マザー討伐で恐ろしいほどのステータスを手に入れた。
あとスキルも。
平均ステータス35000だよ?
これはもう、魔王以外には負ける気がしない。
あ、そうだ。
終焉の龍スキル、最後の晩餐で出てくる暴食の小龍。
あれ、あんまり使えないかな。
強さはグレーターよりちょっと弱いぐらい。
暴食って書いてあるけど食べれるのは有機物だけ。
いや当たり前か。
魔王がおかしいんだ。
あと時間経過で消えることかな。
いや時間経過で消えるのは別にいいんだよ。
でもね、あの小龍ら、食べたものを消化しないの。
だから小龍らが消えた時、食べたやつでできた肉団子が残るの。
しかもよく噛まないせいで微妙に原型が残ってるものが集まってるから気持ち悪い。
なんかのホラー映画で出てきそうなオブジェだったよ。
もう二度と使わない。
現在、私たちは地上に出ております。
なぜなら魔王が最下層に来たからです。
何をしに来たのかはわからない。
多分、眷属であるクイーンタラテクトが殺されたからだと思う。
まぁ、そういうことで私たちエルロー大迷宮から逃げていった。
勝てない相手にわざわざ戦いにいく理由なんてないからね。
転移があるから私たちの逃げ足は世界レベルだぞ!
蜘蛛さんが言うには魔王の魂を絶賛モグモグ中らしい。
1人の並列意思が勝手に魔王の魂に飛びついたみたい。
予想外の出来事だけど、それのおかげで魔王はかなり焦ってると思う。
だって魂食べられてるんだよ?
私だったら命乞いをしにいくよ。
でも今回の魂喰らいはうまくいかないと思う。
だって魔王だし。
クイーンタラテクトより魂頑丈そうだしね。
並列意思が取り込まれそう。
そうなったらどうなるんだろう?
魂が混ざるとか絶対良いことないでしょ。
そんなことを思いながら山の幸を堪能していると、遠くから声が聞こえた。
やっほーとかそういう呑気な声じゃない。
もっとこう…争っている声だ。
万里眼で確認して見ると、馬車が盗賊らしき人に襲われていた。
馬車の周りには護衛であろう人達が血を流して倒れており、残った護衛も一人だけ。
その護衛も今さっき切られた。
あとに残ったのは馬車の中にいる貴族っぽい人だけ。
その人もあと少しで盗賊に襲われるだろう。
『………どうする?蜘蛛さん。』
『えー…あー…うーん?助ける意味がなー。』
『見捨てる?』
『いやでも経験値が欲しいしなー。』
『じゃあ盗賊を倒そう。』
『うーん。なんか面倒な事に巻き込まれそうなんだよなー。』
『その時はその時で。それに私たちステータス凄いし、魔王が来ない限り大丈夫だと思う。』
『うーん。それもそっか。』
蜘蛛さんが馬車に転移する。
私も行くか。
到着。
転移は便利だね。
さて、盗賊達は……何人か蜘蛛さんにやられてるね。
というかあと2人しか残ってないや。
呪怨の邪眼で仕留めよう。
……よし、終わり。
今回はレベルアップなしか。
だんだんレベルアップまでの遠くなってきてるね。
ん?まだ護衛の人生きてるね。
……治療しよ。
治療魔法っと。
これで全快だね。
さて、引き時かな。
「*********!!」
ん?馬車に居た貴族の人だ。
蜘蛛さんに何か言ってるね。
異世界語知らないから相変わらず何言ってるのかわからないけど。
そろそろ異世界語を知っておかないと、今後の生活に支障がでそうだ。
翻訳ってスキルはないのかな?
……無いみたいだね。
地道に言葉を覚えていくしかないか。
「*************……。」
んーこの人私たちに感謝しているみたいだね。
感動の涙を流して、頭をペコペコ下げてるよ。
貴族って頭を下げちゃいけないってどっかで聞いた気がするけど、大丈夫かな。
実はこの人貴族じゃなくて貴族っぽい格好をしているだけの一般人?
……そんなわけ無いか。
『え?ちょ…ちょっとタニシちゃん。そこの赤ちゃんを鑑定してみて。』
『ん?わかった。』
『人族 吸血鬼 LV1 名前 ソフィア・ケレン(根岸 彰子)
ステータス
HP:11/11(緑)(詳細)
MP:35/35(青)(詳細)
SP:12/12(黄)(詳細)
:12/12(赤)(詳細)
平均攻撃能力:9(詳細)
平均防御能力:8(詳細)
平均魔法能力:32(詳細)
平均抵抗能力:33(詳細)
平均速度能力:8(詳細)
スキル
「吸血鬼LV1」「不死体LV1」「HP自動回復LV1」「魔力感知LV3」「魔力操作LV3」「暗視LV1」「五感強化LV1」「n%I=W」
スキルポイント:75000
称号
「吸血鬼」「真祖」』
ん?
