カノジョ探しの異世界行   作:もっち~!

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運命的な出会い Part1

---ジオルド・スティアート---

 

「姉さんに会わせてください」

 

カタリナの義弟のキースが直談判に来た。結婚前の大事な時期故、王宮で軟禁して王女教育をしていたのだが、兄達の側近共がカタリナの『人タラシ』スキルを『魅了』と勘違いし、魅惑の魔女として人知れず国外追放処分してしまったのだ。今更、そんな顛末をクラエス公爵家に言え無い。いや、正直に言えば兄達のせいか。

 

「実は、兄達がカタリナを恐れて、魔女として国外追放してしまったんだ。今、私の勢力でカタリナを探しているところなんだ」

 

「おい!軟禁しておいて、それなのか?姉さんを護れきれないなら、婚約者の資格は無いだろ?」

 

キースの怒りに油を注いでしまったようだ。私の胸ぐらを掴み、迫るキース。

 

「王位継承争いに、姉さんを巻き込んだのはお前だ!」

 

私を押し倒して、部屋から出て行くキース。

 

「王子、連絡が届いています」

 

捜索に向かった手の者からの連絡が届いた。カタリナを載せたと思われる馬車が、森の中で大破して見つかったそうだ。馬車の破片の周りは血の海の痕跡があり、ゴブリンと思われる死骸が多数あったそうだ。

 

まさか、ゴブリンの集団に襲われて…最悪の結果が脳裏を覆い尽くしていく。兄達の側近は皆殺しだな。

 

 

 

---ケン---

 

隼人とは再会の約束をして別れ、レインリヒ相手にギルド登録をしている。この老婆、俺の身体にギルドカードを埋め込みやがった。これも錬金術になるのかな?

 

『ギルドカードオープン』と唱えるとギルドカードが目の前に表示された。冒険者ギルドランクA、錬金術ギルドランクCとある。

 

「純鉄のインゴット化ができるならランクC相当だ」

 

あれは錬金術では無いんだけど…まぁ、いいっか。

 

「ステイタスがまるで表示出来ないとはなぁ…」

 

通常はHPやMPなどの数値がランク表示されるらしい。

 

「違う国のギルドカードを併合した弊害かもしれぬな」

 

この世界では国を跨いで活動する冒険者は珍しいらしい。

 

「冒険者ギルド本部の推薦が、他国の公爵家の者っていうのも珍しいな」

 

アイリスが所有権を誇示しているらしい。レインリヒ曰く『タスメリア国アルメリア公爵家の者であるから、手出し厳禁』ってことになるらしい。

 

「ふふふ、浮気はできんぞ」

 

レインリヒは知らない。俺がアイリスとカタリナの二人に二股状態であること、それとは別に静、萌をさがしていること。知れば、罵られるだろうな。『浮気者めっ!』と…

 

因みに裏技であるが、ギルドカードにはフレンド登録機能があり、遠距離でも連絡ができるらしい。馬車の中で隼人に教わり、既に隼人とはフレンド登録がしてある。で、今レインリヒもフレンド登録をしていたし。遠くにいても無理難題が飛んで来そうだな。

 

「錬金は錬金室で行うのがルールだ。奥のレンタルスペースを使いな。料金はインゴットの買い取り価格から引いておく」

 

えっ?そんなルールがあるのか。薬草を摘んだ先で錬成していたけど…

 

「瓶類も有料だからな。で、お前さんが納品するのは中級以上とある。量は作れるだけってあるが、何本作る?」

 

「100本ならアイテムボックスに作り置きがあるけど…」

 

アイテムボックスから作り置きのポーションを取り出し、レインリヒの前に置いた。

 

「…おい…これって、最上級ポーションじゃ無いか…」

 

老婆の表情が歪んでいく。

 

「え?まさか…レシピは中級だったはず…はて」

 

最上級が100本かぁ~。買い取ってくれるかな?国家予算並になりそうな予感である。

 

 

レインリヒに促されて、冒険者ギルドへと向かう。地図を書いてくれたし、迷子にはならないだろう。万が一、迷っても、フレンド機能で解決出来るだろう。

 

広場の噴水辺りに来ると、無性に良い香りがしてきた。あぁ、屋台だな。喰うか。小銭はレインリヒから貰ったので、買い食いは出来るはずだ。

 

 

『さあさあ寄ってらっしゃい寄ってらっしゃい。今日は港町メラルドからの新鮮な海魚の塩焼きだよ! 絶品の一品がなんと700ノールだよ!』

 

『お客さん見て行ってー! かの有名なヘレン牧場の牛を焼いた牛串が一本なんと800ノールだ!」

 

『さあ、お客さん肉や魚もいいもんだが主食がなくちゃいけないね! フェイルズ平原で取れた小麦を使ったふっかふかの白パンだ! これが肉にも合うし魚にもあうんだからたまらない! お一つ1000ノールだが、その分ボリュームも満点だよ!』

 

屋台のオッサン達の声もスパイスの一部だな。待てよ。白パンが1つ1000ノール?日本円で1000円って感じか?魚の塩焼が700で、牛串が800なのに?パンが高すぎるだろうに。物は試しでその3つを買い、噴水の縁に腰を下ろした。まずは魚の塩焼きを一口…うん、魚を自分で捌いて塩焼きにした方が良いかな。焼き加減の問題か、塩加減の問題だろう。

 

そして牛串の肉を白パンに挟んで…旨い。これは、お土産に出来るレベルだな。後で、大人買い…ってッ…コチラを見つめる少女がいた。ネコ耳少女である。魚の塩焼きを渡すと、美味しそうに完食し、肉をサンドしたパンをロックオンしている。これもネコ耳少女に渡し、恐る恐るネコ耳少女の耳た頭をモフモフと…猫人族の付き人はアリだと思う。そんな妄想が脳内を駆け巡っていく。

 

「はぁ……探しましたよ。はぐれないでくださいと言ったではないですか。おや?」

 

ネコ耳少女の連れらしきオッサンがやってきて、彼女に小言を言っている。

 

「あー……ダメじゃないですか。奴隷に勝手に、ご飯を与えるのはマナー違反ですよ」

 

「奴隷?」

 

「ええ、首輪が見えるでしょう? これは奴隷の印なんです。ご存知ありませんか?」

 

猫だけに首輪…ファッション出なくて、奴隷の印?

 

「そうなのか?知らなかった。すまない」

 

「なるほど……変わった服装を見るにどこぞの貴族様でしょうか? それならばこの奴隷をお買いになられませんか?」

 

「買いたい」

 

「即決ですか?お金はありますか?」

 

「物納で良ければ…」

 

最上級ポーションなら持っている。確か1本1000万以上で売れるはずだ。中級で1本100万以上って言っていた気がするし。

 

「彼女はいくらだ?」

 

「ここで交渉するには……本当にお買いになるなら、後ほどヤーシス奴隷商館までお越しください」

 

「わかった」

 

オッサンとネコ耳少女の不揃いカップルが去って行った。そうだ!冒険者ギルドへ行かないと…

 

 




聖女のセイは5割増しのスキル、ではケンの場合は…
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