タニシですが、なにか?   作:マリモ二等兵

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 死滅の邪眼についてオリジナル設定が入ります。   
   


火竜の軍勢

 なんで?

 なんでこんな軍勢が私たちを狙ってるの?

 ありえなくない?

 そんな数を用意するんだったらさ、もっとやばい奴と戦ってよ。

 例えば火竜の敵とかさ。

 それだけの数があれば怖いもの無しじゃん。

 そういうやつを倒しにいきなよ。

 私たちはナマズとかウナギを中心に魔物を狩ってただけなのに!

 ……あれ、それって火竜の敵じゃない?

 あーなるほどね。

 ウナギすらあっという間に倒してしまう私たちを恐れて、力を合わせて排除しようとしてるのね。

 なるほどなるほど。

 この規模の軍を用意して成果なしは避けたいはず。

 おそらくこの中層内なら地の果てまで追いかけてくるだろう。

 ……逃げるのは無理だね。

 

 ええい!こうなったら覚悟しておけよお前ら!

 パワーアップした私たちの力で、その自慢の大群をねじ伏せてやる!

 

 「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」

 

 レベルが一番高い火竜の叫び声を上げ、それが開戦の合図となった。

 火竜を除く全ての配下が私たちに火球を飛ばしてくる。

 放射線状に飛ぶ火球から真っ直ぐ飛んでくる火球まで、様々な軌道の火球が私たちに接近中。

 蜘蛛さんは空中に飛んで回避、私はその場にとどまり呪怨と暗黒の邪眼で反撃をし数匹のタツノオトシゴを撃破する。

 放たれた火球の中で最も速いウナギの火球が着弾し、その後ナマズ、タツノオトシゴと順番に着弾した。

 200あまりの火球が着弾したせいでとてつもない轟音とともに陸が崩壊、マグマぽちゃする前に私は引斥の邪眼を使い蜘蛛さん同様空中に回避。

 回避行動中に火球の準備は終わっており、すぐに第2波が来る。

 これも引斥の邪眼で回避、何発か避けきれず被弾するがノーダメージ。

 私の取り柄である防御力はそう安安と突破されないからね。

 さっきの火球の絨毯爆撃も少し減る程度で済んだ。

 おっと第3波が来た。

 これも回避。

 避けられた火球が天井に当たり、天井が崩れ始めた。

 その欠片に何体かの配下が下敷きになりその後上がってこなくなる。

 

 うーん。

 反撃が難しい。

 宙に浮く都合上、必ず片眼を引斥の邪眼に使わなければならない。

 だからもう片方の眼でしか反撃ができない。

 一応毒魔法を発動させてるけど効果は低め。

 特に毒魔法はレベルが低く毒弾ぐらいしか撃てない。

 蜘蛛さんは糸や引斥の邪眼を使い数多の火球を避けつつ毒霧をバラマキ、眼が多いため複数の邪眼を同時発動している。

 毒霧で弱い敵から排除しつつ、強力な敵は邪眼で排除する。

 蜘蛛さんオールマイティーだね。

 蜘蛛さんは頑張ってるから私も頑張らないと。

 お、あそこに敵が集まってる。

 中心にいるナマズに狂乱の邪眼をプレゼント。

 狂乱の影響を受け、ナマズは我武者羅に火球を飛ばし、不規則にスキルを発動し始める。

 周りにいた仲間は狂乱したナマズの餌食になり数を減らしていく。

 数が多いおかげで今までにない量の経験値が入り、恐ろしい速度でレベルが上がっていく。

 でも、おかしい。

 毒霧や邪眼でたくさん倒してるけど、まるで減った気がしない。

 なんで?

 経験値が入ってるから倒しきれていないなんてことは無い。

 じゃあなぜ減らない?

 

 「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」

 

 また火竜の叫び声を上げる。

 その声は数百の火球の爆発音が響く中、耳にその声しか入らなくなるほど大きい。

 威嚇?いや、今やってもなんの意味もない。

 指示を送ってるとか?

 私は気になって火竜の方を見る。

 そこには火竜の近くから大量の配下達がマグマから顔を出すという光景があった。

 なるほど。

 あの叫び声は配下を呼んでいたのか。

 何かのスキルの効果かな?

