『神性領域拡張:神性領域を拡張する』
なるほどわからん。
神性領域って何さ。
二重鑑定。
『神性領域:生命が持つ魂の深層領域。全ての生命の根源であり、自己の最終依存領域でもある』
なるほどわからん。
とにかく魂がうんぬんな領域なのは分かった。
そのうんぬん領域を拡張するのがこのスキルなのね。
何か意味があるのかな?
なんだかすごそうだし超パワーを手に入れているのかもしれない。
ステータスに変化が無いし、その可能性は低いけどね。
次に並列意思。
その名前から私の意思に何かが起きることは分かる。
説明を見るとどうやら私の意思が増えるっぽい。
二重人格みたいなものかな。
さっそく発動。
❲こんにちは、並列意思です。❳
どうも。
❲私はなんのために生まれたのかな?❳
スキルの実験で生まれたんだよ。
❲だろうね。❳
このスキル何に使えるのかな?
❲意思同士で役割分担するのが良いと思う。そうすれば同時に色々な事をできるよ。❳
おーいいね。
それなら探知の情報が多すぎて体を動かしながらだと処理しきれなかったけど、情報処理係と運動係で分ければ探知の情報を処理しつつ体を満足に動かせるね。
それじゃあ私は情報を処理するから体をお願いね。
❲いいよ。❳
これから君をなんて呼ぼう?
私2号で良い?
❲いいよ。そっちは私1号ね。❳
よし、体の方は私2号に任せよう。
おお!体を任せたおかげで探知の情報がもっと把握できるようになった。
並列意思いいね。
勝った!
なんて思うのは良くない良くない。
今まで通りの自分でいよう。
❲慢心良くない。❳
良くないよねー。
❲ねー。❳
《熟練度が一定に達しました。スキル「高速演算LV1」が「高速演算LV2」になりました》
《熟練度が一定に達しました。スキル「探知LV6」が「探知LV7」になりました》
スキルレベルアップ!
前からそうだったけど探知レベル上がるの速いね。
流石ほとんどの感知系スキルを詰め込まれただけある。
それが簡単に取れちゃう。
ある意味チートだね、これ。
まぁそのかわりに外道攻撃をくらって表現できない痛みを味わうことになるけどね。
❲脳がオーバーヒートでも起こすのかな?❳
なんじゃないかな。
『おーいタニシちゃん?』
『何?』
『タツノオトシゴ発見したよー。』
『うん、知ってる。』
探知でとっくに発見済みですよ。
私の周囲に関しては全て知っていると言えば過言かもしれないけどほとんど知ってるならば過言ではない。
目に映っていない敵を知るってなんか強者って感じがする。
❲「剣を下ろしなさい……1人、いや3人はいますね?」みたいな?❳
そうそう、そんな感じ。
さすが私。
わかってるね。
❲私ですから。❳
私ですね。
さて、そんなことよりタツノオトシゴを狩ろう。
蜘蛛さんの上に乗れなくなったから移動速度が減ったけど、それでも620あるから、それなりの速度は出る。
走ってるのは私2号だけどね。
タツノオトシゴは2体、マグマの中にナマズが1体いるね。
蜘蛛さんが先制攻撃の投石。
タツノオトシゴに命中するとパコーンと音を立てて石が砕け散る。
その衝撃でマグマに沈み、上がってきたときにはHPが3分の1も減っていた。
ただの投石でここまで減るとは……蜘蛛さんの成長を感じる。
私?
このダンゴムシみたいな足でどう石を投げればいいの?
お、火球を飛ばしてきた。
蜘蛛さんは軽々回避。
私も避けられるけど、自分の防御力を試すために避けないでおこう。
着弾。
お?ノーダメージ?
ノーダメージだ。
あらあら、私ってもうそんなに硬いのね。
勝ったな。
❲慢心は?❳
良くない。
ありがとう、危うく慢心するところだった。
❲どういたしまして。❳
おや、ナマズが浮上してきた。
そのままタツノオトシゴ達を助太刀するつもりらしい。
進化しても同族、仲間なんだね。
ナマズがデカイ火球を飛ばしてくる。
うん、速いね。
避けられるけど、これも当たっておこう。
着弾。
む、ちょっとダメージくらった。
だけどHP自動回復もう完治した。
どうやら今の私はナマズの攻撃だろうとほぼ無傷で済むほどの防御力を持ってしまったらしい。
勝ったな、ガハハ。
❲慢心は?❳
いやこれは慢心していいでしょ。
私は無敵だぁ…。
❲慢心は?❳
良くないね。
危ない危ない。
また慢心というダークサイドに墜ちるところだった。
怖い怖い。
❲嫌だねー。❳
ねー。
さて、現在タツノオトシゴとナマズの集中攻撃を受けているがHPは満タンのまま。
なんで挑発を使ってないのに集中砲火されてるのか分からないけど、それのほうが都合がいいや。
あ、1体のタツノオトシゴがMP切れになって陸に上がってきた。
ん?なんで蜘蛛さんは焦ってるの?