え?
これは……何?
根岸彰子?あの不健康そうな人?
いや、ここは異世界だし……。
あ、私たちと同じ転生したのかな?
DさんもDさんを除く教室にいた全ての人を転生させたって言ってたし、転生者か。
へー根岸さんかー。
あんまり記憶にないや。
不健康そうな人ってだけ覚えてる。
今は赤ん坊だし、もの凄い健康が良さそう。
かわいいし。
将来は美人さんだね。
あと吸血鬼?
人族なのに、吸血鬼?
……なんか特別な事情でもあるのかな。
それかあれか、転生特典か。
チート能力ってやつ?
不死体とか真祖とか、結構ズルいもの持ってるし、根岸さん勝ち組なのでは?
ま、まぁ私は今龍になれるしね?
ステータスも凄いし?
羨ましくなんてないよ。
ホントだよ。
『タニシちゃん。』
『なに?』
『こっから離れよう。』
『わかった。』
転移。
『すー…………。』
『?』
『ズルい!!なんで!?なんで人に転生してるの!?なんで吸血鬼なんてやべー種族になってるの!?なんで!?なんでー!?』
そんなことを喚きながらゴロゴロ転がる蜘蛛さん。
根岸さんの今世が、ひどく羨ましく感じるらしい。
わからなくもない。
でも私たちって魔物に転生したから、根岸さんがバブバブいってる間に速く成長できてるからあっちのが優遇されてるとは言えないのかもしれない。
根岸さんがバブバブってさらっと言ったけど結構字面やばいね。
『はー……人化のスキルとかないかなー。』
『取ってどうするの。』
『どうするのって…そりゃ人に紛れて美味しいご飯を食うためだよ。』
『食べ物目当てなんだ。』
『あー…あ、一応人化のスキルってあるんだね。条件を満たしていませんって言われて取れないけど。』
『え?人化のスキルあるの?…あ、でもさ、魔物が人化した時ってさ、その魔物の特徴受け継がれるイメージがあるんだけど。』
『………私、蜘蛛だよね。』
『足8本とか、眼が8つとかかな。』
『いやそれ化け物じゃん。人化した意味ねー。』
『私だったらどうなるのかな?』
『タニシだし貝を背負ってるんじゃない?』
『その貝をおろしたらどうなるの?』
『死ぬんじゃない?』
『え?怖い。』
あれかな、カタツムリみたいな感じかな。
人化ねー…人化人化……。
あ、100ポイントで取れるじゃん。
なんでこんなに適性が高いんだろう。
なんで条件を満たしていませんって出ないんだろう。
あれかな?
龍の因子が入ってるからかな?
なぜか龍って人化するイメージがあるし。
それが反映されてるのかな?
『ねぇ蜘蛛さん、私人化のスキルが取れるよ。』
『え!?マジ!?』
『う、うん。取る?』
『取ろう!!これで美味しいご飯が食べられるよ!』
『やっぱご飯なのね……。』
《現在所持スキルポイントは197830です。
スキル〈人化〉をスキルポイント100使用して取得可能です。
取得しますか?》
私って今197830もスキルポイントあるんだ。
蜘蛛さんも160000もあるし、マザーのスキルポイントを取り込んだからかな。
こんなところでもマザーの恩恵が……。
いや、狂のスキルで制限されてるから恩恵とは言えないや。
《スキル「人化」を取得しました。残りスキルポイントは197730です》
これで人化出来るようになった……と思う。
まだわからない。
人型の蜘蛛になるのかもしれない。
私だったら人型のタニシになるかもしれない。
真実は……やってみなきゃわからない。
『だ、大丈夫だよね!?人の因子がないから無理とかないよね!?』
『どうしたの急に。』
『なんかすごい不安になってきたんだけど!』
『龍化がトラウマになってない?大丈夫だよ、きっと。』
『もしこれで人化出来なかったらぶん殴るから!』
『なんで!?』
『だってそっちはさー!龍になれるじゃーん?人にもなれて龍にもなれるってちょっと…いやかなりズルくなーい!?』
『いやまぁ……うん。そうだね。』
『だから殴っていいよね!?』
『訳がわからないよ……とりあえずやってみよ?』
『よし!ふーふー……よし!…ふー……。』
『合図はどうする?』
『せーっのでどん!…で。』
『わかった、蜘蛛さんがやっていいよ。』
『OK!……ふー………せーっのでどん!!』
人化、発動!
ボンっと私たちから煙が上がる。
なんだか凄いコミカル。
Dさん、さては結構長い間地球にいるね?
