カノジョ探しの異世界行   作:もっち~!

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運命的な出会い Part2

 

---ドミニク・ゴルツ---

 

「何だって…」

 

薬用植物研究所所長のヨハンのもたらした報告は恐れていた事態であった。

 

「聖女はセイが確定で、追い出した男は聖者の可能性が大だ。モエ、シズカにはセイのような5割増しの能力は無い。まぁ、シズカの場合は、あのクソ王子が後宮に入れてしまったせいで、実際には実測出来ないがな」

 

後宮は主以外に男性は入れない場所である。入るには男性性器を取り除くか、使用不可にしないといけない。そんな場所に研究の為名目で、我々は入れないのである。

 

「仮にシズカが聖女であっても後宮からは出せない。その場合、あのクソ王子の子飼いの聖女になる。あのバカの狙いはこれだろうな」

 

王子直轄の聖女…最悪な事態である。国家事案なのに、王子にしか利を得られなくなる。王ですら王子の後宮には口が挟めない。なんで、王子に後宮を持たしたんだ?文官のアホどもめ!

 

「で、どうする?」

 

ヨハンに訊かれた。

 

「探しようがない。それにもうすぐ1年も経つ。余所の国に根付いていたら、取り返せない。無理矢理奪還すれば、戦争ものだよ」

 

打つ手が無い。隣国にはいないみたいだし、別の大陸だろうな。我が国には冒険者ギルドが無い。あのネットワークが使えないのが痛い。

 

「商業ギルドや魔法使いギルドは使えないしなぁ」

 

もし聖者が本物とした場合、商業ギルド、魔法使いギルドも奪還戦に乱入してくると思われる。なんせ聖者は規格外のヒーラーの可能性を秘めているから。さて、どうするか…

 

 

 

---ケン---

 

ネコ耳少女を買う気満々な俺。アイリスとカタリナはどんな反応をするかな。モエは猫大好きだから問題は無いだろうけど…って、冒険者ギルドに着いた。

 

ギルド内に踏み入ると、ギラギラした視線が俺に突き刺さる。知らない者に対しての警戒、新人であるなら虐めのタイミングを計っているのだろう。これはどこの冒険者ギルドであることである。

 

窓口の受付嬢に用件を伝える。

 

「ギルド本部の依頼でポーションを納めに参りました。これは推薦状です」

 

ポーションを目にして目が点になる受付嬢。品質を確認したようだ。

 

 

「やあフィリル嬢! 今日は何かいいクエストがないかな!」

 

男の声がして、俺の持って来たポーションが、俺の頭の上に落とされた。おい!

 

ガラガラガッシャーンパリーンパパリーン。

 

床にポーションの瓶が落下して割れる音が、ギルド内に響いた。中には俺の頭で割れたポーションもあり、俺の身体はポーション塗れになっていた。こんなクソみたいな新人虐めもあるのかぁ~。BGMに俺の惨めな姿を笑う声が方々から聞こえている。

 

「このことは、ギルド本部に報告する。料金は3倍にして請求するからな」

 

青ざめた表情の受付嬢に告げ、新人虐めの主犯者を見た。

 

「クスクス……」

 

「ダメよ、笑っちゃ可哀想よ」

 

「だってよダーッハッハッハ!!」

 

あっという間に、ギルド内には連鎖した笑いの大合唱が生まれた。ここにいる全員が共犯ってことでいいなぁ?人知れず、ここにいる全員から財布を強奪した。まぁ、迷惑料ってことで貰っておこう。

 

「ざまあねえな。製薬ギルドのクソッタレが!」

 

主犯の男が俺に言葉を投げつけてきた。製薬ギルドってなんだ?ギルドカードをオープンして男に見せた。公爵家の家紋をバックに浮かび上がる『冒険者ギルドランクA』の文字…

 

「え…なんだって…お前…」

 

顔が引きつる男。

 

「何をやっている!」

 

ギルドの入り口の方から女性の声が響いた。このギルドの主様の登場か?真紅の鎧に紅蓮の長髪を揺らし、俺と主犯格の男の間に颯爽と立ち、俺の方へと振り向いた。

 

「おい……あれって、紅い戦線のアイナだ」

 

「なんでアイナさんが」

 

「ソルテさんもいるぞ」

 

有名人らしい二人の女性。隼人と同じランクSか?

 

「見ていたぞ。貴様が彼にポーションを頭の上から落としたところからな」

 

主犯の男を断罪する女、しかし鋭い視線は俺をロックオンしている。炎を象ったような紋章のついた剣が直ぐに抜けるように手を添えている。俺の行動に拠っては、斬り捨てる気か?

 

「なぁ、威圧を解いてくれないか?」

 

威圧?俺はそんなことをしていないぞ。お前が剣を抜いた瞬間に、俺は転移をすると共にこの建物を空間ごと遮断するだけだ。

 

「今回のことは依頼主に全部報告する」

 

俺はその場から転移した。

 

 

「どうした?ずぶ濡れじゃないか?」

 

錬金術ギルドに転移するとレインリヒに声を掛けられた。

 

「冒険者ギルドの連中に持っていったポーションを全部、頭の上から落とされたよ。この納品書にサインをくれないか?」

 

『最上級ポーション100本』と書かれた納品書に、冒険者ギルドの代わりに、レインリヒのサインをもらった。

 

「じゃ、依頼主のところに報告して、一旦家に帰るよ」

 

「また、来るだろ?」

 

「ネコ耳少女を買いたいから、また来るよ」

 

「はぁ?どういう意味だ?」

 

驚いた顔のレインリヒの前から、俺は転移をした。

 

 

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