騎士団長は転生しても女の子を守り続けるようだ。 作:ジンジャー・エール
初めてオリジナルの作品を書いて行くのですが、めっちゃ心配です。
感想、評価、その他誤字報告等ありましたらよろしくお願いします。
「いたか!」
「いや、向こうを探してみる」
「絶対に見つけろよ。女の子一人で国が手に入るかもしれないんだからな!」
雨の降るなか、二人組の声が聞こえた。
ここ、ダリア王国の騎士団長である俺は王の命によって、この子を逃している真っ最中である。
この子の名前は、アリア。
ダリア国の国王である、アルト・ダリア王の姪であり、この子が赤ん坊の時から世話を見てきた。
「さぁ、あちらへ行きましょう」
「ねぇ、おじ…国王様たちはどこなの?」
「今は話している時間はありません。さぁ、早くこちらへ」
「いたぞ!」
どうやら追手に見つかってしまったようだ。
「アリア様、こちらへ」
「ねぇ国王様は…」
「王のことは心配ありませんから早く!」
俺はアリアの体を抱えて、路地裏を通り、普段は人の通らない場所まで出てきた。
「アリア様、ここに隠れててください」
「でも」
「私のことはいいですから。さぁ、隠れてください」
「嫌だ! 国王様も同じこと言ってた! もう、一人は嫌だよ…」
アリアは泣いていた。
そうか、王はきっと今頃…
「心配は無用ですよ。私より強い人を見たことがありますか?」
少し間があってから、アリアは首を横に振った。
やはり心配なのだろう。
「でしょう? それに、私はあなたを守る使命があります。必ずその使命を果たしてみせますよ」
「約束、だからね?」
「はい、約束です」
ようやく隠れてくれた。
全く、九つにもなって、赤ん坊の時から何も変わっていない。
「おい、女の子はどこだ?」
頑固で、泣き虫で、王のことを叔父様と言おうとしてやめるところも、母親と同じところにできた右目の黒子も何もかも。
ずっと変わらないままだ。
「シカトしてんじゃねぇ! 女の子はどこだ?」
「あの子には、立派な大人の女性になってもらわないといけないのでね! 俺が死んでも守る!」
「やっちまえ!!」
相手は六人、分が悪いのは重々承知の上。
アリアを隠した所の奥には洞窟がある。
その洞窟は、街の外に出れる隠し通路となっている。
アリアならきっと、その洞窟を進んでくれるだろう。
俺がやることはただ一つ。
アリアが街から出るまでの時間稼ぎだ。
「俺の名はセレナ・ディラン! ダリア王国騎士団長として、ここで負けるわけにはいかない!」
アリア様、どうやら約束は果たせそうにありません。
せめて生き延びて、健やかに成長なさってください。
☆☆☆☆☆
「あ、いらっしゃいませ〜! お一人様ですか?」
気がつくと、目の前に一人の女性がいた。
誰だろう。
長く、銀色の髪。これでもかというほど整った顔。そして見たこともない服。
明らかにこの世のものではないものだと察する。
「残念ながらあなたは死んでしまいました。ですが、あなたの生前の功績が優秀だったことから、魂の行き先を自分で決める権利が与えられました! 良かったですね〜」
「あの、その前に一つ。あなたは誰ですか?」
もしここが死者の行き着く場所なのだとすれば、アリアは今どうなっているのだろうか。
そこも気になるが、それを聞くか判断するには、目の前の人間が何者なのか知る必要があるだろう。
「私ですか? 私は見ての通り、超絶かわいい女神様ですけど?」
「女神様、ですか」
「はい、そうですよ。あと、アリアちゃんはちゃんと生きてますよ?」
女神なら今、アリアがどうしているか分かるかもしれない。
そう思ったが、言う前に女神はアリアのことを教えてくれた。
どうやら本物のようだ。
「アリアちゃんはあの後、あなたの友人であるソロさんによって保護されてます。見つかったのが悪い人じゃなくてよかったですね〜」
「あ、はぁ」
ソロがアリアを助けてくれたのか。
ソロとは、俺の友人であり騎士団の副団長でもある男の名前だ。
彼には感謝をしよう。
「で、本題何ですけど。ぶっちゃけどうです? 生まれ変わって新しい人生を始めるか、それとも天国へいって成仏するか」
生まれ変わるか、天国へ行くかの二択か。
生まれ変わって、記憶が残る保証があるわけでもないし、人間である保証はない。
しかし天国へいくのもどうかとは思う。
「まぁ、あなたは十分な功績がありますし、多少の我儘は許されると思いますよ?」
「本当ですか?」
「えぇ、本当ですよ。過去にも、別世界に生まれ変わってハーレムを作りたいとか、少し未来で生まれ変わって新しい世界を見たいだとか。色々な事例がありますからね〜」
多少の我儘は許される、か。
多少がどれくらいか分からないが、なかなか幅はききそうだ。
別世界とは、興味深いな。
少し未来で生まれ変わるのも悪くない。
その未来で、アリアは立派に育っているだろうか。
アリアは―
「…決まったみたいですね〜。どうしたいか、教えて下さい」
「俺は、アリアが大人になった世界で生まれ変わりたいです」
「はーい、分かりました。赤ちゃんからのスタートですが、女神様の素敵なサポートによって、記憶はそのままになっていますから。存分に楽しんできてくださいね〜」
足元に魔法陣のようなものが現れる。
魔法は、本の中に出てくる伝説上のものであり、この目で見るのは初めてだ。
体が少しずつ軽くなっていく。
そこで意識が途絶えた。
プロローグを最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
前書きにも書いたとおり、感想、評価、誤字報告等よろしくお願いします。