カノジョ探しの異世界行   作:もっち~!

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再び集結

 

---ツバサ---

 

酔いが醒め、気が付くと全裸で牢屋にいた。後輩と二人、異世界召喚された模様で、今回も聖女召喚だった。あのバカ王子と目が合ったし…

 

後輩と抱き合っていた状態で召喚され、引き離されて、身ぐるみ剥がれて牢屋にぶち込まれたのだった。そういや、後輩の名前って、聖だったっけ…自己紹介の時、「たかなし」と言っただけだったので、あの聖とは気づかなかった。いや、敢えて気づかないように記憶を操作されていたのかもな。

 

全裸では、アレなので、俺の持ち物を強奪で引き寄せ、服を着てから、セイとセイの持ち物も強奪し、牢屋から転移して逃げた。逃げた場所には世界樹の生い茂る森である。ここが一番安全であるからだ。近くに人里すら無いし。

 

「ここは?」

 

「異世界だ」

 

「…先輩、落ち着いていますね」

 

「俺、二度目だから」

 

「…はぁい?」

 

「異世界召喚の経験者だよ」

 

亜空間収納には、前回に収納した物と、収納した覚えの無い物が入っていた。屋敷なんか収納した覚えは無いけど、世界樹を錬成して空き地を作り、そこに屋敷を設置した。俺の行動に絶句しているセイ。まぁ、異世界生活は手慣れた物だ。俺は経験者だしねぇ。セイを連れて屋敷の中に入り、彼女に前回の召喚の際の話を伝えた。

 

「並行世界で、私は先輩とここに住んでいたんですか?」

 

俺の薦めでラノベを愛読書として読んでいたセイの理解は早かった。

 

「そうだよ」

 

屋敷の中には家電が既に設置されていた。電気の供給は受けていないけど、家電は機能している。まぁ、深くは考えないようにするか。いや、魔素を取り込んで発電出来る様にしたのかな。いやいや、太陽光発電を組み入れた気もする。その辺りの記憶が曖昧である。

 

異世界召喚で俺的に問題だったのはトイレ事情である。乾燥機能付き温水洗浄便座無しでは、ストレスフリーに生きられそうも無い気がしたのだ。しかし、この屋敷のおかげで問題はナッシングである。冷凍庫には冷凍食品が満載され、電子レンジもあるので飢えることも無いだろう。水は魔法で作れるし。

 

「なんかこのお屋敷は至れり尽くせりですね、先輩」

 

「元の世界に帰りたいか?」

 

前回学習をして、元の世界への返し方は既に知っている。

 

「新婚生活が異世界って、粋ですよね。ここでノンビリ生きるのも悪くないかな。先輩は経験者だって言うし」

 

毎日終電生活より、ここの方が人間的な暮らしは出来ると思う。

 

世界樹の葉っぱを回収しつつ、世界樹を様々なパーツに錬成して、空き地を増やしていく。その辺りは前回の経験が生きる。

 

地図マップはマイル頼みだったが、転移する場所は記憶に残っていたので、まずマイル、カタリナ、プライドと接触をした。時が来たら合流してもらう為である。彼女達は俺と会うと前回の記憶がうっすら蘇ったようだった。直ぐに合流しない者には、マズいと思ったら、俺を呼ぶようにして貰い、その為のエマージェンシー用の魔方陣を手渡した。

 

 

 

---カタリナ・クラエス---

 

或る日、知らない男性が目の前に現れ…前世の記憶が走馬灯の様に蘇った来た。

 

「神野先生?」

 

目の前に現れたのは、家庭教師をしてくれた神野翼先生だった。

 

「そうだよ」

 

私が乙女ゲーの悪役令嬢の代表格であるカタリナ・クラエスに転生したことを先生から説明を受けた。

 

「学校へ入学する前に合流をする。それまでに貴族の振るまい、農業、地理、歴史を学んでおいて欲しい」

 

先生は拠点を設けていて、そこに転生者や召喚された者達を集める計画だと言う。

 

「がんばります。ねぇ、あっちゃんも転生していますか?」

 

親友のあっちゃん…彼女も先生の教え子である。

 

「あぁ、しているはずだ。前回はソフィア・アスカルトだったと思う」

 

「わかりました」

 

あっちゃんと再会出来るようだ。

 

先生と会ってすぐ、ゲームにおいて腹黒ドSだった王子とお見合いをした。私は拒否をしてのだが、何故か王子が私を気に入り、婚約が成立してしまった。そんなにイジメがいがあるように見えたのだろうか?

 

キースという弟も出来た。一人っ子の私が王子と結婚をすると、次期当主候補がいなくなるので、養子を迎えたようだった。そもそも、なんであの王子は一人っ子の私を婚約者にしたのだ?公爵家に対する嫌がらせか?流石は腹黒ドS王子である。

 

 

 

---アデル・フォン・アスカム---

 

アスカム家の次期当主であるけど、当主であった祖父が亡くなり、次期当主であった母も亡くなり、入り婿の父親と再婚相手の義母と義妹に家を乗っ取られ、下働きの様に扱われていた。そんな或る日、先生と再会した。その瞬間、前世の記憶が蘇って来た。そして、私に備わっていた能力も理解していった。

 

「海里、一緒に来ないか?」

 

「はい、先生。私を連れて行ってください」

 

もう下働きの身分はイヤである。先生なら酷い扱いはしないだろう。

 

「じゃ、今日この時点から、お前は海里、いやマイルと名乗れよ」

 

「はい!」

 

私は下働きから解放され、先生と共に冒険者になるべく、冒険者ギルドで登録をした。ギルドカードに表示されたマイルと言う名前が、とても嬉しい。

 

「家ではフィギュア人形を作っても良いぞ」

 

連れて行かれた先生のお屋敷には、生前の私の部屋があった。

 

「どうして…この部屋が…ここに?」

 

「異世界マジックだ。深く考えるな」

 

と、笑顔の先生。

 

 

 

---プライド・ロイヤル・アイビ---

 

「先生?」

 

目の前に、高校3年生の時に家庭教師をしてくれていた神野先生がいた。前世の記憶が蘇って来た。そうだ!短大に受かって、入学式までの長期休暇中に交通事故に遭ったんだ。

 

「どうする?今一緒に行くか?それとも、ラスボスに覚醒してから一緒にくるか?」

 

私は最低最悪の外道ラスボスに転生していた。このまま成長すると愛する家族や家臣達を傷つけてしまう。

 

「誰も傷つけたくない。だから、私を連れて行ってください」

 

先生は笑顔で私を受け入れてくれた。そして、森の中のお屋敷に転移をした。

 

「ここは?」

 

「死の森と呼ばれる魔王国に隣接するエリアだよ」

 

周囲を山脈に囲まれ、東西南北の4つ住処に4匹の龍がそれぞれ住んでいて、この森に封印されている者を見守っていると言われている。そんな伝説がある場所だった。

 

「ここなら人里が近くに無いし、落ち着いて生活出来る」

 

そうだけど…まぁ、私が覚醒すれば怖い者無しよね。

 

「現状、同居するのは、聖女のセイ、チーターのマイル、ラスボスのプライドと俺だけだ」

 

先生もたぶんチーターでしょうね。授業の合間に見せてくれた手品…あれってタネ無しのチート技だったんだと思うし。リクエストに応えて色々な手品を見せてくれていたけど、仕込む時間も無しに披露してくれたし…

 

 

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