タニシですが、なにか?   作:マリモ二等兵

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ドキっ!蜘蛛だらけの戦い

 『どーしたー!!さっきまでの勢いはどこいったー!!グハハハハハ!!!』

 

 暗黒弾で体が弾け、破滅榴弾で消し飛ぶ。

 破滅弾が体を貫き、さっき上がった暗黒魔法の暗黒槍が射線上のタラテクトを散らす。

 後ろに控えているアークを除くタラテクト達は接近すら許さずその命を散らしていた。

 どこからどう見ても私たちが圧倒している。

 勝利を確信するには十分な光景だ。

 しかし調子に乗るのはよろしくない。

 それで今まで苦労してきているのだから。

 猿戦で死ぬ寸前レベルアップでテンションマックス、それを狙われて大ダメージ。

 ……ん?それ以外思いつかないな。

 なんだ、私ってあんまり慢心してないんだね。

 蜘蛛さんは慢心してたけど。

 私がフォローしたから酷い目に合わなかった。

 そう思えば私って結構役に立ってるんだね。

 

 む、叡智に反応あり。

 周り込んでたアークじゃない。

 それよりずっとスピードが速い。

 いや、速すぎる!

 もうここに着く!

 速度能力10000はあるんじゃないの!?

 

 私はその謎の反応が来る方向に視線を向ける。

 恐ろしい何かが恐ろしいスピードで接近してくる。

 恐ろしさの2セットだ。

 一体どんなのが来るのか、迷宮の奥を注意深く見ていたら手が六本ある不気味な人形が見えた。

 それがとてつもないスピードで近づいてくる。

 あれが反応の正体…!

 蜘蛛型じゃないし何の魔物なんだろう。

 それに何が目的でここに来たんだろう。

 アークタラテクトを狙って来たとか?

 ………いや、それは無さそう。

 だって私たちに対してものすごい敵意を感じるんだもん!

 つまりあれはマザーからの刺客か!

 全然蜘蛛じゃないじゃん!

 うわやばい早く何とかしないと!

 

 『暗黒槍!』

 

 蜘蛛さんが暗黒槍を人形に放つ。

 人形は速度を落とさずやたらアクロバティックな動きで暗黒槍を回避する。

 こんな動きをするくらいに魔法の速度が遅いぜと挑発しているのだろうか。

 ならこれは避けられるかな。

 破滅小弾ショット!

 洞窟いっぱいに破滅小弾がバラ撒かれる。

 これならどうあがいても被弾するだろう。

 私の予想通り変な人形に多数ヒットする。

 

 こうかはいまひとつのようだ。

 

 …だよね。

 速度10000ぐらいの奴が抵抗能力は低いとかあるわけないもんね。

 この人形が速度極振りならばワンチャンあったけど、あれバランスの良い化け物ステータスな奴だ。

 あの人形に破滅属性は効かない。

 なら暗黒魔法とか邪眼スキルでやるしかないか。

 あ、駄目だ。

 呪怨と暗黒は効果が見られないし暗黒弾は避けられてる。

 ならばもっと増やすまで、とやりたいところなんだけどそれをやるとタラテクト達を抑えきれなくなる。

 

 うググ……まずい。

 時間稼ぎはできてるけど人形はすぐにここに辿り着く。

 もし辿り着けば対処するのは難しい。

 あの人形だけなら倒せたけどタラテクト達を抑えながらなら別だ。

 人形の対処をすると弾幕が弱まりタラテクト達が迫ってくる。

 タラテクト達を抑えてると人形の対処ができなくなる。

 あっちが立てばこっちが立たず、しかし向こうはどちらでも良い。

 人形1体で形勢逆転された。 

 

 『蜘蛛さん、どうする?』

 

 『……中層に一旦転移しよう。そこでまた作戦を立てる。』

 

 『了解。』

 

 というわけで仕事だ。

 私4号から私6号、転移を全力でやって。

 

 レベリングで上がった並列意思、ぶっちゃけ私3号までで十分だったから暇してたけど今こそ出番の時。

 私の命令通りに4号から6号が協力して転移魔法を発動させる。

 複数人でやったからか術式はあっという間に完成し、すぐそこに人形が迫っていたところで転移した。

 

 目の前はマグマの海に囲まれた陸地。

 無事中層に転移完了したようだ。

 危なかった。

 もう少し遅かったらやばかったかもしれない。

 私の防御力が10000を超えているとはいえ、確実に防げる保証はない。

 あの人形は攻撃能力30000とかかも知れないからね。

 流石に30000は無いだろうけど、10000は確実に超えてるだろう。

 だって手に剣みたいの持ってるんだもん。

 攻撃力絶対高い。

 

 『うーむ。』

 

 『どうする?蜘蛛さん。』

 

 『ん?んー……。とにかくアーク達とパペットタラテクト、2つを同時に戦うのは難しい、てか無理。』

 

 『パペットタラテクト?』

 

 『あの人形の名前ね。ステータスは平均10000だったよ。』

 

 『10000かぁ……。』

 

 予想通りだけど高い……。

 今までで一番のステータスを持った敵だ。

 というかタラテクトの名前があるということはあれ蜘蛛なの?