ま、いっか。
煙が上がったということは成功したってことだ。
叡智の感知で私の目の前に人型の生物が立っているのが分かる。
足は8本もないね。
ちゃんと2本だ。
だんだんと煙が晴れていく。
肉眼で人型が見える。
これは完全に成功したね。
そろそろ煙が晴れそう。
煙が晴れた。
そこには前世で見たべっぴんさんの白いバージョンが全裸で立っていた。
Oh…蜘蛛さん、隠して。
あ、私もじゃん。
えっとどうしよう。
「おお!!なってる!人になってる!!……タニシちゃん、なんで全裸なの?」
「いや蜘蛛さんもそうだからね?」
「え?あ、ホントだ。服作ろっと。」
そういって蜘蛛さんは指先から糸を出してシンプルなデザインの服を作り上げた。
あ、そうか。
神織糸で作ればいいんだ。
私も蜘蛛さんに便乗して服を作る。
ふぅ……蜘蛛さんが気づかなかったのは、人化出来た嬉しさと魔物になってから今まで服なんて着てなかったからだろうね。
私も蜘蛛さんの全裸を見てなかったら気づくのがもう少し遅れてたのかもしれない。
これは蜘蛛さんが全裸だったことに感謝すべき?
……なんか変態みたいだ、やめておこう。
「タニシちゃんの人化、なんか独特だね。」
「独特?」
「肌に赤黒い模様がある。」
「え?あ、ホントだ。」
「うわー赤黒いタトゥー入れてるみたいだわー。」
「えー……そういう蜘蛛さんも、赤い瞳の中にそれぞれ4つも瞳があるよ。」
「え?どういうこと?」
「目の中に目がある感じ。」
「え?なにそれ気持ち悪っ!」
「うーん………なんか人間に紛れられそうにないんだけど。」
「いや、私は目を瞑ればなんとかなる。」
「…それって見えなくない?」
「万里眼でなんとかする。」
「なるほど。」
「タニシちゃんのは……まぁ、頑張って誤魔化してよ。」
「………そうだね。若い頃にやってしまったみたいなこと言っておくよ。」
「タニシちゃんの見た目結構若いけど。」
「何歳ぐらい?」
「高校生ぐらい。」
「転生前と同じぐらいか。」
「まぁそんぐらい。」
体の模様ぐらい、なんとかなるか。
んーもう少し自分がどんな姿をしてるのか知りたいな。
「蜘蛛さん、私はどんな人になってる?」
「ん?あー…前世で見たとおりの見た目だね。目は赤いけど。」
「赤いの?」
「うん、赤い。黒髪と赤の眼の美少女だね。」
「前世と同じなら美少女じゃないよ、普通ぐらいだよ。蜘蛛さんは相変わらず美人さんだね。」
「でしょ?」
「うん。そのせいでクラスの女の子に悪口言われてたね。」
「え?待ってそれ知らないんだけどマジ?」
「うん、ホントだよ。顔が良いから調子乗ってるとか言ってたかな。」
「えーまじかー。好かれてるとは思ってなかったけどそこまでとは……。あの吸血っ子もその一員だった?」
「吸血っ子?」
「さっき見つけた転生者。」
「…根岸さんね。あの人は違うかな?」
「あーならいいわ。もし一員だったら見捨てる所だったよ。」
「見守らなくても良いと思うよ?あの子貴族生まれだしすくすく育つんじゃないかな。」
「それもそっか。」
蜘蛛さん案外根岸さんのこと気にかけてる?
やっぱ同じ転生者同士だからなんかこう…感じるものがあるのかな。
私は心配しなくても良いと思うけどね。
根岸さんがいるのはエルロー大迷宮じゃない。
平和な町の領主様の家だ。
その平和はエルロー大迷宮に比べてっていう言葉がつくけどね。
なんで領主様の家なのかは、あの貴族が町で一番デカイ家に入ったからだね。
あの大きさで領主じゃなかったら、じゃあ一体誰の家だよってなる。
あ、根岸さんのことは人間の町を知るために万里眼で監視しております。
また盗賊に襲われそうだったから万里眼越しの邪眼で仕留めておいた。
根岸さん達に見える前に倒したから、何の前触れも無く突然倒れる盗賊の姿を見ずに済んだはず。
軽くホラーだからね。
赤ちゃんの教育に良くないよ。
………根岸さん、赤ちゃん扱いされたら怒るかな。
もし〘蜘蛛ですが、なにか?〙の世界に転生するとしたら何になりたい?アンケートの結果。
第1位 吸血鬼(真祖) 143人
第2位 自分は死なない(無敵)116人
第3位 馬 80人
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