梟の羽休め   作:ポン酢おじや

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お使い

永遠亭で梟が世話になってから数ヶ月経った。

迷いの竹林は平穏そのもので、鬼退治以来事件も起きずに静かな日々を過ごしている。

 

たまに竹林でてゐとの散歩に付き合ったりしていたが、初めての平和な日々に梟は戸惑いがあった。

落ち着きがなかったり、暇があれば竹林にて稽古をして落ち着かせていた。

 

「さて...」

 

梟は朝早く起きて部屋でしばらく過ごしていたが、今日もまた刀を持って竹林へ向かおうとする。

 

部屋を出ると、永琳と鉢合わせになった。

 

「あら」

「これはこれは...永琳殿」

「今日も出掛けるの?」

「やはり動かねば腕が鈍るもので」

「結構なお年なのに頑張るのね」

「.....」

「あ、そうそう。出掛けるついでに頼まれてくれない?」

「構いませぬ」

 

すると永琳は持っていた紙を梟に渡す。

その紙には幾つかの植物の名前が書いており、絵や花の柄や特徴等の詳細もあった。

 

「ふむ...これらは竹林で見つかるのですかな」

「ええ。探せばあるはずよ」

「幾つかの物は明らかに今の時期に咲いているとは思えませぬが」

「あら、詳しいのね」

「毒については少しばかり学んでおります」

「でも安心して頂戴。ここに書いてあるものは全部竹林でてゐが確認、回収してきているものよ」

「ほう...」

「てゐと一緒に行ってきて頂戴」

「心得ました」

 

梟はてゐを探しに永遠亭の奥へと歩いていく。

 

 

 

 

 

 

 

梟はある部屋の襖を開き、部屋を見渡す。

「...やはりいないか」

 

てゐは輝夜から部屋を与えられていたが、そこにいることは少ない。

彼女はいつもどこかへ出掛けているため、そもそも永遠亭にいることが珍しい。

 

いつもてゐに用がある時は、永遠亭にいるウサギ達に伝えるのが確実である。

 

しかし今日はウサギ達が見当たらなかったので、望み薄かったが部屋を尋ねたのだ。

 

「ふむぅ...困ったのぅ」

「お困りかい梟の旦那♪」

「むっ」

 

梟は驚いて後ろを向くと、そこにはニヤニヤしているてゐがいた。

 

「いつの間に...」

「まだまだ後ろがお留守だよ梟の旦那」

「.....」

「私に用があるんだろう?」

「う、うむ。永琳殿から竹林で植物を採取を頼まれた。因幡殿にも協力して欲しい」

「どんなのだい?」

 

梟は懐から紙を取り出してゐに渡すと、彼女は書かれている詳細を読んでいく。

 

「ふーん...随分と難しい場所にあるものも頼まれたね」

「案内できるか」

「そりゃもちろん」

「では参ろう」

 

梟とてゐは永遠亭を出て、竹林の奥へと歩いていく。

 

 

 

 

二人はしばらく歩いて、幾つかの植物を取っている最中梟がてゐに話しかける。

 

「因幡殿」

「ん?なに?」

「この辺りは安全なのだろうな」

梟は地面をぽんぽんと叩き、てゐの顔を見る。

彼女は彼の言うことを察して、焦りながら説明し始める。

 

「安心してよ梟の旦那!ここら辺に罠はない...筈だよ!」

「筈...?」

「あ、いや、無い!無いよ!」

「怪しいのぅ」

「それよりほら!あそこにも目的の植物発見!」

「む...」

 

梟はてゐが指差す方向へ歩いていき、片足を地面につけて植物を採っていく。

 

「まったく...罠の事は永琳殿も知っておるのか?」

「え...あ、た、多分ね」

 

梟はすぐにてゐの言っていることが嘘だと見抜き、ある考えを思いついた。

 

「成る程...兎にも危険が及ぶ為、新たな罠が設置されたと儂から永琳殿に伝えて置こう」

「ちょ!?ちょっと待った!」

 

てゐは梟の背中に乗り掛かり、彼を動かさないようにと体重をかける。

しかし彼は全く止まらずてゐを背負いながら立ち上がった。

 

「うわっ!少しは止まってよ!」

「軽いものよ」

「わ、わかった!何が望みだい?出来ること何でもするからさ!」

「ほほう...では頼みたいことが一つ」

「頼み?」

 

てゐは梟の背中から降りて、彼の前に立つ。

 

「儂は身を隠す為ここに来たといったな」

「うん」

「しかし寿命尽きるまで身を隠すわけではない。いずれ時が来たらある場所に戻るつもりでの」

「そうなのかい?」

「ある情報が入ればここを出ていく合図であるのだが...ここは確実に迷わせる場所にて外の情報が全く入らぬ」

「人間達の情報なら尚更だね」

「実はある情報屋とここいらで何回か会う予定だが...其奴がここに来ては確実に骸となるだろう」

「あー、そいつが迷い混んだらあんたに会わせろってことかい?」

「その通り」

てゐは腕を組んで悩む。

 

「それって姫や永琳に迷惑かかるかい?」

「まさか...情報を貰うだけよ」

「ちなみに...その情報屋はどんな奴なんだ?」

「儂とは違う忍での」

「へぇ」

「名前は正就...片方の腕を常に隠しており、紫と白の色をした服を着ておる」

「まったく...わかった。そいつが来たら梟の旦那に伝えるよ。あとそいつが無事ここから出れるよう帰り道も案内するから...罠の事は内密にね」

「頼むぞ」

 

二人は話を終えると、次の植物を探すため行動を再開する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらくして植物を全て回収し、二人は永遠亭へと戻ってくる。

着いた瞬間てゐは何処かへと行ってしまい、梟は永琳がよくいる診察室を訪ねる。

 

「永琳殿」

「あら梟さん。早かったわね」

梟は植物が沢山入った布袋を永琳に渡すと、彼女は一つずつ丁寧に中身を確認していく。

 

「うん...うん...大丈夫そうね」

「毒草等も含まれていたが...どうするつもりか」

「薬を作るのよ」

「薬...?確かにこれらの植物で作れはするが」

「調合が難しいとでも言うつもり?私は薬師が本業なのよ」

「...そうであったな、失礼した」

 

梟は永琳の机に貼ってある紙を見ていくと、非常に興味深いのかジッと見ている。

 

「気になる?」

「薬師ではない為効果はわからぬか...興味深い調合法と思いましてな」

「その紙に書いてる薬は一瞬であらゆる植物の中毒症状を引き起こすものよ」

「ほぅ...」

「人間ならもって数分ね」

「耐性のあるものならばどれ程もつであろうか」

「耐性?そうねぇ...長くて十数分かしら。耐性の強さによっては死を迎える前に中毒症状が消える事もあるかも」

「.....」

 

梟は手で自分の顎を触りながら、調合法の紙を見て何か考えている。

 

「もしかして薬が欲しいの?」

「...」

「まぁこの程度の薬なら教えてあげてもいいわ。ただし姫様や特にてゐに渡らないように気をつけてくれるならだけど」

「いつか教えてもらいたいものです」

「なら約束ね。今日はありがとう」

「では」

 

梟は部屋から出る。

 

 

 

 

 




葦名一心の息子とかってどうなってるんでしょうね?
というか弦ちゃん以外に家族いるんでしょうか。
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