タニシですが、なにか?   作:マリモ二等兵

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蜘蛛4 私たちは強くなりすぎた

 今回の進化で私たちの力は大幅にアップした。

 ひょっとしたらマザーにも勝てるんじゃねって思うぐらいには強くなった。

 不死とかいうチートスキルも手に入れたし、タニシちゃんは龍になれるし、負ける要素がなくなってきた。

 それでもまぁ、なんかありそうだから正面からは戦わないけどね。

 今もマザーの精神モグモグ中だし、食べ終わるまでマザーとは関わらないようにしよう。

 余計なリスクは負わない、当たり前の戦法よ。

 

 さてさて現在下層の大空洞に来ております。

 タニシちゃんの龍化実験のためだ。

 貰ったのなら試運転。

 どんな感じなのか知らなければ肝心な時に使えやしない。

 Dに私は龍になれないと言われた瞬間、龍化スキルを発動させたけど反応なしだった。

 悲しい。

 ここはタニシちゃんの龍の姿を見て諦めるしかないか。

 もっと羨ましくなりそうだけど私にはアラクネがあるもんね!

 上半身だけとはいえ人になれるんだよ!

 どうだ、羨ましいだろー!

 はっはっはーー!

 はぁ……。

 

 『それじゃあ龍化発動するね。』

 

 『どうぞ。』

 

 タニシちゃんが龍化を発動させる。

 その瞬間、世界が黒く染まったと思えば目の前に巨大で禍々しい龍がいた。

 黒が強めの赤黒い鱗にオレンジ色の模様が刻まれていて、今まで見た地龍や火龍のような姿ではなく、東洋の龍のような、蛇のような細長い姿をしていた。

 うーん、The 龍って感じだね。

 強そう。

 うわっ眼が5つもある。

 気持ち悪!私が言えたことじゃないけど。

 すごい強そう。

 鑑定結果が変わってたりしないかな?

 鑑定。

 

 『終焉の龍 ゼル・ゾロフ(篠前 ゆりか) LV1

  ステータス

 HP:22810/22810(緑)

 MP:7411/15411(青)

 SP:16059/16059(黄)

   :9400/17400(赤)

 平均攻撃能力:13742      

 平均防御能力:22481     

 平均魔法能力:15636   

 平均抵抗能力:25475     

 平均速度能力:13980』

 

 oh…まじすか。

 全ステータス5000アップとかありえねー。

 龍になるのにSPとMPを3000ずつ消費してるけどそれが気にならないくらいステータスが高えわ。

 うわっ、しかもスキルに〈破滅鱗LV10〉とか〈終焉の龍LV10〉とか、あと〈浮遊〉なんて生えてるしやっべぇなこれ。

 

 『破滅鱗:終焉の龍だけが持つことができるスキル。常に破滅属性を纏っており、防御力上昇や魔法妨害能力がある。』

 

 『終焉の龍:終焉の龍だけが持つことができるスキル。その効果はレベルによって異なる。』

 

 おうおう。

 なかなかやばい能力が揃ってらっしゃる。

 終焉の龍はあれか。

 破滅とか火龍みたいなレベルによって出来ることが増えるやつか。

 てかこれ変身したあとの維持費はないのね。

 よく変身ものでありがちな消費が激しくなるとかは無いみたい。

 すげーな。

 まぁ、私は将来アラクネになれるからいいんだけどね?

 羨ましくなんてない。

 ないったらない。

 

 『タニシちゃんや、今の気分はどうだい?』

 

 『うーん……なんて言うんだろう……本来の姿を取り戻した感じがする。元からこの姿で事情あってタニシの姿になっていた……みたいな。』

 

 『Dの奴が言ってたその正体は龍であるって設定じゃね?』

 

 『ああ、なるほどね。うわーこのままでいたいなー。開放された気分……。』

 

 『その巨体じゃ迷宮内じゃ満足に動けんでしょうよ。』

 

 そう、今のタニシちゃんはめちゃデカイのだ。

 長さでいったら今まで見た魔物で1位2位争うレベルの長さ。

 ステータスの高さもあるけど質量があるから破壊力はステータス以上じゃないかな。

 てか質量どっから来たんだよ。

 あー…でも蜘蛛糸も質量保存の法則無視してるし、それの延長線上か。

 

 んーどうしよう。

 とりあえずまだ残ってるアークとパペットをやりにいきますかね。

 

 『タニシちゃん、向こうに2体ぐらいアークがいるから倒してきてよ。龍形態の性能も見ておきたいしね。』

 

 『分かった。』

 

 タニシちゃんの長い体がアークの反応へと一直線に向かう。

 無音で。

 多分無音スキルがカンストしてるからだろうね。

 怖。

 あの巨体が無音で近づいてくるなんてホラーじゃん。

 

 お、アーク達の姿が見えてきた。

 おう…アークの何倍だよ。

 とにかく体格差がすげーある。

 あのアークが小さく見えるとかまじでデケーな。

 

 アークが龍になったタニシちゃんに噛みつくが、牙がほんのちょっと刺さるだけだっだ。

 しかもその牙が削れてきてる。

 破滅鱗の効果か。

 タニシちゃんはお返しとばかりにブレスの準備をする。

 そして極大のものを吐くとアークは消えてなくなった。

 

 《経験値が一定に達しました。ザナ・ホロワがLV1からLV2になりました》

 《経験値が一定に達しました。ザナ・ホロワがLV2からLV3になりました》

 

 おう、まじっすか。

 一撃っすか。

 ならば静止からの歪曲の邪眼!!

