梟の羽休め   作:ポン酢おじや

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鬼正綱

正綱は背中から足の長さ程のある二本の短槍を取り出し、まるで竜巻のように振り回す。

そして二本の短槍を目の前で交差させると、辺りに大きな金属音が鳴り響く。

 

「さぁ始めようか、梟よ」

「短槍術か」

正綱は左手に持つ槍を凄まじい速度で梟の首目掛けて突くが、彼は刀で簡単に弾く。

すると正綱はその場で回転し、右手に持つ槍で薙ぎ払う。

老齢とは思えぬ力の強さに梟は驚きつつも反撃するが、正綱は二本の槍を使い刀を弾いた。

 

そして高く飛び上がり、二本の槍で八の字に斬り伏せる。

 

梟は防御するもあまりの力の強さに後ろに下がり、続けて正綱は梟目掛けて飛び蹴りを仕掛ける。

 

「むん!」

 

梟は正綱の飛び蹴りを見切り、彼の足を地面に踏みつける。

 

しかし正綱は直ぐに梟の足を払って脱出し、回転の力を加え二本の槍を同時に横へと薙ぎ払った。

 

だが梟は高く飛び上がり、彼の腕を踏んで距離をとり避ける。

 

「離れても無駄だ!」

 

正綱は凄まじい速度で走り出し、梟は懐から爆竹を取り出し前にばらまく。

そして纏い斬りをするため刀を構えた。

 

爆竹が爆発した瞬間梟は刀を薙ぎ払うも、なんと正綱も爆竹を利用し二本の短槍に炎を纏わせた。

 

そして炎が灯された二本の短槍は梟の刀と辺りに金属音が鳴り響く程の強さで打ち合う。

 

「流石孤影衆の長...!」

そのまま二人の武器に炎が纏いながらも、攻防を続ける。

 

梟は正綱から距離をとり、手裏剣を投げる。

彼は手裏剣を掴み投げ返そうとするが、梟は正綱のすぐそこまでいつの間にか近づいていた。

 

正綱は二本の短槍を強く地面に叩きつけると、辺りは煙で包まれてしまう。

一瞬視界が遮られ、梟の追い斬りも手応えがなく避けられてしまった。

すると梟の後ろから手裏剣が飛んできて刀で弾いた瞬間、煙の中から二つの短槍を組み合わせて一本の双頭槍を持った正綱が現れる。

そして双頭槍を風車のように回転させ、梟を連続で斬りつける。

 

「ぬぅ...!」

 

そして正綱は回転したままの勢いで双頭槍を二つの短槍に分けて二本同時に薙ぎ払う。

梟は後ろに吹き飛ばされるも、瞬時に立ち上がり正綱に近づき刀で薙ぎ払う。

 

「ぐおっ!」

 

攻撃したばかりで防御の体勢が出来ていなかった正綱は吹き飛び、永遠亭を囲む壁に叩きつけられる。

 

「...やるな、梟」

「こうも槍を自在に操るとは」

 

すると正綱は梟へと走り出し前転すると、右足に槍の一本を装着して地面に両手だけでつけて体を回転させる。

そして右足に装着した槍で梟に攻撃していく。

 

梟は刀で弾いていくも、防ぎきれず横腹を槍で払われよろめく。

 

そして最後に正綱は飛び上がり、上空から右足を伸ばし飛び蹴りを仕掛ける。

 

梟は手裏剣を投げると、上空では避けることができず腕や腹に突き刺さる。

 

「ぐおっ!」

 

正綱は地面に落ちた瞬間、上空から回転を加えて刀を振り下ろす梟の姿を見る。

そして直ぐ様右足に装着している槍を取り外し、梟の攻撃を二本の短槍で防御する。

 

「ぬぅぅ!」

「おりゃっ!」

 

梟は更に力を込めると、竹林の方から何か近づいてくる音を聞き取る。

 

永遠亭の開いている門を見ると、人と同じ大きさ程のある白狼が梟に襲いかかる。

 

「ぬぉっ!!」

 

白狼は梟の刀に噛みつき、正綱から彼を引き剥がす。

 

(せい)!来い!」

 

正綱の命令で白狼は梟の刀から離れ、彼の隣に移動し梟を睨み付ける。

 

「忍犬...いや、忍狼か」

正綱は二本の短槍を構え、梟に突き攻撃を仕掛ける。

 

梟は槍を足で踏みつけようとするも、その瞬間彼の後ろから忍狼が現れ腕に噛みついてくる。

 

「くっ」

 

梟は高く飛び上がり、正綱の突きをかわして腕に噛みつく忍狼を刀の頭で殴り地面に落とす。

 

