【未完】幼馴染友人TS恋愛物語   作:ワンダーS

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 どうもお久しぶりです。 
 
 気が付けば5か月放置していた。

 もはや忘れていたまである。

 なんか小説書きたくなって思い出したという話。

 楽しかったです。


案内

 

 家を出た優希と日向は、美鈴の機嫌を取るべく下にあるコンビニへとぶらぶら歩いていた。

 

 先ほどまで冷房の効いた家の中にいただけに、むわっと絡みつくような熱気は、ただそれだけでサウナに入っているかのように思わせられた。

 

 それでも、上に伸びている木の枝とそこから生える葉に日光が遮られ、幾分かはマシではある。

 

 「そういえば、大丈夫だったのか?」

 

 「何が?」

 

 「日向の父さん。急な話だったから…」

 

 心配そうに聞いてくる優希に日向は思わず苦笑する。

 

 今、最も心配されるべきは優希のはずだが、当人は全く別のことを心配している。ある程度余裕ができたのか、それとも考えないようにしているのか。

 

 どちらにせよ、今はそちらの方が都合はいい。

 

 「大丈夫だって、事情を話したら許可はくれたし、優希は安心して…」

 

 そこで日向は思わず言葉を止める。

 

 事情は話していない気がする。ただ単に優希が危ないから助けてとしか伝えていない。

 

 それで許可を出してくれたのだから豪胆というかなんというか。

 

 改めて父親の偉大さを認識しつつ、一つやることが増えたなと現実逃避気味に考える。

 

 「日向?」

 

 「いや、何でもない。後で親父とお袋に優希のこと伝えときたいから付き合ってもらうぞ。」

 

 「うん、もちろん。お世話になるんだし挨拶もしとかないと。」

 

 意気込む優希に、ふと疑問が思い浮かぶ。

 

 「そういえば体動かしにくいんだろ。まだ違和感はあるのか?」

 

 「ん?あー、まだ少しあるけど問題なし。俺だって運動神経は良いほうだからな」

 

 これくらい余裕だって、と優希が続けようとした瞬間、ずるっと音が聞こえるような勢いで落ち葉に足を滑らせる。

 

 スローモーションに動く世界の中、後ろに倒れていく優希を、日向は咄嗟に伸ばされた腕を掴み、支える。

 

 「おい、何が余裕だって?」

 

 「えっと…あはは」

 

 冷や汗に背中を濡らしながら日向はジト目で視線を送る。

 優希も、今のは流石に肝が冷えたのかバツの悪そうに笑いながら目を逸らしている。

 やはり、劇的な変化なだけに意識が体に追いついていないらしい。それと同時に、らどこか心配をかけすぎることを避けている節がある。

 

 やはり、自分から少し強引にでも行動するべきか。

 

 そう考えた日向は、優希を立ち直らせると掴んでいた手を一旦離し。

 再度掴み直す。

 

 再び掴まれた優希は目をパチクリと瞬かせる。

 

 「え、あの、日向?もう大丈夫だよ?」

 

 「どの口が言ってんだ、お前の大丈夫は信用ならん。」

 

 「いや〜、でもさっきのはたまたまで…」

 

 「それでまた転ばれたら目も当てられないだろうが。お前が慣れるまでは基本これで行くから覚悟しろ。」

 

 優希は何か言おうと口を開くが、声に出ることはなく。代わりにはい、と返事をした。

 

 取り敢えずはこれで良いか、と日向はそれ以上何も言わずに優希に歩幅を合わせて歩き出す。

 

 体の違和感にしても、少しすればすぐになくなることだろう。

 

 日向がそんな考え事をしている横で、優希は何を思ってか無言のままジッと自分の腕を掴んでいる日向の手を見つめていた。

 

 

 

 そこから少し歩き、ようやく山を降りた2人は道路の向かい側のコンビニへと、横断歩道を渡ろうとすると

 

 「スミマセン、ソコノカップルサン」

 

 と、横から声を掛けられる。

 

 見てみれば、アロハシャツにタンパン、サンダルといかにも南国スタイルな2人の西洋系の外国人が立っていた。

 

 2人とも大きなサングラスをかけており、顔はほとんど見えないが、1人が男でもう1人は女だ。

 

 「どうしたんですか?」

 

 「ワタシタチ、ウミニイキタインデスガ、ミチヲオシエルクダサイ」

 

 男の方が身振り手振りを交えながら答える。

 少し辿々しい日本語だが、どうやら海に行きたいらしい。

 

 幸いにも海はここからそこまで遠くなく、ほとんど一本道で行けるのだが、途中入り組んだ場所があり、少し説明が難しい。

 

 どうしたものかと、考えているとずっと黙っていた優希が前に出ると、なにやら流暢に、おそらく英語で話し出した。

 何を言っているのかは分からないが、相手には通じているらしく、優希が話し終わると。男と女は

少し驚いたようにしながらも、次の瞬間には嬉しそうに笑って

 

 「オネガイシマス」

 

 と、答えた。

 

 ここで、やっと優希が案内を買って出たことに気づく。

 

 さっきの話は道が入り組んでいるところがあることと、案内する旨を伝えていたのだろう。

 

 相変わらずお人よしというかなんというか。

 それはさておき、何時までもここで突っ立ているわけにもいかない

 

 「優希、案内するんだろ?」

 

 「うん。あ、ごめん、勝手に決めちゃって。」

 

 申し訳なさそうに言ってくる優希に、少し笑いが漏れる。

 普通、ここでドヤ顔の一つでも向けられてもおかしくないものだが。

 

