---ツバサ---
牢獄に戻ると、あの女はボロボロになっていた。身も心も…彼女の記憶を読むと、スザンナ・ランドール、ランドール侯爵家の次女で第一王子ジェフリーの婚約者で魔法省魔法道具研究室の部署長とある。
どうするかな…もう戻れない位精神はボロボロである。身体は洗えばきれいにはなるけど。ウェンディに頼んで、身体をきれいにしてもらう。着衣は体液塗れで洗ってもダメらしい。当面全裸で放し飼いしておくかな。見てもムラムラしないし。アンダーヘアの茂みに奴隷紋っを入れて置くか。ここなら先ず見えないし、調べもしないだろう。そうだ、学校が出来たら、魔法の先生にしよう!
「ウェンディ、洗い終わったら、メイド服を着せて、仕事を叩き込んでおいて」
「わかりました」
さてと、砂の除去作業に戻るか。砂はまだまだタンマリある。底がまるで見えない。後何メートルあるのやら。隼人パーティーのおかげで、ここが東京都千代田区であることが分かった。円形に見える山脈から想像するに、ここは山手線の内側か?で、死の森の中心部分だとして、この下には江戸城跡でもあるのか?
俺の考えを隼人、マイル、セイ、プライドに話した。
「僕もそんな気がするんです。このビルって、丸の内辺りかなっと…」
634メートルのタワーらしき物は見えない。そうなると底までは700メートルくらいか?いや崩れたビルが見えているから、タワーは風化したのか?
そうなるとそこまで200メートルくらいか。
「階数表示が風化していて見えないので、底までどのくらいあるか」
情報を共有しつつ、地下調査を続けた。
◇
山脈の向こう側なのだが、岩盤までそんなに深く無い。そうなると、山手線の内側だけ、異世界に転移したのか?
「ナノちゃんはどう思う?」
『首都部だけ転移して危機を脱した可能性があります』
その可能性もあるか。月の模様的に、ここが俺達のいた地球ではないのは確かである。この世界で見る月には兎を連想する模様がないのだ。
「兎に角、あの廃墟を調べてみましょう。調べた結果、1万年前のことに関われませんけど」
「いや、まだ使えるオーパーツ的な物があるかもしれない」
前回召喚された世界とは違う並行世界の可能性もあるな。より迷惑な神が存在する世界…
---アラン・・スティアート---
う~ん、この街は住みやすい。婚約者であるメアリーと同居しているアパート、快適である。階数は4階で階段が面倒であるが。現在、俺はアルメリア公国に楽士として雇われている。カタリナやソフィアは、それぞれの家に住んでいて、クラエス公爵、アスカルト伯爵はその爵位のまま、この国の財務大臣、宰相として働いているそうだ。
この国は頭を抱える問題が少ないそうだ。公女アイリスは贅沢をせず、国の象徴として、外務を担当しているそうで、実質国の舵取りをしているのは、彼女の旦那である王配だそうだ。爵位と言っても、貴族は3家しか無いそうだ。クラエス公爵家、アスカルト伯爵家、そして公王家であるアルメリア公爵家だ。
税収がまだ少ないことで、金策で頭が痛いことがあるそうだが、王配がどこからかお金を工面してきてくれるそうで、割と財務関係の仕事は楽らしい。
何よりも貴族が少ないことで、余分な支出が少なく、健全な国庫であるそうだ。そもそもここには城が無く、公女の館が城の役目をしているそうで、侍女や、メイド、騎士なども必要最低限な人数しかいないそうだ。因みに公女様はここに住んで居らす、通いらしい。なので、夜間の警備なんかも必要が無いと言う。ただ、他国の重鎮客などが来た場合、公女の館は迎賓館として機能するので、その場合は騎士達を常駐させ、メイド、侍女達も常駐勤務になるらしい。
「兎に角、無駄を削減して、国庫を護っているのよ」
メアリーは植物研究所に勤務しているそうだ。そこにはカタリナもいるとか。
「カタリナ様と同じ職場…いいでしょう?」
「あぁ、羨ましいよ」
「あっ、そうそう、アラン様、今度、植物達に音楽を聴かせて上げて下さいね。カタリナ様が音楽を聴いた場合の植生の変化を研究したいそうですの」
「わかった。その時は教えてくれ。最高の演奏をしてやる」