カノジョ探しの異世界行   作:もっち~!

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王家の証

 

---ケン---

 

開拓予定地に生えている世界樹をパーツに錬成して、除去していく。設計はマイルで、作っているのは訪問販売用の屋台である。車内にはダリヤの発明した調理器具が設置してある。

 

「IH器具にしたのは正解だな。温度調節が楽だし」

 

IHとは「電磁誘導加熱」のことで、、金属の近くで磁石を動かすことで電気が生じる現象である。この時に発生するのが渦電流で、対象物を直接加熱し暖めることが出来る。その工程の磁石を動かすことを魔導具にやらせたのだ。パーツ類は俺の錬成であるけど、金属類の生成はマイルが行ってくれた。そんな俺達3人の様子を興味深そうにミゼラが見つめていた。

 

「興味あるのか?」

 

「うん…今日はどんな料理が出来る器具なの?」

 

興味は食い物なのか。

 

自走式馬車の件は、魔力モーターにしてみた。魔力を注ぐことで電気を発生させ、電気自動車を動かす感じである。注ぐ魔力は電気属性、所謂雷系か無属性に限る。魔石は大量にあるので、魔力をチャージ出来る魔力バッテリーを作り、ソレを搭載することで、該当魔力の無い者でも運転出来ようにする予定である。

 

「錬成士…便利だよね?」

 

ミゼラに訊かれた。

 

「上級職である錬金術師になれないと不便だよ。金属の精製が出来ないし。錬成では単一物質しか扱えなくて、不純物が取り除けないんだ」

 

不純物があると電気抵抗値が変わってしまう。

 

「そうなんだ…」

 

ダリヤに錬成を教える時に、一緒に教えてみるかな。

 

 

まったりと開発三昧の日々を過ごしていると、教皇から指名依頼が入った。マインのいた国からの依頼で、王家継承の証を探して欲しいって。はぁい?なんだ、それは?

 

「それはどういう物なんだ?」

 

「王家の者しか立ち入れない場所に資料があるらしい。なので聖女が王家に養子縁組をせねばならないそうじゃ」

 

「それは聖女を献上せよって?」

 

「直接的に言えば、そうだな」

 

「拒否でいいか?アルベルティーナの悲劇の繰り返しになりそうだ」

 

本人の意思を無視しての王家への縁組み…碌なことにならない。

 

「結界無効スキルをお主は持っていたよのう」

 

「あぁ、確か…」

 

久しぶりにステイタスを確認した。確かに持っているなぁ。

 

「俺に探せと言うのか?」

 

「どこでも制限無く入れるだろ?」

 

「それはそうだが…」

 

 

教皇の命を受けて、エーレンフェストの街の神殿の神殿長として赴任することになった。側仕え聖女としてカロリーナ、見習いであるがマイン、側仕えとしては男装の麗人になったプライド、マイル、メイドはアルファにしようと思ったがエルフはダメと言うことで、戦闘メイドのリーシェにした。

 

そして、神殿に着いて、直ぐに問題が発生した。前任者の神殿長が辞める気が全く無く、内政干渉だと教皇の指示を無効だと王に訴えたのだ。そして、玉間…

 

「どうして、このような形で参ったのだ。縁組みで来て欲しいとお願いしたはずだ」

 

「教皇の命を受けて参ったのです。それに縁組みならば、この件は受けないと伝えたはずです」

 

「貴様、平民の分際で頭が高いだろ!」

 

と王は怒り心頭で、前神殿長が高飛車な態度でいる。どうやら、この前神殿長は高位貴族らしく、王ですら邪険に出来ないようだ。

 

「ならば、この話は無かったことに」

 

「待て!聖女は置いて行け!」

 

「断る!」

 

「平民が口答えをするな!おい近衛よ、こいつを引っ捕らえよ!」

 

って、王ではなく前神殿長が叫んだ。玉間に騎士達が入って来た。カロリーナ以外、全員戦闘職である。臨戦態勢を取る。

 

「聖女様はこちらへ」

 

とガキがカロリーナに近づいたので、プライドがそれをはねのけた。

 

「貴様!第一王子に何をするんだ!聖女以外は殺せ!」

 

前神殿長である神職が殺せと命じていいのか?この国はダメだな。

 

「わかった。今の言葉は戦線布告と取らせてもらう」

 

プライドがキレた

 

「私はフリージア王国第一王女プライド・ロイヤル・アイビー。貴様らが侮辱した新しい神殿長は我が婚約者で、教皇様認定の聖者様であるぞ。頭が高いのはどちらかな?」

 

葵のご紋が出そうなフラグを立てたな。仲間以外に『畏怖』を発動してみた。空気の質が一気に変わる。王や騎士達が震えている。前神殿長は既に意識が無く倒れている。

 

「アルメリア公国の王配もしている」

 

一応、正妻の存在も出しておく。妻に男装させる趣味があると思われるのは心外であるから。

 

「アルメリア公国だと…」

 

フリージア王国はグラナド卿が来たことで、周辺各国に恐れられている。アルメリア公国は売られたケンカは買う国と思われているし。

 

「貴様…謀ったのか。この国を落とすのか?」

 

「落とすも何も、教皇命令で赴任しただけです。俺は王配で国の運営にはノータッチですから」

 

「主様は、シャドーガーデンの王でもあるぞ。頭が高いぞ」

 

いつの間にか現れた耳を隠したアルファ。シャドーガーデンとは、アルファの組織した影の軍団のことらしい。

 

「あの殺戮集団のボスだと…」

 

へ?殺戮集団?アルファ、お前、何をしているんだ?

 

「おい!コイツらを捕らえよ!」

 

王の命令…だが騎士達で動ける者は既にいない。アルファ達とシロ、マイルが一気にケリをつけていた。

 

「まさか、この人数で…」

 

俺の意図しないことで、エーレンフェストは落ちたらしい。で、俺が王だと思っていた人物は只の領主だったらしい。この後、本物の王と対談することになった。所謂戦後処理らしいが、戦争でなくて小競り合いだったのに…

 

 

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