「碇くん」
「どうしたの綾波」
「甘えたいの」
「そうなの綾波。おいで」
碇くんは両手を広げてくれる。
「ありがとう碇くん」
私は碇くんに抱き締めて貰い碇くんの温もりを感じる。
今はこの温もりにただ甘えたい気分。
「綾波。何かあったの?」
優しく聞いてくれる碇くんに
「特に無いの。ただ甘えたいだけ」
「そうなの?綾波。いつもアイ達の事をありがとう」
私より大きくてでも女性みたいに細い手が
優しく私の頭に被さる
そこからは一定のリズムで碇くんの手が上下する。
「気持ち良いわ」
ただ一言、私が気持ち良い状態の感想を言うだけで
「良かったよ綾波」
その一言が返って来る。
もし私が碇くんの飼い猫だったらって思う。
確かに猫なら私は碇くんからの愛情を
独り占め出来る。
それに今の生活に不満がある訳ではなく
今以上に自由な生活が出来る。
でもそれではアイ達に会えないわ。
だから結局、私は今の生活を望んでしまう。
「綾波。猫みたいだね」
笑われてしまっている。
「そうね碇くん」
碇くんは私がその言葉を否定しなかった事に
驚いているみたいだけど
今の私は気分は猫で居るの。
だからこんな冗談も今なら言える。
「にゃぁ?」
手を丸めて碇くんの顔を見上げながら言う。
「どうしたの綾波?」
案の定と言った結果で碇くんはそれ程、驚かなかった。
多分私がさっきの質問に対して否定しなかったからだと思う。
「碇くんが猫みたいだって言うから」
「そうだったね綾波」
結局碇くんには少しだけ笑われてしまった。
「碇くん。撫でて」
碇くんが私の頭を撫でる手が止まってるから言う。
今の私は猫だから少しでも機嫌を損ねさせたら大変よ碇くん。
「綾波」
碇くんが呼ぶから見つめる。
「何かしら碇くん?」
碇くんが呼ぶから返事をする。
「プリン」
一言だけ言うから
「作ったの?」
「本当はアイ達のだけどね」
「酷いわね碇くん。私の分は作らないなんて」
「だからアイ達が帰って来る前に言ってるじゃないか」
「そうね碇くん。じゃぁ冷蔵庫まで連れて行って」
「そのぐらい猫でも行けるよ綾波」
「わかってるわ碇くん。でも私は今甘えたがり屋の猫なの」
碇くんは大きなため息をつきながら
私を冷蔵庫まで連れて行ってくれてた。
「プリンどれかしら?」
「一番上だよ綾波」
「じゃぁ取って碇くん」
「それは自分でやりなよ綾波」
「猫なの今は」
「わかったよ綾波」
「ありがとう碇くん」
私は碇くんからプリンとスプーンを貰う。
「碇くん。やっぱり食べさせて」
「それ位自分で食べなよ綾波」
「私、猫なの碇くん」
「そう言ってたけど」
「猫でも出せれたら自分で食べるよ綾波」
「猫だからスプーン使えないの」
スプーンとプリンを碇くんに差し出しながら甘えてみる。
これで無理なら諦めるわ
「はぁぁ良いよ綾波」
「ありがとう碇くん」
口を開けながら碇くんがプリンをすくったスプーンを
私の口に運ぶのを待つ。
「綾波。やっぱり猫だよね」
「何を言うの碇くん。それは昔からでしょ」
「そうだったね綾波」
「碇くん」
「何」
「プリン」
「そうだったね綾波」
碇くんはプリンをすくったスプーンを
私の口へと運んでくれる。
そのやり取りを繰り返していると
最後の一口になってしまった。
「これで最後だよ綾波」
「えっ何を言うの碇くん」
「『何』ってだからこれで最後だよ綾波」
「もうしてくれないのね。酷いわ碇くん」
涙目で碇くんに訴えるそうすれば
碇くんは言う事を聞いてくれるわ
「ちっ違うよ綾波」
「じゃぁしてくれるのね碇くん?」
そこで少し強めに言うと碇くんは断る事が出来ないわ
「わかったよ綾波。これからもするよ」
そう言ってプリンを口に運んでくれた。。