 私は火竜のステータスを調べる。

 ……あった。

 

 『呼声:範囲内の同種を呼び出す』

 

 これか。

 となるとこの配下達はあの火竜を倒すか、周りに火竜種がいなくなるまで狩るか、そのどちらかでないと居なくならないということか。

 かなり厄介なスキルだ。

 あの火竜を早めに倒さなければ。

 

 『蜘蛛さん、配下が無限湧きする理由がわかったよ。』

 

 『あっぶなっ!!……ほんと!?』

 

 『うん、あの叫んでる火竜が呼んでいるみたい。』

 

 『おぉらあ!!くらいやがれー!!……まじか!!』

 

 『だから私、あの火竜を倒せるなら倒してくるね。』

 

 『ハハハもっと苦しめー!!……いやそんな行けたら行くみたいなノリで言われてもっ!!あぶな!!』

 

 『それじゃ、行って来る。』

 

 私は引斥の邪眼を使いあの火竜に近づく。

 しかしあの火竜を囲むように守っていた別の火竜達が私に牙を向け始めた。

 1体は特大火球を、1体はそのデカイ鉤爪を、1体は構えるだけで何もせず。

 それぞれの攻撃が私に向かってきた。

 私はマグマに向かって引斥の邪眼をし、特大火球と鉤爪を回避。

 すぐに上に引斥の邪眼をしつつ、鉤爪を振るった火竜に死滅の邪眼を発動。

 その火竜はあっという間に塵になった。

 ふふ、腐蝕耐性も無いのに私相手に近接攻撃とは、特大火球を飛ばしていたらこんなことにはならなかったというのに。

 死滅の邪眼は射程が短めで発動までが遅い。

 だから近接攻撃を仕掛けて来ないと届かない。

 それを狙っていたかと言われれば嘘になるけど、結果的にそうなったのでよし。

 食べるところが無くなっちゃうけど、こんなにいるのだから大丈夫でしょ。

 というかこの量絶対に食べきれない。

 おっとまるで私たちが勝つかのような考えはやめよう。

 

 近くの配下と火竜が火球を放ってきたので引斥で避ける。

 タツノオトシゴとナマズの火球は当たっても痛くないけど、それ以外は別だ。

 特に火竜の火球なんて喰らいたくない。

 私は必死に火球を避けつつ暗黒の邪眼で火竜のHPを削り続ける。

 攻撃してきそうな配下には外道魔法の幻痛をお見舞いして攻撃を中断させる。

 

 「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!」

 

 うっ…近づいたせいでよりうるさく感じる。

 あまりの声の大きさに体がビリビリとしびれ、中身が揺らされたような感覚を覚える。

 それでも耳が壊れないのは防御力が高いからかな。

 そんなことよりさっきの叫び声でまた新たに配下が来た。

 数が少ないが全てウナギだ。

 随分とまぁ嫌なことをしてくれたじゃない。

 おっと火竜さんや、急な火球はおやめください。

 おいこらウナギ達は便乗して火球を出すな。

 地味に痛いし数が多いから避けづらいんだ。

 あ、火竜が火炎放射の準備をしているよ。

 もう1体の火竜もウナギ達も火炎放射の準備をしているよ。

 ガスバーナーで炙られる直前の魚の気持ちが分かった気がする。

 え、ちょっとやめて。

 まずいこのままではまずい。

 暗黒の邪眼を解除!

 そして狂乱の邪眼をウナギ達に向ける!

 時間がないから出来て2体ぐらいか。

 出来る限り集まってるところにやろう。

 あそこと……あそこかな。

 よし、狂乱の邪眼!

 からの引斥で後ろに下がる!

 ちょうど私がいた場所が火炎に飲み込まれた。

 危ない危ない。

 危うくタニシのステーキになるところだった。

 む?後ろから何か近づいてくる。

 蜘蛛さんだ。

 あれ、蜘蛛さんの方角に敵反応無し……。

 え?あの量を全部やったの?

 早すぎない?

 

 『タニシちゃん、終わったよ!』

 

 『はやっ!』

 

 『まぁ私にかかればこんなもんよ!』

 

 『おーじゃああの火竜達もお願いします。』

 

 『え!?いやー……タニシちゃんはどうするの?』

 

 『一緒に戦うよ。』

 

 『そっか、良かったー!』

 

 『?』

 

 『いや私に全部押し付けてタニシちゃんは高みの見物をするのかなって。』

 

 失礼な。

 私はそんなことをする人……タニシじゃない。

 こんな状況でそれをするメリットがないしね。

 する人は裏切られたと知った時の顔が大好きな変態さんだけだよ。

 私は変態じゃない。

 アイムノット変態。

 

 「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」

 

 『うっさ!!』

 

 火竜が叫び声を上げる。

 しかし誰も来なかった。

 もう周りに火竜種は1体もいない。

 いるのはここにいる火竜3体と8体のウナギだけだ。

 そのウナギも毒霧や呪怨の邪眼で弱っている。

 あ、1体死んだ。

 

 「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」

 

 『やめろ耳がキーンってなるわ!!』

 

 もう一度叫ぶが何も起こらない。

 叫び声が中層内を走るが気づくものはいない。

 そしてやっと範囲内に仲間がいなくなったことに気づいたのか、口に炎をため始める。

 

 火竜3体&ウナギ7体 対 タニシ&蜘蛛

 

 魔物たちの戦いは、これからだ。

 

 

 

 




 打ち切りでは無いのでご安心を。
 
 さらっとタニシと蜘蛛子は空中を飛んでいる。

 
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