 「むしろ助かった。説明に困ってたんだ。」

 

 「そうか?ならよかった。」

 

 そう言ってはにかむ優希は、控えめに言っても綺麗だった。

 

 思わずジッと見つめていると

 

 「ワオ、アツアツカップル」

 

 「ワカサガウラヤマシイネ」

 

 ふと見てみると、先ほどの2人がニヤニヤしながらこちらを見ている。

 言われて今の状況を鑑みるに、確かにそう見えても仕方ないと考える。

 

 若い男女が腕を組んだ状態で見つめあうようにしていたら、誤解するのも当然だ。

 そういえば、最初の時点からカップルと呼ばれていたな。

  

 「すみません、俺たちカップルとかじゃなくて、ただの幼馴染の親友なんです」

 

 「?ソウナンデスカ?テッキリ半年はツキアッテルヨウニミエタモノデ」

 

 意外そうな顔を向けられるのも心外なのだが。

 

 隣の優希も微妙そうな表情を浮かべている。

 

 「ともかく、案内するんでついてきて下さい。」

 

 話題を変えるように言うと優希は歩き出し、俺もそれに続く。

 後ろに二人組がついてきていることを確認して、前に向き直る。

 

 案内といっても、道中大した会話はなく。それぞれのグループで分かれていた。

 

 時折話題に挙げられていたようだが、詳しくは聞こえなかった。

 

 数分ほどそうして歩くといくつかの分かれ道を経て、砂浜へとたどり着く。

 

 砂浜には夏休み初日ということもあり、家族連れや学生など多くの人でにぎわっていた。

 

 「アリガトウゴザイマス!ホントタスカリマシタ」

 

 2人はそう礼を言うと、走って行ってしまった。

 

 海が近づくにつれて明らかにうきうきした雰囲気が出ていたことからよほど海が好きなのだろう。

 

 それなりに大きな砂浜を駆けていき、すぐに人ごみにまぎれて見えなくなってしまった。

 

 「そろそろ、俺たちもかえらないとな。」

 

 「そうだね…それはそうと腕離せよ…」

 

 優希は顔を伏せ、表情を隠したままそう静かに言う。

 

 「ん、まぁ平地だし大丈夫か。また転ぶなよ」

 

 「もう転ばねぇよ」

 

 顔を上げ少しすねたように言う優希が妙におかしく見える。

 

 すねると文字通り口を尖らせるのは優希の小さいころからの癖だったりする。

 男のころはガキっぽいとたまにからかわれていたようだが、今となっては様になっているのだから不思議なものだ。

 

 「あれ、近衛じゃん。お前も泳ぎに…」

 

 ふと、声を掛けられ顔を向けると、そこにはクラスメイトの猿飛が立っていた。

 しかし、その口はあんぐりと開けられ、見事なまでのアホ面のまま硬直している。

 

 突然の邂逅に日向と優希が硬直していると、猿飛は再び動き出し勢いよく目をこすり今度は優希の方に目線を向ける。

 

 優希はじろじろと見てくる視線から隠れるように日向の背に回った。

 

 ここで日向はまずい、と心の中でつぶやく。

 

 「あー、猿飛。これは違うんだ」

 

 「違う?何が、お前、その子、女の子。海に、女の子と…」

 

 うわ言のようにつぶやき続ける猿飛。

 今のうちに巻いてしまおうかと考えるも、不幸とは重なるもので。

 

 「おい、猿。おいてくなよ。」

 

 「そうだよー、て、近衛君じゃん!え、デートしてる!?彼女さんと!」

 

 猿の後ろから追いかけるように現れたのは、同じくクラスメイトの鳥山と犬神。

 この3人は仲が良く何時も同じくして行動しているため、桃太郎組と呼ばている。

 

 そして、目ざとく優希を見つけた犬神は目を輝かせながら距離を詰めてくる。

 猿飛も硬直から解放されたらしく、同じように、こちらは必至の形相で詰め寄ってくる。

 

 「どういうことだ、近衛!お前、いつの間に彼女なんて!しかも、かなりの美少女!」

 

 「いつできたの?教えて教えて!」

 

 「いや、残念ながら彼女じゃねぇよ。普通に親戚の子」

 

 馬鹿正直に話すわけにもいかにので無難に答えておく。

 これからも八合う可能性のことも考えるとこれがベストだろう。

 

 日向の答えを聞くと、2人は素直に信じ。猿飛はほっとしたように、犬神は残念そうにしながらも少し離れる。

 しかし、傍観していた鳥山は怪訝そうな顔でこちらを見ている。

 

 これは、変に探りを入れられる前に退散した方がよさそうだ。 

 

 「それじゃあ、今案内の途中だからそろそろ行くわ。」

 

 「おう。…近衛!」

 

 断りを入れて背を向けると、猿飛が大声で呼んでくる。

 

 今度はなんだと振り返ると、いい笑顔でサムズアップしながら口を開いた。

 

 「俺たち非モテ同盟の絆は、永遠だ!」

 

 「ふっ」

 

 言葉はいらない。

 

 ただ無言で再び無言で背を向け背中越しにサムズアップを返す。

 

 そう、俺達は非モテ同盟。ただ傷を舐めあう烏合の集。

 その絆は簡単には切れない。

 

 横から刺さるバカを見るような目が痛かった





 なんだかんだ、自分の中で話の方向性が決まってきた気がする。

 それを表現できるかどうかは別として。

 それじゃあ、気に入ってくれた方はシーユーネクストタイム
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