七つの世界と七つの聖剣   作:伊勢村誠三

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ある世界に七本の聖剣在り。

一つ、紅蓮の炎の火炎剣

一つ、大地をも穿つ水勢剣

一つ、天をも焦がす雷鳴剣

一つ、金剛の如き毀れずの土豪剣

一つ、駆け抜ける疾風の風双剣

一つ、響き渡る調の音銃剣、錫音。

一つ、封印と新月の闇黒剣、月闇。

聖剣の世界、解けし時、
七つの世界にて聖剣の担い手現れ、
世界をめぐり再び七本そろう時……



水勢剣と三人のプリンセス

「ユウキ!」

 

「王子はん!」

 

「あ、主、さま………え?」

 

「なんだ、何かあると思えばこの程度か。つまらん。」

 

やけにゆっくりと沈んでいく完全に致命傷を負った自分の体と、置いて行かれたようにゆっくりと遅れて落ちてくる真っ赤な血を見つめながら少年、ユウキは頭の自棄に冷静な部分でこの状態をどうにかしようとしていた。

 

(クリスティーナからコッコロを守るために体ごと盾になったのはいいけど…これは、死んだかも。

左肩からバッサリ……前にぺコさんがやっつけた魔物もこんな風にやられてたっけ?)

 

もう、どうしようもない。

マホに直してもらう?駄目だ。失敗する確率の方が高い。

コッコロは?駄目だ。魔法を使うという選択肢が上がるような精神状態じゃない。

 

(終われない。こんなところじゃ終われない!絶対に!絶対に!)

 

手を伸ばす。

何とか剣を杖代わりに立つことぐらいはと思うが、腕が石のように重い。

瞼も、体も同じだ。

動かなきゃいけない。それなのにそのまま彼は意識を手放した。

 

 

 

「その言葉に偽りはありませんか?」

 

気が付くとそこはどこかの街中。

そこら中にシャボン玉が飛び、空には竜の姿も見える。

ユウキに声をかけたのはそんな不思議な世界に不思議とマッチした青い革のコートの男性だった。

 

「私なら、あなたに力を託すことができます。

ですがそれは、あなたをさらに過酷な運命にいざない、

あなたの大事な人たちをも巻き込みかねない。

でも、あなたはこの力を手にしなければ間も無く死ぬでしょう。

時間はあります。よく考えて…」

 

男がいい終えないうちにユウキは手を伸ばした。

男は暫くユウキをじっと見ていたがやがて

 

「この剣を抜いてください。」

 

男はユウキの背後を指す。

ブロックノイズのような光と共にユウキの背後に一筋の水柱が立った。

ユウキは一瞬面食らったがゆっくりと息を吐き、それをつかむ。

 

水勢剣(すいせいけん)流水(ながれ)!>

 

 

 

「はっ!」

 

ユウキは自分が前のめりに倒れそうになっていることに気づいて踏ん張った。

彼含めて全員が目を向いている。

傷口に指を這わせると、そこからおびただしい量の水が噴き出し、ユウキの腰に巻きつく。

 

<聖剣!ソードライバー!>

 

赤い帯に黒いスロットが三つ着いたバックル、聖剣ソードライバーに何かを横向きに差し込むスロットを見つけたユウキは立ち上がり、背中の剣を引き抜く。

 

剣にブロックノイズ上の光が走り、その姿を水勢剣流水に変えた。

納刀し、サイドのホルダーにマウントされていたワンダーライドブックを開く。

 

<ライオン戦記!>

 

<この蒼き鬣が新たに記す、気高き王者の戦いの歴史…>

 

「ほう?犬に狐ときて今度は獅子か?動物ならより取り見取りだな?」

 

そう言って好戦的に笑うクリスティーナにユウキは静かに言った。

 

「この聖剣に誓う……皆も世界も、僕が救って見せる!」

 

バックル中央のスロットに閉じたライドブックをセットクリスティーナが走ってきたのに合わせて剣を引き抜く!

 

<流水、抜刀!>

 

「変身!」

 

クリスティーナの剣をはじいてポーズを取る!

背後に出現した本型のゲートから飛び出した青い獅子のエネルギーがユウキを包む!

 

<ライオン戦記!>

 

<流水一冊!百獣の王と水勢剣流水が交わる時、紺碧の剣が牙を剥く!>

 

仮面ライダーブレイズに変身を果たしたユウキはクリスティーナに向かっていく!

 

(面白いな…本人の剣の腕はせいぜい並み。

だが避けれる攻撃は全て避け、受けれる攻撃は全て受けきれている。)

 

そして当てれる攻撃は全て当てている。

ブレイズには乱数聖域が通用していない。

 

「面白い!お前も倒してその鎧も剣もエルフの子供もバラバラにしてドロドロに溶けるまで研究してやる!」

 

両者剣の冴えが増す。だが絶対値と年季で圧倒するクリスティーナにだんだんとブレイズが推され始める。

 

「なあ、あれ、なんなんだ?」

 

戦いを見ていたコッコロにマコトが尋ねる。

しかしコッコロも首を振る。

 

「アメス様にも、あのような力はありません。

あれは恐らく、もっと別の聖なる力です。

聖剣ナガレ…主様、あなたは本当に一体……。」

 

「どうしたどうした!そんあものかぁあ!」

 

振り下ろされた剣についにブレイズが膝をつく。

だがブレイズは負けじとベルトのライドブックをタップ!

