アークタラテクトが空間機動を使い、不規則に動きながらアラバに噛みつこうとするが、アークの目の前に土の壁が出来上がったため食い止められる。
アラバはそれをつたってアークの上をとると、そのままアークの頭にブレスを放つがアークはそれをステップで避ける。
しかし避けた先に土の槍が出来上がり、アークに浅く突き刺さる。
突き刺さったアークにアラバはブレスを放つ。
土の槍を抜くという作業があったため回避が間に合わず直撃する。
その間に他のアークがアラバに近づきアラバの足に噛みつく。
肉が裂け、そこから血があふれるがアラバは怯むことなくその足を動かしアークを壁に叩きつけ、そのアークに至近距離でブレスを放った。
あれが蜘蛛さんの言ってた地龍アラバか……。
超えるべき壁だって言っていた理由が分かった気がする。
ステータスが上回るアーク2体に対してスキルを駆使してほぼ互角に戦っている。
私みたいにただスキルを発動してステータスの暴力で戦うゴリ押し戦法とは大違いだ。
私も見習わないとね。
『アラバよ、戦っているところ悪いがマグマを落とさせてもらう。タニシちゃん、やるぞ。』
『うん。』
空間収納発動。
異空間内のマグマが現世に顔出す。
そこからダバダバと大量のマグマが漏れ出した。
アラバはすぐに気がつき、その巨体に似合わない素早さでこの縦穴から逃げ出した。
アーク達も急いで逃げようとするが、1体はまだ土の槍が抜けきっていなかったので逃げるのが遅れマグマを被ることになった。
《経験値が一定に達しました。個体、ホロ・ライユがLV23からLV24になりました》
《経験値が一定に達しました。個体、ホロ・ライユがLV24からLV25になりました》
《経験値が一定に達しました。個体、ホロ・ライユがLV25からLV26になりました》
《経験値が一定に達しました。個体、ホロ・ライユがLV26からLV27になりました》
よし、1体撃破。
もうマグマは出さなくていいか。
さて、逃げたアークはどこに行った?
お、他のアークと合流する気か。
あれ、合流地点のアークも縦横無尽に動いてる……。
え?まさか……。
千里眼でいける距離だし、確認してみよう。
ふむふむ。
アーク5体に地龍カグナとスマートな地龍が戦ってるね。
………。
なんで戦ってるの?
地龍の周りに潰れたグレーターと原型をとどめてないタラテクト達が散乱してるし、私たちを探している間に地龍が攻撃してきたって感じかな。
これは……チャンスなのでは?
あそこにマグマを出せばかなり倒せるかも。
『ねぇ蜘蛛さん。』
『どした?』
『あっちでカグナと他の地龍がアークと戦ってるじゃんか。』
『………そうだね。』
『あそこにいってさ、上からマグマを落とせばみんな倒せるんじゃない?』
『…いや流石にそれはないかな。カグナならワンチャンあるかもしれないけど。』
『ん〜あ、そうだ。蜘蛛さん、深淵魔法とかどう?』
『あの凶悪そうな奴ね。使ったことないからどんな効果か分からんが。』
『マグマ戦法が失敗したら深淵魔法を発動させるっていうのはどう?』
『あー良いかもね。でもどれ使う?色々あるけど。』
『どんなの?』
『えーっと地獄門、無信地獄、邪淫、美食………ほんと色々ある。私が思うに最後の反逆地獄が一番強力だと思うな。』
『う〜ん、ここはいったん地獄門でいいんじゃない?ものすごい威力で天井が崩れたりしたら怖いし。』
『おーけー地獄門ね。』
よし、方針は決まった。
ではさっそく怪獣だらけの場所に転移。
やってきました戦場に。
下層の大空洞だね。
とてもうるさい。
地龍の巨体が地面につくたびに地震が発生したように揺れるし、ブレスを放ってるからもっと揺れる。
あとうるさい。
防御力が低かったら鼓膜破れてそう。
というかタニシに鼓膜ってあるのかな。
まぁどうでもいいか。
おーおー戦ってらっしゃる。
あのスマートな地龍、見た目通り素早いね。
腕にあるブレードでアーク達の外骨格に切り傷をつけてる。
あと速度があるブレスを放ってる。
カグナはずんぐりな体格を活かした体当たりとか、単純にブレス放ってアーク達を攻撃してる。
アーク達はその高いステータスで地龍に噛み付いてダメージを与えている。
カグナにもスマートな地龍にもいくつか肉が欠けているところがあるね。
このまま戦い続ければ数の多いアークが勝つかな。
アラバが特別なだけか。
さて、そんな彼らに……上から来るぞ、気をつけろ!
マグマをどっしゃあ!
どうだ、空が赤くなる気分は。
地龍とアーク達は上から迫るマグマの存在に気づく。
スマートな地龍はその速度と空間機動でマグマをササッと回避。
ずんぐりなカグナは上からくるマグマを被ることは回避できたが、空間機動のスキルを持っていなかったため、足湯ならぬ足マグマになった。
アーク達は空間機動で普通に回避した。
うーん。
失敗だね。
では蜘蛛さん、頼んだよ。
『あいよ、深淵魔法!』
蜘蛛さんの目の前に複雑な術式が浮かび上がる。
え、いや、複雑すぎない?
