タニシですが、なにか?   作:マリモ二等兵

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 タニシのHP、SPがそれぞれ100少なかったので修正しました。
 タニシのスキルに「念話」が無かったので修正しました。


猿蜘蛛タニシ合戦

 『そんじゃ、おやすみー。』

 

 『おやすみ。』

 

 蜘蛛さんが糸で作った布団もどきをかぶる。

 私は「睡眠無効」があるので寝る必要はない。

 寝ようと思えば寝れるけど、私は寝ることが好きというわけではないから寝ない。

 こうやって、外を眺めながらボーッとするのが好きだ。

 悩みも無く、邪念も無い、この時間が大好きだ。

 たとえ何もない大空洞でも構わない。

 ただ、頭の中をカラッポにして、何も感じず、ただそこにいる。

 そんな今が、大好きだ。

 

 

 ふと、大空洞の奥に何かがいるのが見えた。

 いや、見えてきた、と言うべきか。

 目を凝らしてその姿を見てみる。

 そこには、あの猿がいた。

 しかも大勢。

 ざっと数えて50弱の猿だ。

 それが全て私達に向かってきている。

 

 『蜘蛛さん!ちょっと起きて!!』

 

 『むにゃむにゃ……後5分……。』

 

 『5分も待ったら猿たちの胃袋の中に入ってるよ!早く起きて!』

 

 『分かった起きるよ…………グー。』

 

 ダメだ蜘蛛さん全然起きない……。

 なんとかして起こさないと、私も蜘蛛さんも死んじゃう。

 ……仕方ない、蜘蛛さんの嫌いそうなことを言おう。

 

 『ねぇ…蜘蛛さん。早く起きないと腐蝕大攻撃、やっちゃうよ?』

 

 その瞬間蜘蛛さんの全身の毛が逆立つ。

 そして蜘蛛さんは飛ぶように起きた。

 

 『は、はい!わかりました!起きます!!』

 

 『起きてくれたね。』

 

 『え?……ん?なんか騒がしくない?』

 

 『外を見ればわかるけど、大量の猿たちが向かってきてるよ。』

 

 『え!?』

 

 慌てて外を覗くと、そこに猿たちはいなかった。

 しかし声は聞こえる。

 どこからか?下を見てわかった。

 もう猿たちは私達の下にたどり着いていた。

 

 『え!?なんでバレてるの!?完璧なカモフラージュだったのに!』

 

 『私が倒したあの猿が、何か特殊なスキルを発動させたのかも。』

 

 『な、なるほど…。』

 

 蜘蛛さんが猿たちを見る。

 勝ち目があるかどうか考えているのかな。

 何体かの猿がこの垂直の壁を登っているので、ここにいられる時間は短いだろう。

 逃げるか戦うか、蜘蛛さんの判断を待つ。

 

 『よし!逃げよう!』

 

 『分かった。』

 

 私は蜘蛛さんの頭に乗り移動に備える。

 乗り心地はあんまり良くない。

 

 『戦略的撤退、開始!!』

 

 てったーい!!

 蜘蛛さんがここから逃げようと壁にそって巣から離れる。

 すると目の前に石が飛んできた。

 これって……。

 

 私達は猿たちを見る。

 やっぱりだ。

 あの石は猿たちが投げてきたんだ。

 地上100メートルのこの場所に石が届くってどんだけ肩が強いんだろう?

 うわっ!危な!また飛んできた!

 壁を登ってない猿たちが沢山の石を私達に投げてくる。

 しかも正確に投げてくるのでかなりまずい。

 

 『やばい!巣に戻らないと死ぬ!』

 

 壁に張り付いたままだと石が数発当たっただけで足がふらついてしまうだろう。

 そうなったら最後、猿の海に沈むことになる。

 それを察知した蜘蛛さんは巣に戻ることにしたようで飛びこむように巣に帰った。

 

 『……やばくない?逃げられないじゃん。』

 

 『あの猿たちを全員倒さないといけないのかな。』

 

 『……まじかー。』

 

 簡易ホームから顔を出して猿の状況を見てみる。

 まだ4分の1程度しか登ってきていないがそれでも順調に猿たちが近づいてきている。

 まずい……なんとかしないと猿の波に飲まれることになる。

 でも私遠距離攻撃なんにも無い……。

 だから迎撃ができないや。

 どうしよう……。

 内心で頭を抱ていると何を思いついたのか蜘蛛さんが前足を前に出す。

 

 『毒合成!蜘蛛毒を喰らえ!』

 

 すると、目の前に大きな毒の水玉が出現する。

 その水玉は重力に従い落下し、壁登り中の猿に直撃すると、その猿は絶命したのか力が抜けて壁から落ちていった。

 さすが蜘蛛さん!これなら猿たちを迎撃できるね!