聞いてみるか。
『蜘蛛さん、なんでそんなに焦ってるの?』
『今の状況ナマズ達に勝ち目ないでしょ?ナマズ勝ち目がないと逃げちゃうじゃん!』
あ、そういうことね。
美味しいものは逃したくないよね。
現在進行形でナマズ怖がってるもんね。
今にも逃げ出しそうだよ。
あ、逃げた。
『あ、待てゴラァ!!』
ナマズを追う蜘蛛さんに立ちはだかるようにタツノオトシゴが前に出る。
『邪魔!!』
蜘蛛さんがタツノオトシゴに前足にある鎌を振るう。
その鎌によってタツノオトシゴはスッパリと切れてしまった。
『へ?』
蜘蛛さんも予想してなかったのか自分の鎌と切られたタツノオトシゴを交互に見て驚いている。
これには私も驚き。
❲同じく驚き。❳
ここまでとは…。
圧倒的な成長を感じる。
あ、ナマズに逃げられた。
探知によればマグマの中で私たちから離れようとしてる。
結構必死。
私がナマズの逃走を見てると蜘蛛さんは残ったタツノオトシゴに毒を浴びせていた。
どうやら蜘蛛さんはお怒りのご様子。
その怒りをタツノオトシゴにぶつけている。
怒りつつ毒合成の麻痺毒を試していることから案外冷静なのかもしれない。
タツノオトシゴは麻痺状態。
ビクビクと痙攣を繰り返している。
蜘蛛さんはそんなタツノオトシゴの首を切断した。
❲麻痺させてから切断。恐ろしいコンボだね。❳
あんなのが敵だったらと思うと恐ろしい。
私麻痺に耐性は一応あるけど動きが鈍くなっちゃう。
ただでさえスピードがあちらのほうが上なのに鈍くされたら何もできなくなる。
蜘蛛さんは状態異常攻撃が中心な戦い方だからその耐性が無いとたとえステータスで上だったとしても負ける。
逆に耐性があると蜘蛛さんはほとんどの攻撃手段が失われるから勝てる可能性が高くなる。
絶対に勝てるとはいわないのは蜘蛛糸で何かされるかもしれないからだ。
その何かが分からないけど、蜘蛛さんならそういうことをしてくるって確信がある。
まぁ、私を殺したら共存の効果で蜘蛛さんも死ぬんだけどね。
ん?待てよ?
ひょっとして共存を使った道連れ戦法を使う時が来るのかもしれない。
何か強敵が現れたら共存で指定する。
うん、最終手段でやってもいいかもしれない。
❲「一緒に地獄に行こうぜ」みたいな?❳
そう、そんな感じ。
まぁエルロー大迷宮自体が地獄みたいなもんだけどね。
❲あ、すでに私達は地獄に落ちてたのね。❳
どちらかというと地獄出身のタニシかな。
❲地獄出身のタニシって何?❳
今の私。
❲いや、知ってるよ。だって私だもん。❳
そっか私だからか。
❲そうだよ私だからね。❳
……なんか混乱してきた。
二重人格は二重人格でも、自分とまったく同じ性格なせいでどちらが自分なのかわからなくなる。
❲1号も私も、全部私だよ。❳
変な説明しないでもっと混乱する。
❲1つの体に2人の私がいる。❳
なるほど。
ドッペルゲンガーか。
❲それだと対消滅しそう。❳
精神の対消滅とか怖い。
でもドッペルゲンガーって実際に会わないと消滅しないんでしょ?
❲そうだね。❳
精神に出会うなんてあるのかな?
❲今がそうでしょ。❳
あ、なら大丈夫か。
出会っても対消滅してないし、ドッペルゲンガーに会ったら対消滅するなんて嘘だったのかな?
❲嘘だったんでしょ。❳
よし、理解した。
並列意思を使っていても直ちに異常は無い。
そういえば蜘蛛さんも並列意思を獲得してたね。
蜘蛛さん明るい人だし、ものすごいはしゃいでそう。
脳内の自分と喧嘩してそうだね。
もう1人の蜘蛛さんとなんとかして会話できないかな?
後で試してみよう。
並列意思は他の作品には無い面白いスキルですよね。
あったら教えて下さい。