カノジョ探しの異世界行   作:もっち~!

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商売繁盛

 

---トビアス・オルランド---

 

冒険者達と商業ギルドの職員達が、オルランド商会にやってきた。

 

「差し押さえだと?どういうことだ?」

 

兄が商会長として対応している。

 

「あなた方の雇った弁護士から聞いてませんか?」

 

「高等裁判所に提訴する手筈だが…」

 

「裁判所は、民事、犯罪行為を裁く場ですよ。商業ギルドの案件は、裁判所では裁けないのを、ご存じでは無いのですか?」

 

建前はそうだ。だけど、支部利用者にはその辺りのルールはグレーである。顔見知りの職員相手には、慣例で通ってしまうし。

 

「民事案件だろ?ダリヤに一言詫びれば良いだろう?こんな大事にするな。商会の信用問題になるだろうが!」

 

「あれ?弁護士から聞いていませんか?ギルドランクがEに降格されたことを。もう、これ以上の降格は無いですから信用問題は気にされなくても良いんですよ。それに商会長のクセに、商業ギルドのルールをご存じないようですね」

 

「おい!この商会のバックには子爵様がついているんだぞ。弟の妻は子爵令嬢だと知ってのことか?」

 

「あれあれ?身内のことなのに、ご存じないのですか?弟君の奥方様は、子爵の血をひいているようですが、子爵は認知をしていません。そもそも、ギルドには王族も貴族も介入出来ません。国に属さない独立組織ですからね」

 

「な、な、なんだと!…おい!トビアス、どういうことだ」

 

今更のことを訊かれても…

 

「俺は何度も兄さんに言った。だけど、母さんの言葉を間に受けて…」

 

母は、兄さんにもダリヤにも『エミリアは子爵の血を引いて、商会として結婚は止められないの』と、子爵の威光を盾に、俺と結婚したと言いふらしていた。

 

「おい…じゃ、慰謝料代わりに差し出したって話は?」

 

兄さんの顔から血の気は引いていた。俺は一言も差し出されたとは言っていない。

 

「母さんの思い込みだ。婚約破棄の際、俺が慰謝料を払ったんだよ。それなのに、ダリヤが差し出すはずが無いだろう?」

 

「そんな…」

 

よろけながら、店の奥へ引っ込む兄。この商会はどうなるんだ?

 

 

 

---ケン---

 

小型魔導コンロ、IH調理器具の他、防水幌、雨合羽、長靴…ロセッティ商会の扱い品は多々有り、サスペンション付き馬車、防水幌の関係で、運送ギルド本部も、アルメリア公国に転移してきた。運送業に必要な魔導具が手に入る上、通運業務を行っているエチゴヤと話し合いがしやすいという立地条件があったらしい。

 

「マジックバックを安価に作って貰えないか?」

 

連日、エチゴヤに運送ギルド本部のギルマス…いやグランドマスターが、お願いをしに来ていた。

 

「価格が合わない」

 

「そこをなんとか…」

 

エチゴヤの配送員…要するに俺の様に、一度に沢山の荷物を運べるようにしたいってことらしい。

 

「冒険者ギルド本部、商業ギルド本部、錬金術師ギルド本部と値段を決めてくれ」

 

基本ダンジョンで拾って来られるアイテムバッグ。拾えば一攫千金が狙えるお宝である。それを安価で提供すると、値崩れが起きて、冒険者、商人、錬金術師の生活に支障が出てしまうのだ。俺は、それぞれのギルド会員であるので、それぞれのギルド本部の納得出来る価格でなら、出荷制限を掛けるなりして、卸しても良いと言ったのだが、運送ギルド本部で想定している価格と雲泥の開きがあるらしい。

 

「後は、レンタル方式だな」

 

「毎月支払うのか?」

 

「レンタルだからな。使用料はギルド本部で払って貰う上、誰に貸したかギルド本部で管理し、毎月転売されていないかの確認もして貰う」

 

転売が怖い。闇で売られるとマズい。闇商人は武器商人の手に渡ると、犯罪の温床アイテムになりかねないからだ。

 

「う~む…」

 

この問題は、もう少し掛かりそうだ。アイテムバッグ以外の商談は成立しており、商会の運営には問題は少ないそうだ。

 

 

「産まれたよ。母子共に健康ですよ~」

 

と、マイルから連絡が入った。ついにディアナに息子が生まれ、ディンと名付けたそうだ。今後ディアナの体調が良くなったら、彼女の家で俺達の結婚式をあげる予定だそうだ。俺に前以て話が無いのは何で?

 

「次こそは私だよね?」

 

って、カタリナ…どうなんだろうか?俺は誰ともヤッタ記憶は無いんだから。と、悩みながらのサスペンション付き馬車の開発…ミゼラと娘のアリスが興味深そうに、俺とダリヤの作業を見つめていた。

 

「とーさま、おやつは?」

 

アリスに訊かれた。馬車の調理器具で鯛焼きを焼いてみた。そして、アリス、ミゼラ、ダリヤに配った。

 

「たこ焼きは?」

 

ダリヤに訊かれた。

 

「タコが手に入らない。イカなら手に入りやすいんだけど…」

 

イカの魔物のクラーケンは良く出現をするので手に入り安いが、タコの魔物のテンタクルは中々出て来ない。

 

「後、紅ショウガが必要だよな?鰹節とソースも…」

 

マヨは手に入るが、ソースが難しい。中々中濃ソースの味が再現出来ないのだ。鰹節は未だ量産体制になっていないし。

 

「まぁ、和風なエリアが見つかれば、手に入るかもしれないし」

 

アルファ達に探して貰っているが、彼女達が和風を知らないので、手こずっているようだった。

 

 

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