---ツバサ---
森の館にある会議室に、俺、隼人パーティー、セイ、マイル、プライド、そして俺の義父がいる。
「コチラで調べた結果を、知らせておく」
義父は神の代行者として、調査をしているようだ。
「この世界の神は色々な世界を臨界接続していたようだ。既に騒動の原因である神は始末してあるから、問題は少ないけど…」
問題は少ないけど、有るには有るんだね。
「ここの地下に有るのは?」
プライドが訊いた。
「君達のいた日本の未来だよ。この世界の神はイカレていた。日本その物を召喚し、住んでいた民衆を世界各地に転移させた」
勇者召喚でなく、聖女召喚ではなく、日本自体を召喚したのか…義父の言葉に唖然とする俺達。
「近代日本を古代文明として、召喚したようだ。その際、冷却水消失により、原発が軒並みメルトダウンし、焦ったバカ神は地下に封印してようだ。世界樹は放射能汚染を浄化する為に植えたらしい。根から放射能汚染を吸い上げ、魔素として空気へ放出したんだ」
この世界の神は何をしているんだ?そうなると、あの砂は核の灰混じりの可能性がある。半減期は過ぎて無害だろうけど。
「そうそう日本の消えた地球は滅亡した。1000メートル級の津波が沿岸部を襲いね。文鎮の様に、複数のプレートの縁にあった国だから、大地震も誘発したようだ。日本ごとプレートを引っ剥がしたらしく、地球の自転、周回軌道に誤差が出来、衛星軌道にあった宇宙ステーションは月と激突し、大惨事だったようだ」
日本召喚の結果に対して、言葉が出ません。何、その迷惑な神様は…
「あの神は、救済処置の名の下に、大惨事前の時間軸から、勇者召喚、聖女召喚をして日本人の保護をしているようだよ。ほんと頭が痛い…」
神の代行者の頭痛の種らしい、この世界の元々の神…
「なんで、日本限定なんですか?」
マイルが質問をした。
「言語体系的に、文字種も多く、基本文字数が一番多い国だかららしい。画数も多いし…古代文明ぽいって。なによりも一神教で無いお国柄がよかったらしい。そもそもが、あのバカ神のヤツ、日本発祥のラノベに嵌まっていたのが原因らしいけど」
あぁ、平仮名、片仮名で100文字近くある上、ローマ字、漢字もあるしねぇ。神に至っては八百万の神々だし。ラノベは日本の文化だよねぇ~
「そんな理由で?」
「イカレタ神ってそんな者だよ、まったく…問題は、魔王召喚をしているバカがいたことだな。今後、魔王が召喚されるかもしれない。それの対処を頼みたい。こちらでも対処するけど」
迷惑すぎる神もいたもんだ。神は始末したが、その下僕たる天使や精霊が未だにいて、信仰をしてくれる原住民に異世界召喚の方法を伝授しているそうだ。
「世界の中心はここであるのは間違いない。無闇に荒らされないように禁足地にした程だ」
召喚された日本の中心でもあるかららしい。
「この世界のバカ神が召喚術の元になる装置をどこに設置したのか、覚えていないのが大問題なんだ」
その装置を破壊しないと、召喚地獄が止まらないらしい。当面、その装置を見つけるのが俺の使命らしいが、見つけ次第破壊で良いらしい。
「また、調べた結果を報告しに来るわ」
って、義父がどこかへ転移して消えた。
---ツバサ---
終わりが見えない発掘作業…ふと思いついて、俺が住んでいた家を掘り出すことに決めた。場所は…勘だけが頼りである。
「先生の家って、山の手線の外側では?」
と、マイルの素朴な疑問…そうだ。ここは山の手線の内側と想定していたんだ。ダメじゃん。
「じゃ、東京タワーは?」
と、隼人。
「錆びて風化している気がする」
待てよ…原発のメルトダウン…首都圏内には原発は無かった。もし、日本列島が丸々埋まっているなら…首都圏以外は密閉状態で風化していない可能性がある。
「そうだ。寧ろ山の手線の外側は風化していない可能性がある。後、ラノベ狙いで召喚したなら、図書館とか所蔵品を劣化させない処置をしているんじゃないか」
目指すは有栖川にある公立図書館だ。近くに十番温泉があったはず。ナノちゃんに測量してもらい、当たりを着けた場所の砂から除去していく。そして、漸く十番温泉を掘り出した。地形的に谷底であったので、周囲の砂が流れ込まないように、周囲をブロック状に固め、防砂壁とした。
「おぉぉぉぉ~、温泉だぁ~!」
喜ぶ元日本人達。源泉に世界樹で錬成したパイプを刺し、森の館の湯船に掛け流しさせてみた。
「ツバサさん、これでいつでも温泉に入れますね」
隼人が喜んでいる。
◇
砂の下にあった日本列島なんだが、そこは時間が停止しているようで、コンビニの弁当が腐らずに残っていた。森の館まで持ってくると時間が動き出すようで、持って来てすぐならば、レンジでチンすると美味しく頂けた。きっとメルトダウンに焦ったバカ神様が時間を止めたのだろうか。バカ神様にとっての日本の文化財が腐らず、風化しないように…勿論、コンビニ内にある雑誌や漫画本などもそのまま残っていた。これにはマイン、ソフィアが狂喜乱舞していた。
「一生分の食料庫ですね」
マイルが喜んでいた。新鮮?なポテチが山のようにあるし…問題はまだまだあるある大量な砂である。相変わらず、カタリナの生まれた国へ転移させていた。そして数日後、あの国、ソルシエ王国はついに砂に埋まったと風の噂で聞いた。でも、廃棄場所は変えない。