 

<ライオン戦記!>

 

クリスティーナとブレイズのちょうど間から青いライオンが現れる。

ライオンは彼女にかみつくとそのまま思い切り壁にたたきつける!

クリスティーナは崩れた壁の瓦礫と共に放りだされた。

 

「おお!」

 

「あんなことまで……」

 

そのままクリスティーナを追おうとするブレイズ。

しかし

 

「王子はん!これ!」

 

マホが彼を引き留め、何かを握らす。

 

「それって!」

 

「ライオン戦記にそっくりさー!」

 

「マホマホ王国に伝わる秘宝どすえー。

王子はん。これであいつを懲らしめとぉくれやす。」

 

ブレイズは頷いてバックルの本を閉じると手にした新たなワンダーライドブックを開く。

 

<天空のペガサス!>

 

<かつて蒼白の翼を持つ神獣が天から輝き舞い降りた…>

 

スロットの右側に装填し、もう一度剣を引き抜きながら飛び降りる!

 

<流水抜刀!聖なるライオンペガサス!>

 

<流水二冊!夜空を彩る獅子座が、流星の如く降り注ぐ!>

 

新たに右肩の装甲を追加されたブレイズは腰のホルダーに剣を納刀し、居合斬りのような構えを取る。

 

「いい。お互い、命を張るとしようじゃないか!」

 

2人は同時に走り出し剣を振りぬく!

 

<天空のペガサス!>

 

しかしそれより早くブレイズはバックルのライドブックをタップし、剣を持つ手とは反対の手にエネルギをため、クリスティーナの剣を肩で受け、手で押さえつける!

 

(引けない!しまった!)

 

<必殺読破!ペガサス!ライオン!二冊撃!

ウォ・ウォ・ウォーター!>

 

振りぬいた剣がクリスティーナの腹部を一閃。

さらにもう一撃右肩に深々と一撃。

 

クリスティーナが剣を落とすのとブレイズの変身が解除されるのは同時だった。

 

「は、ははははは!あーーーっはっはっはっは!

まさかこんな坊やに完全敗北を喫するとは!このクリスティーナ・モーガンも落ちたものだな!」

 

ダメージ量で言えば完全にクリスティーナの方が上だろう。

だが、今彼女の利き手は完全に動かない。

剣士としてこれ以上致命的な傷はないのだ。

 

「名前は覚えておくよ。えーっと?」

 

「ブレイズ……水の騎士、仮面ライダーブレイズ!」

 

ブレイズ、ブレイズか。と何度かその名を反芻するとクリスティーナはその場を後にした。

サレンが駆け付けたのはその少し後のことだった。




仮面ライダー解説 その4

仮面ライダーブレイズ=ユウキ

・プロフィール
性別:男性
年齢:16歳
趣味:手伝い、人助け
特技:女を落す(無自覚)
聖剣:水勢剣流水
好きなもの:たくさん
嫌いなもの:覇瞳皇帝(カイザーインサイト)(直球)

・概要
かすかに残っていた先代ブレイズの魂に見込まれ、水勢剣流水を手にした少年。
電脳世界にデータ化して入ってきた水勢剣流水は下手したらバグとして処理されかねないので、彼のもともと持っていた剣と融合する形で彼の手に渡った。

・他のメンバーからの評価
セイバー「抜けてるんだか鋭いんだか…んー、天然?」

エスパーダ「聖剣の騎士やその周りの人間はどうにも人たらしや魔性の奴らが多い気がするが、彼はその最たる例だろう。」

バスター「あー、あいつね?悪い奴じゃねえけどそのうち刺されそうなのだきゃ心配だな。」

和真「リア充爆発しろ!うちの馬鹿どもと違って癖は強いけど優秀な仲間ばっかじゃん!不公平だ!」

セレナ「彼は不思議な子よね。時々すごく子供っぽいんだけど、時々誰よりも大人なのよね。」

八幡「………別に。どうでもいい。」

ぺコリーヌ「世界を救う勇者なんてやばいですね☆
けど、普通の狩とかの時は変身したり本を使わないんですよ。
なんででしょうね?」

キャル「あいつ?まあ面倒な奴だけど悪い奴じゃないわよ?」

コッコロ「謎の多い方です。けど間違いなく選ばれた立派な方です!」

・総評
記憶喪失ゆえの奇行や常識のない部分がなくはないが、人として大事なものはもう持っており、誰かのために戦うことをためらわない騎士然とした部分もしっかりあり、総じて色物ぞろいの聖剣の使い手たちの中ではまともな部類、かもしれない。
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