それは突然起きた。日本列島が一夜にして消失した。消失の為か、津波が列島のあった場所から発生し、台湾、韓国、中国など沿岸エリアへと押し寄せた。前兆無き事態で、津波を迎えた国々はなすすべが無かった。
ロシアか、中国が何かをしたのか?世界中の様々な国々のニュースは連日、日本消失事件を報じた。
「どう思う?」
アメリカの地層学者で組織されたチームは、日本列島のあった海域に潜水艦を送り、検証をしていた。
「沈没した形跡は無いなぁ。砕けた後も無い。日本列島はまさに消失したようだ」
「問題は、4枚のプレートが集まり、或る意味プレートを押さえていた物がなくなり…」
「ちょっと待て…今、プレートも消失したようだ」
あり得ない計測結果に目を見張る研究者。次の瞬間、潜水艦は海中でシャッフルされていた。
「何が起こったんだ?」
「日本列島という、沈み込みの抵抗がなくなり、プレートの沈み込む速度があがったのか」
「そうじゃない。日本列島が押さえていたプレートも消失し、残っているプレートがダンシングしているようだ」
地殻プレートという、星にとっての皮膚が無くなり、マグマという血液が大量出血していく。大規模な海底噴火が起きた。噴火により、地球を覆う二酸化炭素濃度が濃くなっていく。
この大噴火を境に、アメリカとロシアは手を組み、宇宙ステーションを本格的に建築し、月に住める環境を整え始めた。
◇
あり得ない事態は続いていた。観測データを見ても明らかで、突然消失した日本列島、列島に隣接していた地殻プレートなどに加え、日本近海にいた海洋生物も消失していった。いや、近海だけでなく遠洋でもマグロなどの日本人好みの海洋生物が消失していった。
「まさか、日本は国土ごと、転移したのか?」
アメリカの物理学者が呟いた。
「どうやって?転移技術は日本には無いぞ。装置だってアメリカとロシアにしか無い。そもそも、どこに転移したと言うのだ?」
◇
その後、地殻移動が頻繁に起きる様になり、予測不能な大地震が世界中に襲い掛かってく。地震の揺れにより、地球の回転がブレ始め、衛星軌道中にある人工衛星や宇宙ステーションが、月面にある開拓居住区へ降り注いでいく。大量のデブリと共に…地球は滅亡の未来へと突き進んでいった。
この時になって地球を統べていた神が事態に気づいた。もはや生物が住めなくなった星々。地球の大惨事は地球だけにとどまらず、太陽系全体にに波及していったのだ。
一方、異世界転移させられた日本列島では、原発が次々にメルトダウンを起こしていった。海から冷却水を吸い上げていたのに、内陸部に転移したので、冷却が出来なくなったのだ。
突然の爆発、降り注ぐ核の灰。神はマズいと思い、折角手に入れた日本列島を地下に封印し、世界樹によって放射性物質を浄化し始めた。放射性物質は世界樹を介して魔素となり、その世界に拡散していった。まだ、神しかいない世界で、ふらりと立ち寄った日本で手に入れたラノベの知識を生かして、様々な種族を生み出していった。そして、ラノベに出てきそうな国々で溢れる、日本語を共通後にした世界が出来上がっていった。