 蜘蛛じゃないじゃん。

 名前パペットだけでいいんじゃない?

 何か駄目な理由でもあるのかな。

 おっとそんなことよりパペットタラテクトの対処法を考えないと。

 うーん。

 あれだ。

 タラテクトだしアークと同じマグマ風呂に入れればいいんじゃないかな。

 いや、平均10000のステータスを持つ敵を抑える力なんて私たちにないか。

 万能糸でなんとかは……ならなさそう。

 手にある刃物で切られて終わり。

 なんとかしてパペットタラテクトをマグマの中に誘き寄せられないものか。

 いや蜘蛛なら熱さは弱点、苦手なところに突っ込むわけないよね、馬鹿じゃあるまいし。

 ん?そういえば蜘蛛さん火耐性を上げるためにマグマに手を突っ込んでたような?

 つまり蜘蛛さんは馬鹿?

 

 『ん?今なんかすっごい失礼なこと言われた気がする。』

 

 『気のせいでしょ。』

 

 『そっか。』

 

 さて、なんだっけ、ああそうだ。

 どうやってパペットタラテクトをマグマに入れるかだったね。

 うーん。

 ……。

 ひらめいた!

 空間収納にマグマを入れてそれを垂れ流せばいいじゃん!

 これは名案だね。

 さっそく蜘蛛さんに言ってみよう。

 

 『え?マグマを?………いいじゃん!やってみよ!』

 

 よし!許可を得たことだしマグマの中に空間収納を展開!

 どんどん入れてけー!

 おお、なんかマグマの蟻地獄みたいになってる。

 この調子でこのマグマ溜まりを空にしてしまおう。

 あれ、目標変わってない?

 まぁいいや。

 ん?叡智に反応あり。

 なぜかすごい嫌な予感がする。

 なんでだろうね。

 反応がものすごくデカイからかな。

 それはもう……火龍ぐらいに。

 

 突然、目の前のマグマが膨れ上がる。

 そこからデカイ魔物が現れた。

 

 『火龍フレム LV24』

 

 火龍だー!?

 ええい、一瞬で片付けてやる!

 龍力、魔神法を発動!

 喰らえ!破滅弾&破滅榴弾&暗黒弾&暗黒槍!!

 あと呪怨と暗黒の邪眼!

 さらに歪曲!

 そして死滅!

 最後に全力ブレス!!

 私たちが持つ最大火力だー!!

 

 《経験値が一定に達しました。個体、ホロ・ライユがLV20からLV21になりました》

 《経験値が一定に達しました。個体、ホロ・ライユがLV21からLV22になりました》

 《経験値が一定に達しました。個体、ホロ・ライユがLV22からLV23になりました》

 

 ふっ……脆いな。

 あの火龍を一瞬で倒せるとは……成長を感じる。

 あ、死滅使っちゃったから死骸が残ってないじゃん。

 これじゃ食べられないや。

 ……ん?そういえばさっき蜘蛛さん、死滅の邪眼使ってなかった?

 大丈夫かな。

 

 私は蜘蛛さんの方を向く。

 蜘蛛さんに傷はない。

 レベルアップで回復したからかな。

 消滅しなくて良かったよ。

 いや、そういえば腐蝕大耐性LV6を取ってたね。

 なら大丈夫か。

 これからは死滅の邪眼を使っちゃっても良さそう。

 

 よし。

 マグマはある程度取り終わった。

 というかマグマ溜まりのマグマはほとんど取った。

 空間魔法をうまく使えれば噴火したみたいな感じにできそうなほどある。

 ククク。

 これをあそこに垂れ流せば私たちの勝ちだ。

 よし、アーク達のいる場所に転移しよう。

 なんか縦横無尽に動いてるけど何をしてるんだろう?

 まぁ、いっか。

 アーク達が何をしていようと私たちは奴らの頭の上にマグマをぶっかけるだけだ。

 蜘蛛さん、準備は良い?

 

 『ばっちりよ!』

 

 よし。

 マーキングでは……上層と下層を繋ぐ縦穴か。

 ならば縦穴の真上に転移!

 

 転移した瞬間、下からとてつもない轟音が鳴り響く。

 まるで何かが戦っているみたいな……。

 一体なんだと下を見てみると目を疑う光景が広がっていた。

 

 『地龍アラバ LV32』

 

 『アークタラテクト LV29』

 

 『アークタラテクト LV33』

 

 そこでは地龍とアークタラテクトの怪獣大戦争が勃発していた。

 

 

 

 




 
 一瞬で倒される火龍くん可哀想。
 
 蜘蛛だらけだが蜘蛛だけとは言ってない。

   
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