 

 蜘蛛さんはその調子で蜘蛛毒を落とし続け、猿たちを倒していく。

 猿たちもこのままではまずいと思ったのか巣の横へ移動していき、蜘蛛毒の回避を狙い始めた。

 

 『横に移動しきる前に出来る限り猿を倒す!』

 

 蜘蛛さんが毒玉を落としまくる。

 十発目で猿の横移動が完了したため、毒玉は当たらなくなってしまった。

 毒玉による猿の撃退数は20体ほど。

 これほど倒せば数が減ったことが目に見えてくるはずだが、まったく見えてこない。

 なぜなら数が減るどころかどんどん猿の増援が来ているからだ。

 もう100体はいると思う。

 それでも終わることなくどんどんドンドン来る。

 某クラフトのスポーンブロックでも置かれたのだろうか?

 そう思ってしまうほど、奴らは奥からやってくる。

 

 『足止めしないと!』

 

 蜘蛛さんが周りに粘着糸を猿たちの進行方向を防ぐようにばらまく。

 私達にたどり着くには猿たちはこの糸まみれの壁を超えなければならない。

 しかし猿たちは躊躇することなく糸の壁を登り、先頭は動けなくなるが、動けなくなった先頭を踏み台に前に前にと進んでくる。

 蜘蛛さんは慌てて追加の糸をばらまき足止めを行うがそれも時間の問題だ。

 いずれ糸を猿が覆いつくし、残りの猿が私達を仕留めてくるだろう。

 

 そのことに気づき蜘蛛さんはMPの出し惜しみを止め、投網を放つ。

 それによって10体近い猿たちが拘束された。

 すかさず2回目の投網。

 この調子でやればほとんどの猿たちを拘束できると思ったが、彼らには他の魔物にはないものがあった。

 猿たちは私達に邪魔されないように投石をしつつ、1度に多く拘束されるのを防ぐために左右に分散して、かたまらないように行動し始めた。

 そう、彼らは頭が良かった。

 

 『くそっ!これじゃ拘束できても1、2匹だ!』

 

 効率良く倒す手段がなくなってきているのに、彼らの増援は止まらない。

 着々と彼らに追い詰められつつある私達。

 蜘蛛さんはもうMPもSPもぎりぎりの赤バーだろう。

 そんな状況なのに私は手伝い1つ出来やしない。

 当たり前だ、遠距離攻撃を私は持っていないのだから。

 私だけが生き残るのなら「怠惰」があるが、それじゃ意味が無い。

 蜘蛛さんと生きてこの状況を抜け出したい。

 でもどうする?

 このままじゃじり貧、数分もすれば私達は死んでいる。

 どうする?

 彼らは自分が死んでも構わないと思ってる。

 半端な攻撃じゃ足止めにもならない。

 どうする?

 どうすればいい?

 

 私はステータスを見てみる。

 

 《エルローゲーレイシュー(篠前 ゆりか) LV4

  ステータス

 HP:1144/1144(緑)

 MP:106/106(青)

 SP:1141/1141(黄)

   :1141/1141(赤)

 平均攻撃能力:10

 平均防御能力:1040

 平均魔法能力:6

 平均抵抗能力:1037

 平均速度能力:113

 スキル

 「怠惰」「睡眠無効」「退廃」「禁忌lv2」「韋駄天lv1」「腐蝕大攻撃LV1」「腐蝕無効」「鑑定LV9」「のんびり屋LV10」「念話LV1」「n%I=W」

 スキルポイント:65230

 称号

 「のんびり屋」「怠惰の支配者」》

 

 この4桁のHPとSPと防御力をどう活用すればいい?

 この「腐蝕大攻撃」をどうすれば彼らに当てられる?

 この役立たずの「怠惰」をどうすれば使える?

 

 考えろ!

 いつまでものんびりするな!

 そのノロマな脳を働かせろ!

 

 

 

 ………そうだ、こうすればいいんだ。

 私は近接特化、それは変わらない。

 近接攻撃は、近づかなきゃ当たらない。

 

 『蜘蛛さん。』

 

 『なに?何かいい作戦思いついた!?』

 

 私は今やろうとしていることを蜘蛛さんに言う。

 それを聞くと蜘蛛さんは私を止めようとしてきた。

 

 『え!?危険だよ!というか死ぬよ!!やめときなって!』

 

 『蜘蛛さん!彼らは私達を殺すに必死。彼らは、私達を死ぬ気で殺すつもりなんだ!

 だから、私も死ぬ気で彼らを殺さないと彼らに失礼だよ!!』

 

 そう叫ぶように言って私は蜘蛛さんから離れる。

 そして後ろから聞こえる蜘蛛さんの制止の声を無視し、私は猿の海に飛び込んだ。

 

 

 

 




 蜘蛛ですが、なにか?の中で猿戦は結構好きです。
 なのでめっちゃ猿戦見返して書きました。
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