忍狼が地面に落ちた瞬間、正綱も上空へ飛んでおり短槍で薙ぎ払おうとする。

しかし梟は上空で回転し、正綱の攻撃を紙一重で避けた。

 

「!上空でなんて身のこなしを...!」

 

そして回転した勢いで刀で正綱を攻撃して地面に叩き落とす。

梟が地面に降りると、忍狼が襲いかかるも爆竹をばらまき音と火で怯えさせる。

 

すると煙の中から再び梟の爆竹を利用して炎を纏わせた正綱が襲いかかる。

しかも今度は二本の短槍を双頭槍に変形させて梟に襲いかかる。

 

正綱が回転し始めると、梟は攻撃を仕掛けようとするが忍狼が邪魔をする。

そして回転の力を加えた双頭槍の薙ぎ払いに梟は防御するも、衝撃を逃がせず後ろに吹き飛んだ。

 

梟は永遠亭の部屋へと吹き飛び、ゆっくりと立ち上がる。

 

「.....」

 

梟は勇儀との戦いの時に負傷した足の痛みが再発しており、汗が垂れる。

 

「大忍び梟、この程度か」

「生憎手負いでな...」

「忍びの世界にそのような同情は通じぬ。死ぬ時は死ぬるが戦よ」

「...全くその通り」

 

すると梟はゆっくりと霧のように消えて、羽を残してその場から消え去った。

 

「!!」

 

正綱は警戒するが、次の瞬間後ろから刀を構えた梟が現れる。

 

「!?」

「むんっ!」

 

しかしその時忍狼が正綱を押して、梟の攻撃を無理矢理避けさせる。

 

「!」

「馬鹿な...いつの間に」

 

すると地面に降り立つ梟の周りに青く光る傷ついたフクロウが現れた。

 

「何だあれは...!」

「我がフクロウよ...すまぬ、最後は倅に見せようと思うたが...この戦が幕引きとなりそうだ」

梟は刀を構え直し、正綱を見る。

 

「だが相手は忍びの世でも最強と呼ばれる男...これ程の相手ならば文句はあるまいて」

「小細工を...!」

 

正綱は双頭槍を二本の短槍に分けて、梟に襲いかかった。

梟はそれを刀で受け止めると、正綱の後ろにいた忍狼が連携して攻めようとする。

 

しかし青く光るフクロウが忍狼の目の前を飛び、大きく羽を広げて攻撃の邪魔をしてくる。

 

忍狼は吠えるも、フクロウも負けじと威嚇の声を上げる。

 

正綱は二本の短槍で連撃を仕掛けるも、梟も弾き返し反撃し始める。

すると正綱は飛び上がり、両足を使った攻撃と短槍二本の薙ぎ払いを含めた計四回の攻撃を梟にぶつける。

 

梟は全て受け止め、渾身の兜割りを正綱に仕掛けた。

 

正綱は弾き飛ばそうとするが、その瞬間忍狼を邪魔していた筈のフクロウが彼の視界に邪魔をいれる。

 

「うおっ!」

 

正綱の防御が一瞬緩まるのを見ると、梟は逃さず刀を振り下ろした。

しかし忍狼が正綱の前に出て、梟の攻撃を彼の身代わりに受ける。

 

「...主を守ったか、見事」

「正!」

 

正綱は二本の槍を双頭槍に変形させ梟の眉間を突こうとするが、梟は再び霧となって消えた。

 

「おのれ...」

 

正綱は忍狼の正をゆっくりと地面に下ろし、目を閉じさせる。

 

「...よくついてきてくれた。ゆっくりと休め」

 

すると真横から刀を構えた梟が青い光と共に現れると、正綱は二本の短槍に分け交差させて防御する。

 

そして梟は正綱の槍を踏み台に距離をとり、青いフクロウを腕に呼び寄せる。

 

そしてフクロウは炎を纏い、何倍もの巨大な姿へと変わる。

 

梟が腕を前に出すと、炎を纏ったフクロウが突進してきた。

 

正綱はフクロウの突進を紙一重で避けると、上空で短槍を思いきり梟の真上辺りに投げた。

 

すると通り過ぎたフクロウが梟の真上で復活し、青く光る直前を狙われ正綱の槍がフクロウの胸に突き刺さる。

 

「!」

「梟の幻覚、見破ったり」

 

槍が突き刺さったフクロウは光が消え、一枚の羽を残し霧となって消えていく。

 

「.....」

 

梟はその姿を最後まで見て、刀を構え直す。

 

「...御見事」

「...大忍びを支えたフクロウ...手強かった」

「...あ奴も喜ぶでしょう」

 

正綱は短槍を両手で握り直し、梟は刀を構える。

 

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