---ティアラ・ロイヤル・アイビー---
執拗に冒険者ギルドに依頼をだしていたら、宣戦布告と取られたようで、一夜で王城は陥落した。お姉様が暴走した未来でも、もっと掛かったはずなのに
…
「じゃ、お前達に隷属の首輪を与える」
私とお母様は悪魔の前に跪いている。お姉様の手で装着される隷属の首輪…装着されると、首輪は不可視モードになり見えなくなっていく。
「今後、攻めようと思うなよ。フリージア王国はトキオ共和国の属国扱いだからな」
私のせいで魔王国から独立することになったらしい。地図で、この国の場所を示されると禁足地にあった。人間が踏み入れてはいけない場所。古代から神に侵入禁止にされていた場所であった。
森の中に立てられた館のリビングで、全裸でアイツに跪く私とお母様。一夜で無血開城され、私達だけをこの地に浚ってきた悪魔。
「ティアラ、私は哀しいわ。何の為に私は亡命したのかしら」
私の頭を小突くお姉様。
「いっそ、プライドがフリージア王国の次期女王になるか?」
「イヤです。ここに住めなくなるじゃないですか」
笑顔の二人…仲睦まじい姉夫婦…お姉様は幸せなそうな笑みを浮かべている。こんな表情のお姉様は、未来予知を含め、見た事が無い。衝撃的であった。
「そうそう、紹介しておく、俺の正妻であるセイだ。教皇認定の聖女だ」
正妻が聖女…お姉様でも勝て無い相手…
「で、こっちがアルメリア公国の公女であるアイリスだ」
これならお姉様の勝ちかしら。
◇
森の館…人間をダメにする魔導具が多い。温風乾燥機能付き洗浄便座…これ欲しい。掛け流しの温泉、肌がツルツルになる。未知の食べ物…美味しいどうやって作るのだろうか?一泊しただけで、私もお母様も森の館の生活に魅せられてしまった。
「毎度あり」
堕落すると分かっていても、洗浄便座を注文してしまった私達…
---ツバサ---
とある高層マンションの一室…見覚えのある部屋…誰の部屋だっけ?デスクの上に大量のモニターらしき物の残骸が並んでいる。トレーダー系の部屋だな、そういえば、15歳で株の取引で大儲けした少女がいたっけ。家庭教師で学校の勉強よりも株で儲けたいからって、トレーディングを手ほどきしたっけ。あの子の名前はなんだっけ…う~ん…そうだ優奈だ!
ベッドらしき物の上に人骨が横たわっている。頭にはヘッドギアか?ゲームプレイ中に息を引き取ったのか?
知り合いかも知れないので、その部屋の中を浄化し、魂が漂っている気配を感じたので、魂を昇華し、天国へ誘った。
その日の夜、森の館の近くで黒いクマを捕まえた。立ち振る舞いがクマらしくなく、人間が着ぐるみを着ているみたいで…
「先生、これ人間ですよ」
と、マイル。
「ほら、顔が人間ですし,チャックもあります。」
本当だ。クマソックリの手袋と靴を履いていた。こんな物どこで売っていたんだ?って、よくこんなふざけた装備で、ここまで来たな。
「ここに転移してきたのかな?足跡が無いですよ」
マイルがナノちゃんを使って周辺を捜査していた。ここに、ダイレクトで転移?どこかで見覚えのある少女がいた。頸動脈締めで意識を刈り取ったので、セイに回復してもらった。
「う~ん…」
目覚めた少女。
「ここは?アレ…先生?」
俺を先生よ呼ぶ少女。やはり、アイツなのか?俺が魂を昇華した為に、ここに召喚されたのだろうか?
「優奈か?」
「そうです…」
「このクマの装備はどこで買ったんだ?」
トゥーリが似合いそうだ。
「クマの装備?確か、神様に…」
神様?バカ神は排除したから、義父かな。知り合いなので、館の中に運び入れた。温泉に入れ、食事を与え、現在の状況を説明した。
「ここって、未来なんですか?」
「そんな感じだけど…不明なことが多い」
翌日、模擬戦をさせた。どの位のチートさなのかを知る為に…マイルより弱いかな。クマ装備になれていないだけかもしれないけど。
「このクマさんもパーティーのに入れますか?」
マイルに訊かれた。入れようかな。
「私の名前はクマではなくユナですよ」
「あぁ、ユナさんを冒険者パーティーにいれますか?」
「魔王降臨までに戦力を揃えたい。神様装備ならチートかもしれない。マイル、登録しに行ってくれるか?たしか6名までオーケーのはずだ」
「了解」
マイルとユナが転移して消えた。
「地下領域で魂を昇華すると、ここに召喚されるみたいだ」
俺と同じ聖属性のセイに伝えた。
「そうなると、地下領域には魂が封印されているんですかね、先輩」
「可能性はある。腐敗もせず、食べ物の時間が止まっていたくらいだし」
中性子爆弾でもくらったのだろうか?ユナの記憶は曖昧で、死ぬ瞬間のことを覚えていなかった。ゲームをしていたら、この森にいきなり転移したらしい。