蜘蛛さんも慌ててる。
これ、もしかして失敗する?
『うごごごごごご!!!』
蜘蛛さんが頑張って発動しようとしてる。
いける?いけない?
……なんとかできそう。
蜘蛛さんが術式を完成させている間にスマートな地龍……ゲエレが蜘蛛さんに襲いかかる。
まずい、今の蜘蛛さんは魔法に集中してる。
ここは私が食い止めるしかないか。
ゲエレが空間機動で回り込み、そのブレードで蜘蛛さんを切断しようとするが、そうはさせん。
ブレードの通る道に引斥の邪眼で私が入り込み、そのブレードに噛みつく。
当然腐蝕大攻撃だ。
ゲエレの腐蝕耐性はたったのLV1。
つまりサヨナラ。
《経験値が一定に達しました。個体、ホロ・ライユがLV27からLV28になりました》
《経験値が一定に達しました。個体、ホロ・ライユがLV28からLV29になりました》
《経験値が一定に達しました。個体、ホロ・ライユがLV29からLV30になりました》
よし、蜘蛛さんは脱皮が始まってちょっとやり辛そうだったけどなんとか完成したみたいだ。
引斥でカグナのブレスを反らしつつ、地獄門をこの目でみようと蜘蛛さんの方を向く。
『喰らえ〈地獄門〉!!』
蜘蛛さんが地獄門を発動させると、黒く禍々しいデザインの大きな門が現れる。
そしてそれがゆっくりと、恐怖を煽るように開く。
それは飲み込むモノ。
それは壊すモノ。
只々死と恐怖を感じさせ、自身が地獄にいるような感覚に陥る。
いや、地獄にいるようなじゃない。
地獄だ。
開けばそこは地獄と化す。
それが深淵魔法〈地獄門〉
あとに残ったのは死にかけのカグナと3体のアーク。
あれほどの魔法を喰らって生きているのは流石といったところ。
私は龍力によるブレスを放ち、彼らにとどめを刺す。
《経験値が一定に達しました。個体、ホロ・ライユがLV30からLV31になりました》
《経験値が一定に達しました。個体、ホロ・ライユがLV31からLV32になりました》
・
・
・
《経験値が一定に達しました。個体、ホロ・ライユがLV39からLV40になりました》
ふぅ…。
おっと気を抜いちゃ駄目だ。
近くでアラバが戦ってる。
千里眼で確認できる距離だ。
アラバと戦ってるアークはここに向かっていたはずじゃ?
アラバに食い止められたのかな。
え、ていうか凄い。
アラバがなんか炎を纏ってるしアークは1体殺られてもう1体も追い詰められてる。
地龍が火龍みたいになってるのもステータスが下のアラバが格上のアーク2体に勝ってるのも驚きだ。
今のアラバはなんという龍に分類されるのかな。
地火龍?
なんかダサいね。
『はぁ………深淵魔法さ、結構MP食うわ。』
『まあ…あれだけ強ければね。』
『………そういえば私たちLV30になったから進化できるんじゃない?』
『私はLV40だよ。』
『え?あー……種族によって違うのかな?』
『かもね。』
『でもまぁ進化できるでしょ!』
『そうだね。……どこで?』
『あー……中層で。』
『中層?なんだかんだでさ、中層が一番安心できる場所になってない?』
『まぁ…私たちの敵があんまりいないし。上層も考えたけどさ、あそこパペットタラテクトが徘徊してるんだよね。万が一があるから中層で良いかなって。』
『なるほどね。』
『それじゃあ転移しますか。』
『そうだね。』
やってきました中層。
いつも変わらずグツグツいってらっしゃる。
ここの熱さに音を上げていたあの頃が懐かしい。
前はここは地獄だって言ってたけど、今や安息の場所か……。
人生なにがあるか分からないね。
さてと進化しなきゃ。
そういえば今回で最終進化かー。
感慨深いような気がする。
進化先はなにがあるのかな?
《進化先の候補が複数あります。次の中からお選びください。
ゼル・ゾロフ
ホロ・レイヤ》
今回は2つか。
いや進化ツリーで知ってたけどさ。
最終進化でも選択させないでよ。
次がないからドキドキするじゃんか。
鑑定。
『ホロ・レイヤ:進化条件:ホロ・ライユLV40:説明:破滅そのもの。決して存在を赦してはならない。』
『ゼル・ゾロフ:進化条件:ホロ・ライユLV40、天災の称号1つ、殺戮者の称号2つ、殺しの称号3つ、大崩壊の称号:説明:終焉を齎す魔物。』
相変わらず説明になってない。
………お願いだからさ、その進化先は何ができるようになるのかを説明してほしいな。
ほんと、ドキドキするから。
ゼル・ゾロフのそれっぽいのを詰め込んだ感。
着々と「ぼくのかんがえたさいきょうのたにし」が出来上がりつつある。