦とは言わない。

 

 

せっかくだし、ヤーシスのところに顔を出すと、王都で闇オークションが開かれると言う。せっかくだから寄ってみるか。軍資金として白金貨100枚があるし…

 

と、いうことで他国の王都であるラシアユにやってきた。護衛はプライド、マイル、シロだけである。アイナ達はアインズヘイルに置いてきた。アルファからの定時連絡で、既に国が動いていることを知ったのだ。もうアインズヘイル付近で新兵訓練を行い、その者達を先遣隊として向かわせ、その後ろには正規騎士団が続いていると言う。まだ、アインズヘイルは独立宣言もしていず、国として宣戦布告もせずに、アインズヘイルで新兵訓練と表した軍事行動に出るようだ。

 

「向こうに行かないでいいのか?」

 

アナスタジアの製作した男装衣装を着込んでいるプライドに訊かれた。

 

「転移術でグラナド騎士団、アルメリア公国騎士団、シロガネ、クロ、隼人パーティーを展開しているし、アルファ達の影の軍団も撒いてあるから。オーバーキルかも」

 

俺がここにいることで、アインズヘイルの防衛はしていないと思わせるのも手であると、軍師ティアラに助言されているし。

 

「他人の王都を楽しみましょうよ」

 

とマイルが屋台の食い物をリサーチしている。俺は魔導具を物色だな。それぞれが興味の有る物を物色し時間を潰し、いざオークション会場へと向かった。そうそう、レインリヒがあの世界樹の葉っぱ1枚をオークションに掛けたそうだ。最低価格は白金貨100枚だそうだ。儲ける気か?

 

入り口で仮装舞踏会で被るような仮面を渡された。買手の顔が割れることを防ぐ為らしい。尚、この裏オークションの主催は、この国の神殿で、神殿の地下に裏オークション解除が設置されているそうだ。いいのか?神殿がそんなことをして…教皇的にはアウト案件かな。

 

「売り上げの一部が寄付として神殿に渡るそうで、教皇様も見ない振りをしているらしいですよ」

 

と、いつの間にか傍にガンマがいて、教えてくれた。巨額の寄付かぁ。まぁ、目を瞑るか。得た寄付の使い道が真っ当な資金使用であれば…

 

「最初の商品は10代の男性犯罪奴隷です。男盛りでペットにしてよし!盗賊団の団長をしておりました男ですから、反骨精神が強いかと思いますがそんな男を調教してみたい人には絶品ですよ。それでは、10万ノールから」

 

神殿で奴隷を売るのか…なんか、この国はおかしくないか?王族がクソなのか?それとも傀儡で、側近にアホがいるのか?神殿開催のオークションとしては、いいのか、これは…って、出品が続く。天使のミイラとか、人魚の奴隷とか…何を信仰しているんだ?この国では、妖精や天使も亜人扱いなのかと思えて来た。

 

「今回のメインです。なんと幻と言われた世界樹の葉っぱ1枚が出品されました。最低価格は白金貨100枚です。ではスタートです」

 

白金貨10枚単位で値が上がっていく。う~ん、安く売りすぎたかな。結果、白金貨500枚で落札された。どこのバカが買ったんだ?相当腕の良い錬金術師でないと、エリクサーには出来ないはずだが…

 

「次はハーフエルフの少女です」

 

「主様、買いですよ」

 

と、ガンマ。舞台上にいるハーフエルフの少女は衰弱しきっている。怪我もしいているようだ。虐待の結果だろうか?

 

「このハーフエルフは様々なスキル抵抗があり、当然それは奴隷契約も含まれますので、触れず、弄れず、命令できずですが、鑑賞用にいかがでしょうか?」

 

「主様…」

 

ヤーシスの狙いも、コイツなのか?最低限の食事しか与えられていないのだろうか。これが人間至上主義の国の現実か…

 

「分かった。資金はある。落とそう、この国も…」

 

 

オークションの帰り、お城へ行き王様とお話をしました。アインズヘイルへの侵攻した戦力は殲滅した知らせの後だったらしく、特に抵抗もなく、アインズヘイルの独立を認めてくれました。ついでに洗脳されているようだったので、アレを使い正気に戻してあげました。

 

「で、お前を傀儡にしたヤツは、わかるか?」

 

「たぶん…ゲルガー公爵かと…」

 

ソイツが元凶か…

 

別邸に戻る際に、ガンマにゲルガー公爵の調査を依頼した。その後、俺達は漸く、あのハーフエルフの少女と別邸に戻った。

 

翌朝、俺の上にはウェンディが載っていた。昨晩、あの少女にマインドヒールをしていてマインドロストになったようだ。あの少女、ミゼラと言うらしいのが、だいぶ元気になったそうだ。全身にあったキズは既にセイとセイディによって治療したそうだし。

 

朝飯のTKGに納豆、味噌汁を食していると、ミゼラが食卓にやってきた。

 

「これ、腐っているんじゃ…」

 

俺の食している納豆を指差して言う。

 

「これは豆を発酵させた物だ。腐敗と発酵は別物だ。あとでダリヤに教えて貰え」

 

納豆を作る魔導具を発明したダリヤ。が、納豆は転生者で無いと敷居が高い。今のミゼラのような指摘をされてしまう。

 

「ここでの生活に慣れたら、学校へ通って学べ。いいな」

 

「わかった…」

 

今日は呼び出しが無いから、錬成作業でもするかな。

 

 

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