 アークを空間ごと捻じ曲げる!!

 

 《経験値が一定に達しました。ザナ・ホロワがLV3からLV4になりました》

 《経験値か一定に達しました。ザナ・ホロワがLV4からLV5になりました》

 

 ふっふん!

 私だってアークを一撃で倒せるんだからね!

 まだ私のほうが強いんだからね!

 勘違いしないでよね!

 つーかさらっとやったけど私、アーク一撃で殺れるんか……。

 あのアークが?

 龍並のステータスを持つあのアークが?

 つまりそれって、龍を一撃で倒せるってことだよね。

 ならあのアラバも……?

 ………試してみるか。

 

 そんなわけでやってきましたアラバのいる場所へ。

 タニシちゃんは置いてきた。

 今頃残りのタラテクト達を倒しに行ってると思う。

 あのタニシちゃんなら大丈夫でしょ。

 

 さてさて、前方に何やら大きな魔物がいるなぁ。

 

 『地龍アラバ LV36』

 

 やぁアラバ。私のトラウマ。

 こうやってお前の前に立ってよく分かったよ。

 私はもう、お前より強い。

 それはもう、圧倒的に。

 アラバの方もそのことをわかってるんじゃないかな。

 それでもアラバは逃げることを選択しないみたいだ。

 武士の心ってやつ?

 

 アラバが炎を纏う。

 戦う準備ができたみたいだ。

 

 少しの静寂。

 そして音も無く、戦いが始まった。

 アラバが大地魔法で私を串刺しにしようといたるところから土の槍を生やし、遠くからブレスを放ってくる。

 私は迫りくる槍を避け、アラバに静止の邪眼を当てるとアラバはまるで時間が止まったように動かなくなった。

 

 その無防備な首に歪曲の邪眼を当てる。

 アラバの首が捩じ切れ、そこから血が溢れ出す。

 アラバの体に力が無くなり、血を流しながら地を揺らす。

 

 《経験値が一定に達しました。ザナ・ホロワがLV5からLV6になりました》

 《経験値が一定に達しました。ザナ・ホロワがLV6からLV7になりました》

 

 ………勝った。

 あのアラバに。

 呆気なく。

 嬉しい。

 超えるべき壁を超えられた。

 だから、嬉しい……はずなんだけど……。

 なんだろう?

 この気持ちは。

 なぜかスッキリしない。

 ………。

 駄目だ、考えてもわからない。

 とにかく、私のトラウマ克服記念としてアラバを食べよう。

 ……うむ、美味しくはない。

 でも味付け次第では化けそうな味だ。

 アラバよ、私にトラウマを植え付けたことや超えるべき壁として居続けたお礼としてゆっくりじっくり食べてやろう。

 

 《経験値が一定に達しました。ザナ・ホロワがLV7にLV8なりました》

 

 ん?ああタニシちゃんか。

 残ってたグレーター含むタラテクト達を倒して上がるのはLV1だけ……か。

 まじか。

 そんなに上がりづらくなってるのか。

 

 『蜘蛛さん、こっちは終わったよ。』

 

 『あーい。パペットは?』

 

 『上層にいて私じゃ入れない。』

 

 『龍形態をやめればいいじゃん。』

 

 『えー。』

 

 『……なら私がタニシちゃんのところに誘き寄せるよ。』

 

 『やったー。』

 

 『アラバを食べ終わってからね。』

 

 『私も手伝おうか?』

 

 『あー…いいよ別に。私1人で食べたい。』

 

 『分かった、後何分ぐらい?』

 

 『……1時間ぐらい?』 

 

 『えー…分かった、待ってるよ。』

 

 ふぅ……。

 タニシちゃんは純粋というか素直というか…。

 とにかく私の言うことは聞いてくれるし守ってくれる。

 おかげで喧嘩したことがない。

 というか今の私たちが喧嘩したらお互い不死だし全力で攻撃しまくるのでは?

 うわ、下手したら辺り一面焼け野原になるじゃん。

 今後もタニシちゃんと喧嘩しないように色々と心がけないといけないわ、これ。

 

 

 

 




 
 最古の龍並にステータスがあるタニシ(龍形態)
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